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青森県内を走る五能線には、高さ17mの土偶が出迎えてくれる駅があります。その名も「木造駅」・・・地元の人以外にはかなり珍しがられる面白いところなんです。東北津軽地方は”遺跡”の町として有名ですが、まさか駅にまで土偶があるとは驚きです。この街で人気のキャラクター「しゃこちゃん」を中心に、個性あふれたこの木造駅の魅力に迫っていきましょう!!1、木造駅とは?
この巨大土偶、実は電車がくるたびに、ウルトラマンスぺシウム光線ならぬ「いらっしゃいビーム」というビーム光線を発していたそうです。あまりにも不気味なため、子供が怖がるなどの不評続きでこれは中止されているとか・・・・確かに駅の外から。見知らぬ光が照らされるのは気味が良いとはいえませんね。土偶がビームって何かの特撮っぽい気はするのですが、実際にやられるのとテレビの中ではやはり勝手が違うってことなんでしょうね。
2、木造駅の歴史
JR五能線木造駅舎である、木造ふれ愛センターは、平成4年にふるさと創生事業の一環として開業した駅です。開業当時は土偶を線路に跨がせる設計だったそうですが、安全面から駅の正面に位置することになったそうです。亀ヶ岡遺跡から出土した遮光器土偶は、東京国立博物館で見ることができます。この大きな土偶は、列車が到着すると目からビームが出るように設計されていたそうです。今は駅員さんにお願いしないと見ることができなくなっているので、気になる人はお願いしてしてみましょう。「土偶」と間違えられるのは「埴輪」ですが、土偶は縄文時代、埴輪は古墳時代と時代がまったく異なります。 埴輪は量産された古墳の飾りとして使われ、土偶は乳房や臀部が女性的な造形で、故意に破壊されたと状態で出土することが多いために、祭祀などで呪術的な用途として使われたのではないかと言われています。そうなると、雨乞いや豊穣などの祈りに利用されていたともいえますね。町おこしの為に色んな場所に「土偶」が見られるので合わせて探すのも面白いかもしれません。
3、木造駅周辺の見どころ・オススメポイント
青池
日本とは思えないくらいに美しいブルーの色をした池があります。白神山地だからこその神秘的な空間に思わずため息が溢れます。この池がどうしてこのような色なのかは、まったく解らないようです。これがまた神秘的な池として「青池」と呼ぶ所以なのでしょう。真っ青な池の水は、まるでインクを落としたように澄んでいます。津軽国定公園「十二湖」はこのだけでなく、沸壺などの33もの湖沼が点在しています。江戸時代の大地震で、地盤が陥没して水がせき止められたことで出来上がったと推測されています。自然の神秘は本当に思わぬ宝を作りますね。新緑や紅葉の時期には、トレッキングを楽しむ人で賑わいます。疲れた時にもこんな美しい光景を目にすれば、元気も100倍になるというものです!!
白神ガラス工房Hoo
風力発電でガラスを融解する「HOO」は世界でも非常に珍しいガラス工房です。ガラス作品を制作する工程の見学、吹きガラスやアクセサリー作りの体験もできるとあり「自然の中での体験ができる唯一の場所」としても海外からわざわざやってくる観光客がいるほどなんです。 豊かな自然や、青森の特産物をモチーフにしたオリジナル作品の展示・販売もされているので興味のある人は体験だけでなくお土産チェックしてみましょう。
白神山地
青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がる山岳地帯の白神山地。日本で初めてのユネスコ世界遺産(自然遺産)に屋久島と共に登録されました。ツキノワグマ、ニホンカモシカ、ニホンザルが生息する、自然そのものが残されている聖地として地元だけでなく日本が誇る素晴らしい場所です。トレッキングツアーなどもあるので、気軽に参加してみると良いと思います。白神山地は、青秋林道の建設工事の着工により開発される事が決まっていましたが、全国の自然保護団体が青森・秋田の団体と共に立ち上がり林道の建設が断念されました。開発か保護、保存かは、自然を守るだけでなく人が住みやすい地にする為の激しい戦いです。この開発中止の翌年に「自然遺産」として登録された事も「本来の自然と人の共有」について考えさせられる事にもなったと思います。ブナは「役に立たない」と言われてきましたが、神の山でもある白山の守木として生きづいていくのでしょう。
