2013年に構成資産の1つとして、世界文化遺産に登録された日本の象徴『富士山』。今回は富士山の歴史から登山、お土産まで、富士山に関することをまとめてご紹介します!登山の際にぜひ参考にしてください!
1.富士山の自然
http://blog.livedoor.jp/char_zaku0079/archives/51177629.html
富士山が噴火を繰り返し、現在のような形になったばかりの頃は、植物などが育つ状態ではなく、全体が溶岩や火山灰で覆われていました。 しかし現在では、標高に合わせて植物が生育し、山麓から山頂まで植物の垂直分布がきれいに見られます。また、厳しい環境の中でもニホンカモシカなど約40種類の動物が生息しています。
富士山の植物分布
http://hanahana-2525.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-7861.html
標高700m以下の丘陵地帯ではカシ、シイなどの林が、低山帯(700m~1600m)になるとスギやヒノキ、ススキ草原が広がっています。また、2500m以上の森林限界付近ではカラマツ、ダケカンバなどが多く見られます。 この辺りまでは花の種類も豊富で、林の中や縁にはコケモモ、草地などの光が当たる明るい所には薄紫色の花を咲かせるグンナイフウロやクルマユリなど色とりどりの花が咲いています。
火山荒原に生育する植物
http://minanamu.jimdo.com/
富士山が作られた後、長い年月をかけて、植物はふもとから少しずつ上へ上へと発達してきました。そして現在では森林限界を超えた地点でも、所々に花が咲いています。 この辺りに生育する植物は、養分や水分が少ない土でも生きられる強い生命力を持っています。よく見られるのはオンタデで、パッチ状に群生していることも。その他にも5~10cmほどの花が咲くフジアザミや富士山の固有種であるフジハタザオなどが咲いています。
良質で豊富な湧水
富士山には年間約22億トンもの雨や雪が降るため、日々豊富な量の地下水が蓄えられています。何層もの溶岩の間を潜り抜けた水は一定の温度を保ちながら、良質な水となって地表に湧き出しています。こうして湧き出た湧水は植物や動物の生きる糧となり、そして古くから生活用水や農業用水として利用されるなど私達人間にとっても欠かせない大事な資源となっています。
2.登山ルート
http://www.fujisan-climb.jp/basic/trails/
日本で一番高い山である富士山。一生に一度は登ってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?富士山には登山道が4ルートあります。それぞれのルートの特徴をご紹介します。 吉田ルート
http://poputipititi.blog.so-net.ne.jp/2011-07-12
上の図の黄色線で示しているルートが吉田ルートになります。4つのルートの中で一番利用者数が多く、登山客の半数以上が吉田ルートで山頂を目指しています。 スタート地点と地形
スタート地点は標高約2,300m、富士スバルライン五合目。しばらくは平坦な道が続きますが、六合目はやや急になり、七合目からは急な岩場になり、上に登るにつれ岩場はさらに急になっていきます。ルートの特徴
登山道には山小屋が多く、七合目と八合目には救護所があります。吉田ルートは利用者が多いため混雑していますが、本八合目からは登山道・下山道ともに須走ルートと合流するためさらに混雑します。登山道と下山道は完全に別で、下山道には山小屋がほとんどありません。九合目には鳥居があり、迎久須志神社を経て最後の鳥居をくぐると山頂の久須志神社前に到着となります。
■ 基本情報(平成27年度)
- ・名称:富士スバルライン五合目
- ・アクセス:登山バス:富士山駅・河口湖駅~富士山五合目(富士スバルライン五合目)
- ・登山道開通期間:7月1日~9月14日
- ・マイカー規制:7月10日17時 ~ 8月31日17時まで
- ※期間中は山梨県立富士北麓駐車場に駐車し、そこから出ている富士スバルライン五合目行きのシャトルバスに乗り換えてください。
- ・電話番号:0555−20−9229(富士山ボランティアセンター)
