KentaroOhno
北海道札幌市にあるモエレ沼公園を知っていますか?20世紀を代表する彫刻家のひとり、イサム・ノグチ氏が手掛けた大型の都市型総合公園です。アメリカ生まれのノグチ氏が幼少期を過ごした日本で実現させたこの公園には、氏のこだわりがたくさん詰まっています。何があるのか、一緒に見て行きましょう。「モエレ沼公園」とは?
公園の名前の由来
http://blog.livedoor.jp/lowpesite/archives/51854894.html
モエレ沼はもともとごみ処理場の埋立地でした。1979~1990年にかけて約270万トンのごみが埋め立てられ、1982年に公園として造成をはじめました。1988年以降彫刻家として知られるイサム・ノグチ氏(1904-1988)が公園造成に加わり、2005年7月1日に全面オープン。モエレというユニークな名前の由来はアイヌ語「モイレ・ペッ(流れの遅い川)」を意味しています。
公園を設計したのは、彫刻家【イサム・ノグチ】
世界各地にアーティスティックな子ども用遊具を設置してきたノグチ氏は、その一連の造形作品(遊具)を「そこで子どもが遊んで初めて完成するもの」と考えてきました。モエレ沼公園の設計にもその考えは随所に反映されていて、訪れた人は氏の作品の一部になったかのような感覚を味わうことができます。眺めるだけでも楽しい!個性的な造形の施設
Masashige MOTOE
モエレ沼公園にはどんな作品があるのでしょうか?ここからは代表的なものを紹介します。モエレ沼公園のシンボル的施設【ガラスのピラミッド“HIDAMARI”】
公園内に象徴的に建っているのが、32m(3階建て)の高さを持つガラスのピラミッドです。イベント用のスペースやショップ、レストランなどが入っている同ピラミッドの別名は「HIDAMARI」。冬には温室効果が得られ、夏場は冬の間にストックしておいた雪による、環境に優しい冷房システムが活躍します。ガラスのピラミッドは公園の文化活動の拠点であり、公園を象徴するモニュメントです。館内にはレストランやギャラリー、ショップ、公園管理事務所が入っています。また週末には、音楽やダンス、美術の展覧会などのイベントが開催されます。
桜に囲まれた、遊具のある広場【サクラの森】
「大人の世界ではなく、背丈90cmの人間が走り回る世界です。僕が創造したものを子どもに発見してもらいたい。原始、人がそうしたように子どもにも直接向き合ってもらいたいのです」。イサム・ノグチの言葉です。遊具はどれもユニークで魅力的。
【プレイスカルプチャー】
http://kodoberu.com/sapporo-higashi/moerenuma.html
プレイスカルプチャーは、ゆるやかにカーブする形状をした遊具です。下水管の曲管を繋げて作られているんですよ。ただ見ただけでは、正直遊び方が迷いますが、上に乗ってみたり、下の空洞をくぐり抜けたりしながら、遊ぶと良いそうです。小さなかお子さんと一緒に遊ぶのにおすすめです。色もカラフルなので、見ているだけでも楽しむことができます。
【サクラの森】には色違いが3つ設置されています。イサム・ノグチは一つの彫刻の形を、翻案して家具や照明に用いることがしばしばありましたが、この【プレイスカルプチャー】も、同じ素材で、よく似た形で、ただずっと大きな【スカイゲート】という作品があります。
【オクテトラ】
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オクテトラは、4面に丸い穴が空いた8面体を1基とした遊具です。4基をピラミッド状に積み上げて設置しているので、なんとも幾何学的なたたずまいになっています。オクテトラの遊び方はというと、穴をくぐったり、上へと登ったり、中に頭を入れて外を眺めたりするのがおすすめです。赤色が景色に映えるので、写真撮影にもおすすめの場所です。アイデア次第で面白い写真を撮ることができますよ。
オクテトラは、イサム・ノグチを代表する遊具彫刻のデザインです。モエレ沼公園だけではなく、各地の公園や広場に設置されています。しかしイサム・ノグチ本人が手掛けたオクテトラは、ここの他ごく少数で、とても貴重なものです。
【スライドマウンテン】
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スライドマウンテンは、円錐型のすべり台で、頂上から3方向へ滑り降りることができます。とっても大きな佇まいが迫力を感じられますよ。一般的な滑り台とは違って、カーブを描くような形状になっているので、また違ったスリルと楽しさを感じることができるので、アドベンチャー系の遊びが好きな人におすすめです。子供にとっても人気で、何度も滑り降りています。
