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豊臣秀吉の政庁兼邸宅として1587年(天正15年)9月に完成し、1595年(文禄4年)には破却された聚楽第。後陽成天皇の行幸を2度にわたり迎えたり、天正少年使節や徳川家康の謁見も行われた場でもあります。その大まかな位置を知ることのできる石碑が、京都中立売通沿いに2つほど立っています。聚楽第跡とは?
聚楽第は、関白秀吉が政庁兼邸宅として建て、関白職と共に甥の秀次に譲ったものですが、秀吉に嫡子秀頼が誕生した後、秀次は切腹となり、聚楽第も破却されてしまいました。そのため、現在では2つの石碑と、聚楽第の遺構と認められている大徳寺の唐門にその面影を残しています。
今に伝わる文書や絵図などには、在りし日の姿が写されてはいるものの、わずか8年余りで取り壊されたため、現在でも不明なことが多いところです。
聚楽第跡周辺のおすすめ観光スポット
北野天満宮
言わずと知れた学問の神様、菅原道真公(菅公)をおまつりした神社の、総本社です。こちらには、昔から伝わる七不思議の史蹟(神秘的で信仰の対象となっている箇所)があるのです。
毎年初冬から晩冬までの間に初雪が降ると天神さまが降臨され雪見の歌を詠まれるという松、真上に北極星が輝いていたため日・月・星のうち星だけが刻まれていないとされる「星欠けの三光門」などなど、景色をゆったりと眺めながら史跡を巡るのも風雅なひと時となりそうです。
晴明神社
陰陽師・安倍晴明を祀る神社です。晴明の偉業を讃えた一条天皇の命により、晴明の屋敷跡である現在の場所に社殿が設けられたのだそうです。
当初の晴明神社は、かなり広大であった様ですが、長い歴史の中で戦火や都の造営のため縮小していき、古書や宝物なども散逸し、社殿も荒れていったといいます。
その後、氏子を中心として整備が進められ、また、漫画や映画などで安倍晴明が有名になったことから、近年では魔除け・厄除けのパワースポットともなっています。
上七軒
時の将軍、十代足利義植が、所司代細川勝元に命じて、一部焼失した北野社殿を造営させた折、東門前の松原に七軒の茶店を建て、 参詣人の休憩所とした(七軒茶屋)のが始まりと言われる、由緒正しき所です。
現在では老舗から新しいお店まで、お茶屋さんや京菓子屋さんなどが立ち並び、花街のような風情となっています。
聚楽第跡周辺のおすすめグルメスポット
ラインベック
京都西陣ハローワークの側の石碑より北、大宮通り沿いにある、カフェです。京町家を利用したクラシックな空間で、「京都一」とも称される口どけふわふわのパンケーキを堪能できます。
自慢のパンケーキは、オーナー平野顕子氏と、その師匠にして料理研究家、シャロル・ジーン氏とのコラボにより生み出されたものだとか♪注文を受けてから1枚ずつ丁寧に焼き上げられるパンケーキを待つのも至福のひと時です♪
ホームメイドのスコーンやキッシュ、チョコレートパイや、姉妹店「松之助」のケーキも楽しめるそうですよ♪
Cafe1001(いちまるまるいち)
京都市小学校プール脇の石碑よりやや北西、一条通り沿いにある、明治時代後期に建てられた町家を改装したブックカフェです。
珈琲はカフェ工船の珈琲を一杯ずつハンドドリップ、紅茶は芦屋の紅茶専門店Uf-fuのこだわり茶葉をポットで。手作りスイーツは、ウィーンの伝統菓子ザッハトルテを一保堂茶舗の抹茶を使って京風にアレンジした「西陣ザッハトルテ」、風味豊かなマロンクリームが入った秋限定の「栗のチーズケーキ」などなど♪
焼き菓子や自家製パンも楽しめて、本棚には絵本、猫本、乙女本などなどが2000冊以上。
京都の町屋でほっこりした時間を過ごすのにうってつけです♪
綾綺殿
京都市小学校より南、浄福寺通沿いにあるカフェです。築百年の、長い間お米屋さんとして使われていた町家を改修しています。
建物の改修にもこだわり、化学物質を一切使わず、紅殻(べんがら)・荏(え)油・柿渋を使って行ったとのこと。五右衛門風呂やおくどさんなども残り、木と土に囲まれ、風情漂う中でゆっくり深呼吸しながらくつろげる空間になっています。
メニューはイタリアから輸入した食材を使った軽食や飲み物の他、からあげ定食や冬季限定カキミックス定食など和なものまで様々。珈琲のラテアートがかわいらしいです♪
■ 基本情報
- ・名称:聚楽第跡
- ・住所:上京区中立売通浄福寺東
- ・アクセス:市バス 千本出水駅より300メートル
中立売通大宮西北角(本丸東堀があったとされる地点)の位置。中立売通裏門南西角(本丸西堀があったとされる地点)の石碑は、ここより西の京都市小学校プール脇辺りにある様です。
時の関白豊臣秀吉の政庁兼邸宅であったのなら、壮麗な姿であったのかも知れない聚楽第。周辺散策をしながら歴史の流れにひたり、おいしいものを食べて帰る、というのも楽しい京都の旅になりそうです♪