- ※午前8:30~午後5:15 土、日、祝日、年末年始除く
須走ルート
http://s.webry.info/sp/koshino.at.webry.info/201107/article_10.html
上の図の赤い線で示しているルートが須走ルートです。静岡県側(小山町内)の富士山東側から山頂を目指します。 スタート地点と地形
スタート地点の標高は約2,000m。須走口五合目からになります。七合目付近までは比較的緩やかな樹林帯が続きます。樹林帯を抜けると視界が良く、どこからでもご来光や影富士を見ることができます。八合目以上は岩場になっています。ルートの特徴
一部を除いて登山道と下山道は別になっており、本八合目からは吉田ルートと合流するので混雑します。樹林帯が高いところまで続いているので、強い日差しから逃れることができます。しかし一方で、日が暮れると見通しがきかなくなるため、迷い道に注意が必要です。下山道には火山砂利を一直線に下る「砂走り」があります。山頂は吉田ルートと同じ「久須志神社前」です。各合目ごとに山小屋がありますが、救護所はありませんので、救護などが必要な場合は110番または119番に連絡をしてください。
■ 基本情報
- ・名称:須走ルート
- ・アクセス:登山バス:御殿場駅~須走口五合目
- 車:高速道路東富士五湖道路の須走ICまたは東名自動車道御殿場ICから国道
- 138号を経て「ふじあざみライン」(無料)
- ・登山道開通期間(平成27年度予定): 7月10日(金)~9月10日(木)
- ・マイカー規制(平成27年度):7月10日(金)昼12時~7月12日(日)昼12時まで 7月17日(金)昼12時~8月23日(日)昼12時まで 8月28日(金)昼12時~8月30日(日)昼12時まで 9月 4日(金)昼12時~9月 6日(日)昼12時まで
- ※期間中は、須走多目的広場臨時駐車場からシャトルバスを運行します。
- ・電話番号:0550-76-5000(小山町観光協会)
御殿場ルート
http://onephoto.blog48.fc2.com/blog-entry-1055.html
上の図では緑の線が御殿場ルートになります。御殿場市の富士山南東側から頂上を目指すルートです。登山口は4つのルートの中で一番標高の低い所にあります。登山者数が一番少なく、登山道が混雑することはほとんどありません。 スタート地点と地形
標高1,400m、御殿場口新五合目がスタート地点です。七合目までは緩やかな火山砂利の登りが続きます。植生や目印になるものがほとんどありません。六合目で富士宮方面からの登山道と合流します。八合目からは岩場の急斜面になります。 鳥居をくぐり、銀明水前が山頂です。ルートの特徴
登山口から七合目までは山小屋やトイレがありません。七合目まで到達するには標準でも4時間以上かかるため、健脚の方向けのルートと言えるでしょう。また、道は緩やかではありますが植生がないため日差しなどによる熱中症にも注意が必要です。下山道は七合目までは登山道と同じルートです。その先は登山道とは別のルートになり、下山道六合目の宝永火口の分岐点を超えると「大砂走り」で一気に下山することができます。分岐点は霧が発生しやすいため、道を外れないよう気をつけましょう。
■ 基本情報
- ・名称:御殿場ルート
- ・アクセス:登山バス:【夏期 ハイキングバス】御殿場駅~御殿場口新五合目~水ヶ塚公園
- 車: 御殿場市街または富士宮・裾野方面から「富士山スカイライン」(無料)
- ※マイカー規制は無し
- ・登山道開通期間(平成27年度予定):7月10日(金)~9月10日(木)
- ・電話番号:0550-83-4770(御殿場市観光協会)
富士宮ルート
http://community.travel.yahoo.co.jp/mymemo/hoimi/blog/138045.html
静岡県の富士宮市、富士山の南側から山頂を目指すルートです。4つのルートで一番標高が高い所からのスタートになるため、吉田ルートの次に登山者が多くなっています。 スタート地点と地形
富士宮口五合目、標高約2,400mがスタート地点です。六合目からは急な岩場が続きます。登山道と下山道は同じルートをたどります。山頂直下の鳥居をくぐると、富士山本宮浅間大社奥宮前に到着。ここが富士宮ルートの頂上ですが、さらに馬の背と呼ばれる急斜面を約30分登ると富士山の最高峰である剣ヶ峰に行くことができます。ルートの特徴