「滑ることができる山」というのは、イサム・ノグチとアメリカ合衆国の建築家ルイス・カーンの実現しなかったプロジェクト《リバーサイド・ドライブ・パーク・プレイグラウンド》の模型に何度も登場するモチーフです。
ダイナミックな「水の彫刻」【海の噴水】
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海の噴水では、毎年4月末から10月に掛けて1日3,4回行われる水のショーをみることができます。直径48mもの大噴水が織り成すダイナミックなショーは、40分間のロングプログラムと、15分間のショートプログラムで堪能できます。水もまた、イサム・ノグチにとって重要な素材でした。1970年の大阪万博開催時にも噴水作品を手掛けています。モエレ沼公園の海の噴水は、マイアミのベイ・フロント・パークの噴水の姉妹版といえる作品です。
子ども達のための水遊び場【モエレビーチ】
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海のない札幌にビーチを、との発想から生まれたのがモエレビーチです。すり鉢上の敷地の中に現れた、有機的な形の巨大な池も、イサム・ノグチデザインによるもの。夏場は小さな子どもも安心して遊べる水遊び場として大活躍します。最深部でも45cmという浅いビーチですが、面積は2000㎡と広いです。開放期間は2015年6月13日(土)から9月2日(水)の10:00~16:00、そして木曜日が定休日でした。2016年の予定は残念ながらまだ分かりません。
ピラミッドをモチーフに設計【プレイマウンテン】
http://kodoberu.com/sapporo-higashi/moerenuma.html
高さ30mあるフォルム型のプレイマウンテンは、大地を彫刻するイサム・ノグチの原点となった遊び山です。瀬戸内海に浮かぶ犬島から運んできた花崗岩を積み上げた石段は99段もあるんですよ。斜面はギザのピラミッドなど古代の遺跡のような雰囲気があり、見ているだけでも楽しむことができます。プレイマウンテン石段の反対側の斜面には、白い一本の道が頂上へと続いています。頂上からは雄大な景色を眺めることができます。
イサム・ノグチが長年温められてきた構想が、初めて形になったのがこの公園です。1933年に発案したセントラル・パークに遊園地をつくるプランである《遊び山》は実現しませんでした。大地に直接作品を彫り込むというコンセプトです。
地域のランドマーク。鶏の目で見渡せる人工の山【モエレ山】
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札幌市東区のシンボル的存在にもなっている標高62.4mの山は、なんと不燃ゴミと残土を盛ってつくられた人工のもの。山頂からは札幌市内を見渡すことができます。冬場はスキーやそり遊びに来る人々で賑わいます。モエレ沼公園最大の造形物であり、札幌市東区唯一の山であり、地域のランドマークでもあります。登ったあと、これが人工の山、しかもゴミや残土でできた山だと知った人はずいぶんと驚いたのではないでしょうか。登り口は3方向5ルートあります。
シンプル&ダイナミックなモニュメント【テトラマウンド】
http://kodoberu.com/sapporo-higashi/moerenuma.html
シンプル&ダイナミックなモニュメントがテトラマウンドです。プレイマウンテンの西北に位置するテトラマウンドは、直径2mのステンレスの円柱を三角に組み合わせて、高さ13m×幅65m×奥行き56.2mにも及ぶ三角錐と、真下に芝生の円いマウンドを盛り上げた造形です。真ん中の芝生部分まで登りで写真を撮影すると、とってもキレイな写真が撮れますよ。思い出に残る写真になること間違いなしです。
隣接する広場は音楽やパフォーマンスの舞台として利用することができますよ。この作品の北西から園内を眺めると、「プレイマウンテン」「ガラスのピラミッド『HIDAMARI』」「モエレ山」といった重要なオブジェをたくさん見ることができます。
パフォーマンスの舞台【ミュージックシェル】
http://kodoberu.com/sapporo-higashi/moerenuma.html
