大分県でまず思い浮かぶのは「温泉」ですね。歴史の古い別府温泉や湯布院温泉など、日本でも有名な温泉街があります。他にも大分県には、西洋と東洋という2つの文化に翻弄された歴史上のスポットも残されています。代表的な戦国武将でキリシタン大名として知られる大友宗麟。それに対し、密教文化の色濃い国東半島には、宗麟によって焼討にあった仏の里、六郷満山の寺々があります。
他にも実在した旅の僧侶の逸話など、西洋(渡来)と東洋の文化が交差した時代を旅してみましょう。
熊野麿崖仏熊野麿崖仏
中でも、鬼が一晩で築いたという伝説のある乱積みの石段を上がると、岸壁に「不動明王」と「大日如来」が刻まれた、熊野麿崖仏があります。日本最古、最大の麿崖仏です。
受付では無料の杖を借りることができます。階段は300段ほどありますので頑張って上りましょう!
足元はくれぐれも注意ですよ。
富貴寺大堂
現存する九州最古の木造建築物です。
神秘的な雰囲気を漂わせる建物の周辺は、とても緑豊かで、四季折々、風情ある表情を醸し出します。
修験者たちの営みに思いを馳せながら、黙って静かに、ずっと眺めていたい気がする場所です。
旧千燈寺は、六郷満山の開祖仁聞菩薩が最初に作ったお寺と伝えられています。
しかし戦国時代、大友宗麟によって焼討にあい廃寺となり、今は仁王像や石垣だけが残っています。
西洋の神と東洋の仏。文化の渡来によって翻弄される人々。
野原に残された石像から、遠く戦国の世の様子が偲ばれます。開祖仁聞の墓も近くにあるのでぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。
上宮、下宮があり、片参りにならないように両方にお参りしなくてはいけません。おまけに、左の一之御殿、中央の二之御殿、右の三之御殿と順にお参りします。
一般的な神社と違い、ここでは「二拝四拍手一拝」でお参りです。間違えないようにしましょう!
御許山は、宇佐八幡宮の神様が降臨された場所だとか。ちょっと気になりますね。参道では、絶対踏んではいけない「石」もあるそうです。ますます気になります!
周囲は断崖絶壁で、当時は港としての機能もあり、南蛮貿易にも便利だったともいわれています。
国崩し
ポルトガル人より大友宗麟に贈られた、日本で最初の大砲です。宗麟はこれを「国崩し」と名付けました。
大友宗麟は島津軍との戦いで臼杵城に籠城した際、攻めてくる島津軍をこの大砲で撃退したそうです。
「国崩し」という名前からも、きっと当時はすごい威力を発揮し、周囲をたいへん慌てさせたのだろうと想像できます。刀時代から鉄砲、大砲の時代へ移り行く世の中の象徴ですね。
大友宗麟公園にある、大友宗麟の墓です。実はすぐ近くに、宗麟の仏式のお墓もあります。
大友宗麟の死後、豊臣秀吉が「宣教師追放令」を出したため、宗麟の嫡男が急遽、仏式の墓も建てたのだそうです。写真は昭和25年に再建されたもの。
西洋の神さまと東洋の仏さま、まさに文化が交差する時代です。
お墓にまで影響されるとは、死後の世界って何なのでしょう。ちょっと首を傾げたくなります。
別府温泉の歴史は古く、万葉集に「湯の井」の記録が残っているほどです。
別府では近年「混浴温泉世界」という現代芸術フェスティバルが開催されるなど、別府温泉に訪れる外国人観光客も増え続けています。
竹瓦温泉
まさに天然サウナ!お肌すべすべが期待できそうです♬
鉄輪温泉の「ひょうたん温泉」は4回連続ミュシュランの三ツ星を獲得している温泉です。凄い!
ようやく見つけた昔ながらの銭湯。建物だけでなく、風呂場には蛇口もありません。程よい熱湯に入り、その熱湯で、身体を洗う。
ここには、昔からの日本の風呂作法が残っていました。朝一番の朝風呂に身を浸し、目を閉じのんびりと楽しみたいところですが、地元の方々の社交場でもあるのでしょう。
亀の井別荘
湯布院で、一度は泊まってみたい宿といわれる、代表格の名宿です。
日本人なら、きっとだれでも温泉が大好きです。 ほっこり、ゆったり、温泉を味わって鋭気を養えば、また明日からも頑張られる気がしますね。
禅海和尚像があります。
菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」で一躍有名スポットとなりました。
国東半島をはじめとして大分県には、地理的に、海からやってきた西洋の文化と、六郷満山の修験や密教に代表される、もともとの東洋の文化が交差しています。
そんな歴史に視点をあてた観光スポットを訪ねる旅も、趣があっていいですよ。
他にも実在した旅の僧侶の逸話など、西洋(渡来)と東洋の文化が交差した時代を旅してみましょう。
1.国東半島・六郷満山霊場
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国東六郷満山霊場は国東半島にあり、33ヶ寺からなる霊場です。中でも、鬼が一晩で築いたという伝説のある乱積みの石段を上がると、岸壁に「不動明王」と「大日如来」が刻まれた、熊野麿崖仏があります。日本最古、最大の麿崖仏です。
コミカルな表情の不動明王像鬼が一晩で作ったという石段を登ります。クライマックスの数十メートルは、結構急坂です。石仏は、大きさに圧倒されますが、細かく彫り込んである、という印象ではありません。 が、特に不動明王像の表情が怖くなくコミカルなのが、個性的です。
http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1023439-d1424950-r246322740-Kumano_Ma…
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よくもこんな石段を…、と思うほどのすごい石段です。受付では無料の杖を借りることができます。階段は300段ほどありますので頑張って上りましょう!