ほとんどが急な岩場がですが各合目ごとに山小屋があるので休憩することができます。八合目には救護所もあり、登山シーズン中は医師が24時間常駐しています。登山者が多いルートで、さらに登山・下山道が同じルートのため混雑し、山頂付近では渋滞することも。登りを優先的に、譲り合いながら山頂を目指しましょう。
■ 基本情報
- ・名称:富士宮ルート
- ・アクセス:登山バス:東海道新幹線三島駅、新富士駅、JR御殿場線御殿場駅~
- 富士宮口五合目
- 車:東名高速道路御殿場IC、裾野ICから富士山スカイライン、または東名高速道路富士IC、新東名高速道路新富士ICから西富士道路、国道139号、富士山スカイライン
- ・登山道開通期間(平成27年度予定): 7月10日(金)~9月10日(木) ※六合目までは通行可
- ・マイカー規制(平成27年度):7月10日(金)9時~9月10日(木)昼12時 ※期間中は水ヶ塚公園駐車場(有料)からシャトルバスを運行します。
- ・電話番号:0544-27-5240(富士宮市観光協会)
3.富士山の山小屋
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E7%99%BB%E5%B1%B1
富士山の登山道や下山道には、休憩や宿泊をするための山小屋が多数存在します。登山シーズンが7月上旬から9月上旬と短い富士山では、平日でも混んでいることが多々あります。宿泊は基本予約制ですので、早い時期に予約することを強くおすすめします。 また、基本的に相部屋です。一人一人の就寝スペースも広いとは言えないので、ゆっくり体を休めるというよりは、仮眠をとるくらいの感覚で行きましょう。1泊2食付で7,500円前後が相場になっています。(週末料金が加算される場合あり)
吉田ルートの山小屋
http://ymgch.exblog.jp/20049297/
山者が一番多いルートですので、山小屋の数も4つのルートの中で一番多くなっています。五合目の佐藤小屋から、山頂に一番近い八合五勺の御来光館まで16軒の山小屋があります。 登山道七合目から山頂までも山小屋が存在しますが、8月などのピーク時や週末には予約でいっぱいになります。山頂で御来光を見るため、特に八合目の山小屋は予約が集中します。下山道には須走ルートとの分岐点にある江戸屋を過ぎると山小屋がありませんので注意が必要です。
・吉田ルートの山小屋情報について詳しくはこちら→ 富士山吉田口旅館組合
須走ルートの山小屋
http://arktreasure.blog.fc2.com/blog-entry-85.html
スタート地点の須走口五合目から、吉田ルートと合流するまでに8軒あります。下山ルートには砂払い五合目に1軒、吉野屋が営業しています。 各合目ごとに山小屋があるため、休憩しやすいのが特徴です。休憩は山小屋の中でできるところもあれば、外のベンチのみ使用可能というところもあるので確認しましょう。
・須走ルートの山小屋情報について詳しくはこちら→ 小山町公式ホームページ
御殿場ルートの山小屋
http://fujisan.rash.jp/2012/08/201208gotemba4.html
登山者が4つのルートで一番少ないため、山小屋も比較的空いていてゆっくり体を休めることができます。御殿場口新五合目には山小屋は無く、一番初めの山小屋はそこから10分ほど登った五合目の大石茶屋になります。その後は七合目まで山小屋がありません。山頂まで合わせても、山小屋は全部で5軒です。 山小屋への到着時刻などを考慮しながら、出発の時刻など無理のない計画をたてましょう。
・御殿場ルートの山小屋情報について詳しくはこちら→ 御殿場市観光協会
富士宮ルートの山小屋
http://fujisannowtweet.twmatome.com/?p=913
富士宮ルートでは山小屋は「山室」と呼ばれています。五合目から山頂まで全部で9軒の山室があります。各合目ごとに山室があり、八合目の池田館には診療所が併設されています。 焼印を扱っている山室や、自家製の野菜を使用した料理を提供してくれる山室、生ビールが飲める山室もあります。