ミュージックシェルは、プレイマウンテンの正面に位置にあり、観客は石段に腰を掛けてコンサートや舞踊などのパフォーマンスの舞台を楽しむことができる場所です。ステージ部は幅14.5mの半円で、床にはプレイマウンテンにも使用されている庵治石が敷き詰められていいるので、とっても素敵な空間になっています。ライトアップされた時には、幻想的な雰囲気を堪能できると評判です。
水と石の広場【アクアプラザ&カナール】
http://moerenumapark.jp/aqua_plaza/
アクアプラザはモエレ沼公園を象徴する2つの山、モエレ山とプレイマウンテンの谷間に位置する水と石の広場です。静かに湧き出す水が溢れてカナールへと流れていきます。水深は20~40cm程度と浅く、夏には水遊びを楽しむことができる場所です。幾何学的な形態が多くに見られる園内ですが、山の頂上から見下ろすと、この広場もまた園路で三角形に切り取られているのがわかります。
園内で食事をするなら
フランス料理レストラン【L’enfant qui rêve】
北海道の豊かな食材を活かした料理を提供するフレンチレストラン「ランファン・キ・レーヴ」は、ガラスのピラミッド内にあります。店内のテーブルや照明もイサム・ノグチのデザイン。スタイリッシュながらもどこかに温かみのあるインテリアに囲まれ、至福の時間が約束されているレストランです。■ 基本情報
- ・名称: L’enfant qui rêve
- ・住所: 北海道札幌市東区モエレ沼公園 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド
- ・営業時間: 11:30~19:00
- ・定休日: 月曜日
- ・電話番号: 011-791-3255
- ・料金: 4000円~
- ・公式サイトURL: http://www.lenfant-qui-reve.com/
テイクアウトショップ【panier(パニェ)】
http://kenjyaninarezu.blogspot.jp/2012/09/art-culture.html
モエレ沼公園内のテイクアウト専門店のお店が、panier(パニェ)です。ガラスのピラミッド内にあるせいかお店もおしゃれな作りになっています。ここでは、ソフトクリーム、あげいも風のモエレ珠、ランチボックスなど 公園内で気軽に食べられるものを購入することが可能!ちょっぴり小腹がすいた時に、おすすめです。ソフトクリームは濃厚で抜群の美味しさだと評判です。
■ 基本情報
- ・名称: panier(パニェ
- ・住所: 北海道札幌市東区モエレ沼公園
- ・営業時間: 11:00~17:00 (4月中旬~11月中旬の夏季期間のみ営業)
- ・定休日: 第1月曜
- ・電話番号: 011-791-3255
- ・料金: ~1000円
- ・公式サイトURL: http://www.sapporo-park.or.jp/moere/moe/restaurant.php
オリジナルグッズをおみやげに
ガラスのピラミッド“HIDAMARI”ショップ
http://www.extract.jp/moere-t.html
モエレ沼公園のオリジナルグッズやイサム・ノグチの関連書籍、照明器具AKARIなどを販売しているのが、“HIDAMARI”ショップです。インテリアだけでなく、Tシャツやバッグなどのオリジナルグッズがあり、どれも洗練されたオシャレ感があると評判です。おみやげとして購入するのはもちろんのこと、自分用としても使える商品がたくさんありますよ。
訪問者の声
MIKI Yoshihito(´・ω・)
モエレ沼公園へ出掛けている人達は、どんな感想を寄せているでしょうか。モエレ沼公園の基本情報&アクセス
基本情報
- ・名称:モエレ沼公園
- ・住所:〒007-0011北海道札幌市東区モエレ沼公園1-1
- ・営業時間:東入口ゲート(中福移幹線・三角点通側)通年開放 7:00-22:00
- ※入場ゲートは21時まで
- ・休園日:なし(但し、各施設はそれぞれ休業日あり。詳細はHPでご確認ください)
- ・電話番号:011-790-1231
- ・入園料:無料
- ・公式サイトURL:http://www.sapporo-park.or.jp/moere/
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素材提供:トリップアドバイザー