4、木造駅を訪れた人の声
しゃこちゃん。 (@ 木造駅 (Kizukuri Sta.) in つがる市, 青森県) https://t.co/Eq1nZCUDYr pic.twitter.com/7xhmelBD0y
— くろねこ/blackcat (@blackcat_rc) 2015, 6月 7
青森県つがる市 JR木造駅 市内の亀ヶ岡山遺跡から出土した遮光器土偶が貼り付いていた pic.twitter.com/neR7hA0mVR
— ひぐらし (@osakahigurasig1) 2015, 6月 6
☆活動報告☆青森県つがる市「木造駅」を訪問。遮光式の土偶が彫り出された駅舎は静かな田舎の街に突如浮かびあがったインパクトありすぎる異様な光景でした…!大きな柱だと思ったら巨大な土偶の片足だった! 昔は目がピカっと光ったそう! pic.twitter.com/w7QhDqvwWd
— 古墳部 (@kofun_bu) 2015, 6月 3
5、木造駅の詳細
■ 基本情報
- ・名称:木造駅
- ・住所:青森県つがる市木造房松10
- ・電話番号:0173-42-2110
- ・公式サイトURL:http://www.jreast.co.jp/akita/gonosen/menu/15.html
地図はこちら
6.しゃこちゃんで盛り上がる木造
しゃこちゃんのトリビア
木造駅の巨大なしゃこちゃんは、左足がありません?これは単純に、”左足の部分が出入り口だから”と言うことではないのです。木造で出土した遮光器土偶ですが、どんなに状態のいいものでも必ず体の1部分が欠損して発掘されています。しゃこちゃんのように足が片方ないのももちろんですが、腕がないパターンも。これには諸説あり、何かの儀式で「捧げもの」としてわざと欠損させたのではないかとされているんですよ。しゃこちゃんの完全体も左足がなかったため、そこにうまく出入り口がある木造駅はミラクルなんですね!
こんなところでも会えるしゃこちゃん
駅の外観で必ず見られるしゃこちゃんですが、これだけで終わらせるのはもったいない!あちこちに隠れているしゃこちゃんを探すのも観光のお楽しみにおすすめです。例えば、まずは駅の壁に注目。目が光っているようなイラストのしゃこちゃんプレートが飾られています。また駅内の窓口上部にもしゃこちゃんがドーンとお出迎え。そして外の掲示板もしゃこちゃんの姿で作られています。駅周辺だけでもかなりの数になりますが、木造町内ではマンホール・街灯の下などでも見つけることができますよ。
7.しゃこちゃんにちなんだグルメ
しゃこちゃん縄文弁当
つがる市役所のすぐ隣にある「華かるこ」では、しゃこちゃんにちなんだ縄文弁当が大人気!このお弁当、持ち運べるタイプのお弁当ではなく定食タイプになっています。運ばれてくると、まず見た目でびっくりさせられるんです。なんと3段重ねのお重のようになっていて、形が縄文土器!そして段を開けてみると、最上段には天ぷらとうどん、2段目には地元の食材を使った小鉢類がたっぷり。そして3段目にはしゃこちゃんの形をしたごはんが登場!大ボリュームでインパクトもあるのでランチにオススメです。
■ 基本情報
- ・名称: 華かるこ
- ・住所: つがる市木造若緑59-1
- ・アクセス:木造駅からつがる市役所に向かって徒歩20分。市役所となり
- ・営業時間:11:00~14:00(ラストオーダー13:30)
- 17:00~23:00(ラストオーダー22:30)
- ・定休日: 毎週日曜日、祝日の午前中
- ・電話番号: 0173-42-5565
- ・料金: しゃこちゃん縄文弁当980円(必ず2日前には事前予約)
- ・公式サイトURL: http://www.hoppetako.co.jp/hanakaruko
しゃこちゃんどら焼き