・富士宮ルートの山小屋情報について詳しくはこちら→ 富士山表富士宮口登山組合
4.富士山のトイレ事情
http://ra-menkikou.net/taji.php?tajino=62
環境に優しいトイレ
富士山のトイレはかつて浸透放流式(いわゆる「垂れ流し」)だったため、環境に良くないとして平成9年頃から環境配慮型のトイレに改良されました。バイオ式のトイレはおがくずや牡蠣の殻を使用した環境に優しいトイレです。山頂付近の山小屋トイレでは、焼却式のトイレも設置されています。チップ制について
富士山には公衆トイレと山小屋のトイレがありますが、その所々で処理方式が異なるので事前に確認が必要です。また、廃棄物を麓まで運ぶための運搬料や清掃費など莫大な維持費用がかかるため、トイレの使用はチップ制(100円~300円)になっていますので、小銭を忘れずに用意してください。トイレ使用の際の注意点
ルートによってはトイレの数が少ない所もあるので、登る前に確認しておきましょう。夜間になると山小屋が閉まっていてトイレが利用できないこともありますので注意が必要です。富士山では水は大変貴重ですので、トイレ清掃などにも十分な水が使えません。綺麗な富士山の環境を維持するためにも水を必要以上に使用しないなど、意識して綺麗に使うように心掛けましょう。
5.富士山登山の装備
https://www.sunshinetour.co.jp/fuji/rental_sp.html
服装について
登山口と山頂の気温差は、昼間で9℃、夜になると13℃以上になると言われています。山頂では真夏でも氷点下になることも。また、登山口では晴れていても、登山道や山頂では天気が急変することもよくありますので万全な防寒対策が必要です。上の画像を参考にしてみてください。6.持ち物について
アウトドアショップなどの登山用品コーナーに行くと、色々な種類の登山用品が置いてあり、どれが重要度が高いものなのかがわからないという方もいるのではないでしょうか?ここでは、特に必要な物に限定してご紹介します。
ヘッドライト
夜間に登山をする予定がなくても必須。登山道の渋滞や体調の悪化などにより予定通りにいかないこともあります。岩場などで足元が見えないと大変危険です。水(1~2L)
高山病防止のためにも水分はこまめに補給することが大切です。富士山には水道がありませ ん。山小屋で購入することもできます。ケガをした時の洗浄用にも使えます。昼食、行動食
手軽に摂取できるお菓子など。チョコレートやあめなどの甘いものが良いでしょう。合わせて塩分を補給でき、お腹にもたまるおにぎりやパンなどを持って行くと良いでしょう。ごみ袋
富士山にはごみは基本持ち帰りになります。また、雨などで濡れてしまった服などを入れるのにも役立ちます。少し多めに持って行くことをおすすめします。お金
山小屋に宿泊する場合、ほとんどのところでカードが使えません。また、飲料水などの買い物やトイレにも小銭(100円玉)が必要になりますので準備しておきましょう。登山ルートマップ
登山道は途中で分岐になっていたり合流するところがあったりと複雑です。道に迷わないよう常にどこを歩いているのかをチェックしながら登りましょう。距離やコースタイムが記載されていると到着時刻などの予測もしやすく便利です。日焼け止め
晴れている時の富士山は、大変強い日差しにさらされます。長袖のシャツなどで極力肌の露出を避け、露出している所には必ず日焼け止めを塗りましょう。汗をかくと落ちるのでこまめに塗りなおすと良いです。携帯電話
万が一道に迷ってしまったり、友人や仲間とはぐれた時に役立ちます。予備のバッテリーがあるとさらに安心です。健康保険証、常備薬
富士山では岩場などでの転倒や捻挫の危険が多くなるため、万が一のケガのために応急手当キットを持って行くと良いでしょう。その他、あると便利なものなど詳しい情報はこちら→ 富士登山オフィシャルサイト
7.山頂は夏でも雪が降る、富士山の気候
TANAKA Juuyoh (田中十洋)
一般的に、標高が100m上昇するごとに気温は0.6℃下がると言われています。富士山の標高は3,776mですから、麓の気温と山頂の気温差は20℃以上になります。平地では30℃を超える真夏日でも、富士山の山頂では7~8℃、天候によっては5℃以下になることもあります。 富士山山頂の平均気温