足元はくれぐれも注意ですよ。
■ 基本情報
- ・名称:熊野麻崖仏
- ・住所: 大分県豊後高田市田染平野2546-3
- ・アクセス: JR日豊線 宇佐駅
- ・営業時間:8:30~17:00
- ・電話番号: 0978-26-2070
- ・料金: 200円
- ・公式サイトURL:胎蔵寺 http://taizouji.info/index.php?%E7%86%8A%E9%87%8E%E7%A3%A8%E5%B4%96%E4%BB%8F
富貴寺大堂
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国宝の富貴寺大堂は、「宇治平等院鳳凰堂」「平泉中尊寺金色堂」と並ぶ、日本三阿弥陀堂のひとつです。現存する九州最古の木造建築物です。
神秘的な雰囲気を漂わせる建物の周辺は、とても緑豊かで、四季折々、風情ある表情を醸し出します。
修験者たちの営みに思いを馳せながら、黙って静かに、ずっと眺めていたい気がする場所です。
■ 基本情報
- ・名称:富貴寺
- ・住所:大分県豊後高田市田染蕗(たしぶふき)2395
- ・アクセス: JR日豊線 宇佐駅
- ・営業時間:8:30~16:30
- ・電話番号: 0978-26-3189
- ・料金: 200円
- ・公式サイトURL:豊後高田市観光協会 http://www.bt-kankou.com/rokugo/fukiji.html
しかし戦国時代、大友宗麟によって焼討にあい廃寺となり、今は仁王像や石垣だけが残っています。
西洋の神と東洋の仏。文化の渡来によって翻弄される人々。
野原に残された石像から、遠く戦国の世の様子が偲ばれます。開祖仁聞の墓も近くにあるのでぜひ訪ねてみてはいかがでしょう。
2.宇佐八幡宮
上宮
Dana + LeRoy 上宮
宇佐八幡宮は全国にある八幡宮の総本社です。広い敷地と風格、本殿に行くには、鳥居を3つも潜ります!上宮、下宮があり、片参りにならないように両方にお参りしなくてはいけません。おまけに、左の一之御殿、中央の二之御殿、右の三之御殿と順にお参りします。
一般的な神社と違い、ここでは「二拝四拍手一拝」でお参りです。間違えないようにしましょう!
下宮
Dana + LeRoy 下宮
大元神社遥拝所
大元神社遥拝所
senngokujidai4434奥宮大元神社遥拝所CIMG9189
遠く御許山の奥の院を拝む場所です。宇佐八幡宮のご神体ともいわれる御許山には、宇佐八幡宮の奥の院大元神社があります。その裏手には3つの磐座が鎮座しているそうです。御許山は、宇佐八幡宮の神様が降臨された場所だとか。ちょっと気になりますね。参道では、絶対踏んではいけない「石」もあるそうです。ますます気になります!
■ 基本情報
- ・名称:八幡総本宮宇佐神宮
- ・住所:大分県宇佐市大字南宇佐2859
- ・アクセス:JR日豊本線「宇佐駅」下車 /駅前からバスで「宇佐八幡バス停」下車
- ・電話番号:0978-37-001
- ・公式サイトURL:http://www.usajinguu.com/
3.臼杵(うすき)城と大友宗麟
大友宗麟の碑
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臼杵城は、戦国大名大友宗麟によって、臼杵湾の丹生島に築きあげられた海城です。周囲は断崖絶壁で、当時は港としての機能もあり、南蛮貿易にも便利だったともいわれています。
国崩し
uemuuemu国崩し
大友宗麟は島津軍との戦いで臼杵城に籠城した際、攻めてくる島津軍をこの大砲で撃退したそうです。
「国崩し」という名前からも、きっと当時はすごい威力を発揮し、周囲をたいへん慌てさせたのだろうと想像できます。刀時代から鉄砲、大砲の時代へ移り行く世の中の象徴ですね。
大友宗麟公園にある、大友宗麟の墓です。実はすぐ近くに、宗麟の仏式のお墓もあります。
大友宗麟の死後、豊臣秀吉が「宣教師追放令」を出したため、宗麟の嫡男が急遽、仏式の墓も建てたのだそうです。写真は昭和25年に再建されたもの。
西洋の神さまと東洋の仏さま、まさに文化が交差する時代です。
お墓にまで影響されるとは、死後の世界って何なのでしょう。ちょっと首を傾げたくなります。
■ 基本情報
- ・名称:臼杵城
- ・住所:大分県臼杵市臼杵丹生島91
- ・アクセス:JR日豊本線臼杵駅下車 徒歩約10分
- ・電話番号:0972-63-1111
- ・料金:無料
- ・公式サイトURL:ツーリズムおおいた
- http://www.visit-oita.jp/feature/2011_autumn/usuki.html
4.別府十湯
別府温泉は、源泉数と湧出量では日本一の温泉です。市内数百の温泉は別府八湯と呼ばれ、以前は市政区域により変更となった湯布院温泉と塚原温泉を含め別府十湯という総称がありました。別府温泉の歴史は古く、万葉集に「湯の井」の記録が残っているほどです。
別府では近年「混浴温泉世界」という現代芸術フェスティバルが開催されるなど、別府温泉に訪れる外国人観光客も増え続けています。
竹瓦温泉
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別府市のシンボル「竹瓦温泉」です。レトロな外観の共同浴場で、砂の中に埋もれる砂湯が有名です。まさに天然サウナ!お肌すべすべが期待できそうです♬
鉄輪温泉の「ひょうたん温泉」は4回連続ミュシュランの三ツ星を獲得している温泉です。凄い!
