不思議と引き込まれる！ロマンと哀愁漂う”美しき廃墟”の世界

「廃墟」と聞くと、どのようなイメージが思い浮かびますか。人気のない恐ろしいイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、廃墟の全てがマイナスなイメージでは片づけられない、美しさを兼ね備えた場所も世界にはあります。

日本だと、世界遺産にも登録された「軍艦島」などでしょうか。幾重にも及ぶ年月が、廃墟を魅力的な場所へと変えていった、そんなスポットを紹介します。

ホームブッシュベイの廃船（オーストラリア）

廃墟とは少し違いますが、こちらはオーストラリアのシドニーの海に浮かぶ廃船。イギリスで造られた船で、第二次世界大戦中は物資を運ぶ船として利用されました。現在は、船の上に木々が生い茂り、独特の魅力を放っています。

コールマンスコップ（ナミビア）

アフリカ南部の共和国、ナミビアにある砂に埋もれたゴーストタウン。1900年代、ダイヤモンドの発見で一時期炭鉱として栄えました。しかしダイヤモンド価格の暴落により、今では使われていない住居がいくつも残っています。家の中に入り込んだ砂漠の砂の風景は、まるで絵画のよう。時代の流れを感じさせます。

ミランダ城（ベルギー）

1866年、貴族によって建てられた比較的新しいお城。1980年代までは孤児院として使われていましたが、土地の権利が所有者に返され、今はだれも住まない廃墟と化しています。

城内は当時の面影を残したまま。恐ろしくも美しい雰囲気が漂います。

ベーリッツ・サナトリウム（ドイツ）

第二次世界大戦時のドイツの指導者ヒトラーも入院していた病院。長期療養を目的に、第一次世界大戦以降は軍の病院として使用されていました。有名な「戦場のピアニスト」、「ワルキューレ」といった映画の撮影場所にも使われたのだとか。

怪しくも美しい雰囲気。当時の面影がそのまま残っています。

ゲーリー・メソジスト教会（アメリカ）

製鉄業によって、一時期栄えたゲーリーという町に作られた教会で、町が衰退していくとともに、教会も廃墟と化していきました。1970年代初頭から誰にも使われず放棄されています、今もなお、ステンドグラスと重厚な石造りが美しさを残す場所です。

ホテル・デル・サルト（コロンビア）

1990年代に閉館された断崖絶壁にそびえるホテルの廃墟。元々は高級ホテルでしたが、観光産業の衰退とともに廃業へ。こけの生えた屋根や壁は、周囲の雄大な山々や流れ落ちる滝の風景にうまくマッチしており、つい足を留めて見とれる魅力があります。

ローンデール・シアター（アメリカ）

1927年シカゴにオープンした映画館の跡。何千人も収容できる広さは、当時かなりの観客で賑わっていたことを想像させます。50年以上も使われていない建物は、独特の雰囲気を持っており、割れたガラスから差し込む光は、ミステリアスな雰囲気を増長させます。

クラーコ（イタリア）

中世に作られた歴史的な建造物。1960年代までは住民が住んでいましたが、群発地震などによってどんどん住民が減っていき、今ではゴーストタウンと化してしまいました。廃墟としてもそうですが、歴史的建造物としても感慨深い建物です。

イースタン州立刑務所（アメリカ）

今はもう使われることのない刑務所。7万5千人余りの囚人を収容してきたこの刑務所は、1970年に閉鎖されました。アメリカのギャング、アル・カポネも収容された刑務所として知られ、現在も彼の独房を再現した部屋が残っています。

一般にも公開されており、自由に見学することができます。当時について何か知ることができるかもしれませんね。

落合集落（日本）

落合集落は、今は廃村になってしまった集落です。伝統的な建造物が残っているとして、2005年、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されてから、観光地としての役割も果たすようになりました。今では見られなくなった、日本の風景を感じられるかもしれませんね。
ご紹介した以外にも、世界にはたくさんの廃墟があります。日本だけでもその数は相当なもの。廃墟には、ひとつひとつにストーリーが隠されています。ストーリーを紐解くもよし、単純にその美しさを堪能するもよし、もし近くを訪れることがあれば、ぜひ足を運んでみてください。