気象庁のデータによると、1981年~2010年の富士山山頂の平均気温は8月で6.2℃となっています。御来光を見るために富士山を訪れる人も多いですが、日の出前は一番気温が下がる時間帯なので0℃近くまでになることも。さらに雨や風がある場合は体感温度が下がりますので防寒着は必須装備なのです。富士山の気候の特徴
・変わりやすい天気富士山は駿河湾や相模湾からの風と北側からの風の影響で気流が安定しないため、天気が急変することがよくあります。また、夏の富士山は雷が発生しやすいため、天気が急変した場合などには注意が必要です。
・風が強い
富士山は周りに何も遮るものが無い独立峰なので、風が強いのも特徴です。現在風速の観測は行われていませんが、過去の旧富士山測候所のデータでは風速10m以上が年間平均313.4日もありました(1973年~2000年)。逆に言うと風速が一桁である日は50日ほどしか無かったということになります。
上下分かれたセパレートタイプの防寒着が必須なのはこのためです。レインコート風のものでは下から吹き上げる風によって破けたり、捲れてズボンが濡れてしまう可能性が高いのです。
8.富士山でやりたい事
せっかく日本一の富士山に登るのだから、登るだけではもったいない!富士山に登ったらぜひやってもらいたい3つの事をご紹介します。御来光を見る
http://ganref.jp/m/yakiimo/
御来光を見ることを目的に、富士山に登る人は大変多いです。日本一の高さから見る御来光はまさに絶景!頑張って登った後に見る景色は感動も倍増です! 御来光は山頂で見られるのはもちろん、ルートによっては七合目や八合目でも見ることができますよ♪御来光が見られる時間は4時半から5時頃なので、山頂で見る場合には遅くても4時くらいには到着するように計画しておくと良いでしょう。
御来光に合わせて山頂に向かう人が多いと登山道が渋滞することも。時間に余裕をもった計画をたてましょう。
手紙を出してみる
http://rapeter.blog.fc2.com/blog-date-201107.html
山頂には、7月中旬から8月下旬の登山シーズン中に限定で開設される富士山頂郵便局があります。ここでは郵便の取り扱いのほか、郵便切手、富士山オリジナル商品の販売を行っています。ここから手紙を出すと、富士山頂郵便局オリジナルの消印が押され、登頂の記念になること間違いなし! 営業時間は6時から14時までです。営業時間外でもポストに投函することができます。
郵便局は富士宮口山頂地点である浅間大社奥宮の一角で営業していましたが、2013年から改修工事に伴い御殿場口山頂地点の銀明館に移転中です(移転距離50mほど)。
吉田ルートから登る場合は、山頂を一周するお鉢巡りで30分ほど歩かなければならないので注意が必要です。そんな体力は残ってない!という方には山頂の山小屋で、郵便局まで手紙を届けてくれるサービスを有料で行っているところもあるようです。
お鉢巡り
富士山の最高地点は『剣ヶ峰』と呼ばれ、そこに行くためには各ルートの山頂地点からさらに登らなければなりません。富士山には各ルートの山頂地点から、火口を一周するルートが整備されています。そのルートを歩くことをお鉢巡りと言います。
・基本は右回り
お鉢巡りの回り方として、基本は右回り(時計回り)とされていますが、左回りが禁止されているわけではありませんので回りやすい方で行くと良いでしょう。難所と言われる急斜面で滑りやすい『馬の背』を登るか下るかで選択する人もいるようです。
お鉢巡りを一周するのにかかる時間は標準で約90分。間近で見る火口は迫力満点です!その大きさに自然の偉大さを実感することでしょう。天気が良く、体力が余っていたら、ぜひ挑戦してみてください。
9.富士山のお土産
http://blog.livedoor.jp/romano_kon_t/archives/2010-08.html
富士山に行ったら忘れちゃいけないのがお土産ですよね!富士山から無事に帰ってきたことをお友達などに報告する際、お土産を添えるとさらに喜ばれるでしょう。 富士山のお土産は登山口の山小屋や山麓のお店、道の駅、ホテルなどで買うことができます。富士山型のスイーツやグッズの種類は豊富で迷ってしまうほど。行く度に異なるものを買って帰るのも良いですね!