木造には「街の駅あるびょん」という市街地活性化のためのお店があり、ここにもしゃこちゃんにちなんだグルメがあります。「あるびょん」とは津軽弁で「あるかも」と言う意味。ここに来れば木造のお土産などがあるかもしれないという意味合いとなっています。このお店で販売されているしゃこちゃんグルメはどら焼き!見た目はそのまましゃこちゃんですが、なんと大きさが普通のどら焼きの2倍もあるんですよ!大人の掌でちょうどいいくらいの大きさなので、食べごたえもインパクトも大!お土産にも人気です。
■ 基本情報
- ・名称: 街の駅あるびょん
- ・住所: 青森県つがる市木造千代町36
- ・アクセス: 木造駅から徒歩17分。木造郵便局向かい
- ・営業時間: 9:00~16:00
- ・定休日: 毎月第2・第4水曜日。1/1は年始休業
- ・電話番号: 0173-42-8333
- ・料金: しゃこちゃんどら焼き6個入り1404円
- ・公式サイトURL: http://albyon.cart.fc2.com/
縄文つがる
津軽地方で飲まれている日本酒に「清酒 つがる」という銘柄があります。アルコール度数18.5度で、きりっとした辛みが津軽衆を虜にする味。のどを超す瞬間に旨みが強く感じられるので、日本酒好きにもたまらない地酒なんです。通常は一升瓶で販売していますが、しゃこちゃんの形をしたボトル入りのお土産用バージョンもあるんですよ。その名も「縄文つがる」。ボトル下には「清酒縄文」の文字が入り、プレゼントにぴったり。観光のお土産にいかがですか?
■ 基本情報
- ・購入できるお店: 葛西酒店
- ・住所: 青森県つがる市木造桜木17-7
- ・アクセス: 木造駅から徒歩20分。あおきん工場向かい
- ・営業時間:7:00~21:00
- ・定休日: なし
- ・電話番号: 0173-42-2443
- ・料金:縄文つがる3000円
- ・公式サイトURL: http://www.shokokai.or.jp/02/0232211338/index.htm
8.最後にここも忘れずに!
しゃこちゃん温泉
木造駅に最も近い温泉は、しゃこちゃん温泉と名付けられています。町内を観光したら最後に温泉でのんびりしてみるのもおすすめですよ!この温泉の特徴は、お湯が透明ではないこと。なんと茶色く濁った温泉なんです。最初はびっくりしますが、この泉質はナトリウムと塩化物なので疲労回復や関節痛などに効果的。溜まった疲れを癒すのにぴったりなんですね。サウナも半露天風呂もあるので、地元の人も大勢訪れている温泉です。とにかく入浴料が安いので是非訪れてみてください!
■ 基本情報
- ・名称: しゃこちゃん温泉
- ・住所: 青森県つがる市木造若緑52
- ・アクセス: 木造駅から徒歩で25分。市役所交流センター近く
- ・営業時間: 9:00~22:00(10月~3月までは21:00まで)
- ・定休日: 毎週火曜日、毎月第2・第4火曜日。(12/31日の午後と1/1は年末年始休業)
- ・電話番号: 0173-42-1277
- ・料金: 入浴料は大人は320円、子どもは150円、幼児は60円
- ・公式サイトURL: http://www.city.tsugaru.aomori.jp/sisetu/00005.html
おすすめ観光日程
木造駅に訪れた際には、しゃこちゃんにちなんだ場所だけなら駅周辺で済んでしまいます。そこで、しゃこちゃんにちなんだ場所に絞って、おすすめの歩き方をご紹介します。【木造駅】→車で県道114号を通って大溜池付近へ【亀ヶ岡考古資料室】→県道114号へ戻り北へ8分【亀ケ岡石器時代遺跡】→木造駅方面へ14分南下【縄文住居展示資料館カルコ&華かるこ】→県道241号を3分南へ【街の駅あるびょん】→県道245号を3分北へ【しゃこちゃん温泉】→【木造駅】
この日程なら、無理なく木造のしゃこちゃん観光が行えます。もちろん日帰りもOKなので、1日だけでも十分周れますよ。
土偶の迫力に押されて、駅とは知らずに通りすぎてしまう観光客もいるそうですが、ここは立派な駅です!!駅そのものが、観光スポットになっているのは面白いですよね。木造の町も土偶で町おこしをしてます。様々なところで目にするしゃこちゃんや、周辺の遺跡を巡ってみるのも面白いですよ。とても小さな田舎町ですが、人の暖かさはどこにも負けません!1度訪れてみる価値は十分ありますよ♪