ここには、昔からの日本の風呂作法が残っていました。朝一番の朝風呂に身を浸し、目を閉じのんびりと楽しみたいところですが、地元の方々の社交場でもあるのでしょう。
http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g298219-d555387-r267197459-Takegawara_…
■ 基本情報
- ・名称:竹瓦温泉
- ・住所: 大分県別府市元町16-23
- ・アクセス: JR別府駅下車 駅前通り徒歩約10分
- ・営業時間:普通 6:30~22:30 砂湯 8:00~22:30
- ・定休日: 第3水曜日
- ・電話番号:0977-23-1585
- ・料金: 普通100円 砂湯 1030円
- ・公式サイトURL:
- https://www.city.beppu.oita.jp/01onsen/02shiei/04takegawara/takegawara.html
鉄湯温泉
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昔ながらの温泉街という街並みのあちこりから湯けむりが上がっていて風情があります。大浴場から、地元の方も利用する小さなところ、さらに無料の足湯・足蒸しなど選択肢がたくさんあります。
http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g298219-d1424942-r263760447-Kannawa_On…
■ 基本情報
- ・名称:鉄湯温泉 外湯 鉄湯むし湯
- ・住所: 大分県別府市鉄湯上1組
- ・アクセス: JR別府駅下車 亀の井バス「鉄輪」下車
- ・営業時間: 6:30~20:00
- ・定休日: 第4木曜日
- ・料金: 500円
- ・公式サイトURL: http://www.kannawaryokan.com/sotoyu.html
亀の井別荘
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湯布院温泉を代表するお宿、「亀の井別荘」です。大正時代貴人接待の別荘として建てられた建物が使用されています。湯布院で、一度は泊まってみたい宿といわれる、代表格の名宿です。
湯布院温泉を代表する名宿です由布岳の山麓に広がる一万坪もある広大な敷地の中にあり、宿のなかは静寂な空間です。そもそもはある実業家の別荘として建てられたものを旅館として開業したため、華美な調度品はないけれど、何気なく置かれた時代物の家具が和やかな雰囲気を作り、別荘に招かれたような気分にさせられます。
http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1023445-d1179690-r254265323-Kamenoi_B…
■ 基本情報
- ・名称:亀の井別荘
- ・住所:大分県由布市湯布院町川上2633-1
- ・アクセス:JR湯布院駅下車 徒歩約20分
- ・電話番号:0977-84-3166
- ・公式サイトURL:http://www.kamenoi-bessou.jp/
日本人なら、きっとだれでも温泉が大好きです。 ほっこり、ゆったり、温泉を味わって鋭気を養えば、また明日からも頑張られる気がしますね。
5.青の洞門
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「青の洞門」は、江戸時代、旅の途中にこの地を訪れた禅海和尚が「鎖渡し」という難所で亡くなる人馬をみて、ノミと槌だけで342mの洞門を、30年かけて開削したというものです。alberth2
山国川に面した秀峰の隧道には、明り取り窓やノミの跡が残っています。禅海和尚像があります。
菊池寛の短編小説「恩讐の彼方に」で一躍有名スポットとなりました。
昔の難所が偲ばれます当時を偲ぶトンネルはごくわずかに残っている程度ですが、中腹には旧道と鎖が残っており、難所であったことが伺えます。なお、20年くらい前までは旧道を通ることができましたが、今は下から見上げることしかできません。
http://www.tripadvisor.jp/ShowUserReviews-g1023431-d1373205-r248860297-Ao_Cave_T…
■ 基本情報
- ・名称:青の洞門
- ・住所:大分県中津市本耶馬渓町曽木・桶田
- ・アクセス:JR日豊本線中津駅下車/柿崎行きで青の洞門下車
国東半島をはじめとして大分県には、地理的に、海からやってきた西洋の文化と、六郷満山の修験や密教に代表される、もともとの東洋の文化が交差しています。
そんな歴史に視点をあてた観光スポットを訪ねる旅も、趣があっていいですよ。