http://blog.omotefuji.com/?eid=1407106
富士山型のクッキー。可愛らしいパッケージでお土産にぴったり♪ http://www.c-nexcomall.jp/products/detail.php?product_id=1782
こちらも定番の赤富士、チョコクランチです。青富士バージョンもあります! http://www.kaneyamaen.com/staffblog/post-266.php
外国人客にも人気のぐい呑み。ペアで買ってお土産にいかがですか? 10.富士山登山の注意点
富士山は誰もが知っている有名な山ということもあり、登山経験の無い初心者でも気軽に登れると思っている方もいるようです。しかし、富士山は標高3,776mもある巨大な山。ひとたび天気が崩れれば、非常に過酷な状況になります。備えあれば憂いなし。登る前に最低限の知識を身に着け、必要な物を揃えて、万全の体制で登山に臨みましょう。
11.国立公園・世界文化遺産としての富士山
富士山と山麓の大部分は、国立公園であったり世界文化遺産に指定されていたり、天然記念物や多くの史跡があります。登山の際にもそのことを常に意識することが大切です。特に五合目より上は国立公園特別保護地区に指定されており、規制も厳しくなっています。・動植物の採取禁止:登山道を外れると、貴重な植物や動物の生態系に影響を及ぼすので必ず登山道を歩きましょう。動植物を採取することは絶対にしてはいけません。
・溶岩などの採取・落書き禁止:溶岩も動植物と同様に、採取や移動は禁止です。落書きももちろん禁止です。
・テントや焚火の禁止:宿泊は必ず山小屋で。焚火は火災の原因になりますので禁止です。バーナーやコンロは山小屋付近などを避け、周囲に注意して使用しましょう。
・ペットを連れての登山禁止:特別保護地区ではペットを放すことが禁止されています。ペットを連れての登山も禁止です。
12.登山のルールとマナー
皆が気持ちよく、楽しい登山になるよう、ルールとマナーを事前に把握しておきましょう。・登りが優先:登山道と下山道が同じルートでは、登山客と下山客がすれ違う際基本的に登りの人を優先します。すれ違う時には「こんにちは」や「ありがとう」の声掛けをしましょう。
・無理な追い越しをしない:山頂付近では登山道が渋滞することも多いですが、無理な追い越しは転倒や落石のリスクを高めますのでやめましょう。
・落石をしたら大きな声で知らせる:万が一落石を起こしてしまったら、周囲の人たちに知らせなければ危険です。「落石!」や「ラーク!」と大声で知らせましょう。
・ケガ人、急病人が出たら救助に協力する:ケガ人や助けを求めている人がいたら、山小屋へ連絡したり応急措置の協力をしましょう。
・ゴミは必ず持ち帰る:富士山にはゴミ箱はありません。自分で出したゴミは必ず持ち帰りましょう。山小屋では山小屋の指示に従います。ゴミになるものを極力少なくするのも手です。
計画はゆとりを持って
世界文化遺産に指定されてから、さらに富士山人気が高まり登山者が増えています。中には山小屋に宿泊せず、夜通し登り続ける弾丸登山をして遭難したり、事故を起こすケースも急増しています。初心者は特に、夜の登山は避けましょう。御来光は七合目や八合目からでも山頂とほとんど変わらず見ることができます。また、富士山は天気が変わりやすいため、休憩を余儀なくされたり、渋滞に巻き込まれたりと予定通りに進まないことが多くあります。時間が無いからとペースを上げて高山病になってしまうことも。そのような場合も想定して、ゆとりのある計画をたてましょう。
自分のペースで
登山の基本はゆっくり歩くことです。標高が高くなるにつれ、酸素が薄くなってきますから誰でも息苦しく感じます。無理をして速いペースで歩くと、最悪の場合命に関わる重大な症状を引き起こすこともあります。決して無理をせず、自分のペースでゆっくりだらだらと歩くようにします。道迷いに注意
分岐点がわからなくて、気づいたら道に迷っていたり、夜間や霧が発生して視界が悪い時に道に迷う人が多いです。分岐点には標識が立っており、それぞれのルートで色分けされていますので、その都度地図と合わせて確認しましょう。高山病に注意
高山病は、血液中の酸素濃度が下がった場合に出る症状です。予防対策としては、登山口の五合目で1時間から2時間休憩し、高度順応させます。ゆっくり歩き、水分はこまめにとりましょう。トイレに行きたくならないようにと水分を我慢していると、高山病にかかりやすくなります。また、高い所ではつい浅く速い呼吸になりがちです。深呼吸をするようにゆっくりと呼吸をすることが大事です。もし、頭痛や吐き気など高山病の症状が酷い場合には下山したり、救護所に行きましょう。
13.富士山の歴史
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日本は「火山列島」と言われるほどたくさんの火山が存在しますが、富士山もその中の一つです。富士山は何度も噴火を繰り返すことで溶岩や火砕流などが堆積してできた成層火山で、円錐形をしているのが特徴です。日本に多い成層火山の中でも、一際美しい円錐形と言われています。 どの方角から見ても美しく、どっしりとした裾野はまさに、日本の象徴に相応しいといえますね。
富士山はどのように作られたのか?
富士山の起源は数十万年前にさかのぼります。元々富士山のある場所は海でしたが、プレートの移動によって陸地となりました。そのプレートの境界で摩擦によりマグマが発生し、それが爆発して富士山の元である小御岳火山ができました。そして約8万年前、小御岳火山のすぐ南で大規模な噴火が起き、現在の富士山の場所に古富士火山ができます。噴火で発生した大量の火山岩は小御岳をも覆い、さらに大きな火山となりました。
その後の約1万年前から、古富士火山と同じ場所で再び噴火が始まります。大規模な噴火により流れ出た溶岩が堆積され、その高さは3000mを超えるまでになりました。古富士火山を覆うほどに成長した新富士火山は、その後も噴火を繰り返し、現在の富士山の形を作り上げたのです。
ですが、今の姿は長い長い地球の歴史の中では途上の姿、言い方は悪いですが、その構成は炭鉱のボタ山とそう変わらないので、十万年以内には大崩落が起こるといわれています。
現在の富士山は?
記録に残る一番最近の噴火は1707年(宝永4年)の宝永大噴火です。当時の江戸にも火山灰が1cmほど降り積もったとか。その後は現在まで約300年間沈黙を続けています。富士山は火山としてはまだ青年期だと言われています。大規模な噴火はありませんが、明治時代から昭和にかけて噴気活動が見られていたことからも、富士山は活火山である証拠と言えます。
さらに詳しい富士山の成り立ちや歴史、動植物に興味のある人は『 富士山資料館』がオススメです。
■ 基本情報
- ・名称:富士山
- ・所在地:静岡県:富士宮市、裾野市、富士市、御殿場市、駿東郡小山町
- 山梨県:富士吉田市、南都留郡鳴沢村
- ・アクセス:各ルートを参照
- ・登山道開通期間:6月下旬~9月中旬(各ルートごとに異なる)
- ・電話番号:各ルートを参照
- ・登山所要時間:6時間25分(富士宮ルート)~10時間(御殿場ルート)
- ※標準時間。混雑状況や天候によりさらにかかる場合があります。
- ・オススメの時期:夏
- ・公式サイトURL:http://www.fujisan-climb.jp/index.html
素材提供:トリップアドバイザー