国としての歴史も古く内戦が続いていた時代があった日本には、今なお全国各地に城が残っています。西洋の城とは趣が異なる日本のお城。今回は現存している城をはじめ、徳川幕府ゆかりの城や世界遺産に登録された城など代表的な日本のお城をご案内します。
長野県松本市にある松本城は、国内に残る12天守の中で唯一の平城です。国宝に指定されている五重六階の天守閣を中心に、乾小天守とそこへ続く渡櫓や辰巳附櫓・月見櫓が付設されています。前の3基は戦乱期に、後の2基は平和な江戸時代に造られた建造物で、この5基の建築群が絶妙な景観美を観る人々に与えていますね。
天守閣内部には矢や鉄砲を使った攻撃に備えた狭間のほか、攻めてくる敵を防ぐ石落などがあります。戦国時代の武士になった気持ちで石落や狭間から外を眺めて見てはいかがでしょうか。
白い漆喰と黒い漆塗りの外壁のコントラストが美しい松本城。櫓門と呼ばれる二の丸正門に使われている巨石──通称・玄蕃石(げんばいし)も、ぜひご覧くださいね。大きさに圧倒されますよ。
岡崎城の周囲は岡崎公園として整備され、初夏には五万石の藤の花が訪問客の目を楽しませてくれます。また公園内には家康が出生した際の胞衣(えな)を埋めたえな塚や、産湯の井戸もあります。神君と謳われた家康のパワーを感じ取れるかもしれませんね。
岡崎城から北へ徒歩約4分のところにある「三河武士のやかた」内では、甲冑の試着体験ができます。井伊の赤備えを試着して、戦国気分を味わってみませんか? このやかた前では大人気の武将隊・グレート家康公「葵」武将隊も活動しています。
天守閣と一緒に焼失した本丸御殿は現在復元工事が進み、2016年6月1日に対面所と下御膳所が公開されます。待ち遠しいですね。
この名古屋城で有名な物は、やはりなんと言っても金の鯱(しゃちほこ)! 現在の金鯱は18金ですが、江戸時代初期の慶長17年(1612年)当時は純金で、215.3kgの金が使われていたとのこと。まばゆいばかりの光を放っていたことでしょう。天守閣の5階に展示されている金鯱のレプリカには、乗ったり触ったりもできますよ。
二の丸広場では週末や祝日に、名古屋おもてなし武将隊の演武などを観ることもできます。全国武将隊天下一決定戦-宴-で3連覇を成し遂げた彼らの演武を楽しみに訪れる人も多いようです。三英傑ゆかりの地・名古屋と名古屋城へ出掛けてみませんか?
264年間におよぶ徳川政権の始まりと終わりを知る城──それが二条城です。
二の丸御殿の建物6棟はすべて国宝! 東大手門から敷地内に入り、右手に番所(平成29年6月末まで工事中)を見て築地塀沿いに進むと、唐破風造りの豪華な唐門が出迎えてくれます。
御殿内は入口から順に、車寄せ → 遠侍(大名の控えの間) → 式台(大名が老中職と挨拶を交わす部屋) → 大広間(将軍が諸大名たちと対面した部屋場所) → 蘇鉄の間 → 黒書院(将軍と親藩や譜代大名との対面所)と → 白書院(将軍の居間や寝室)と続いています。大政奉還は大広間で行われたんですよ。
各部屋の襖絵なども国の重要文化財に指定されているものが多いので、薄暗い室内ですが、ご覧くださいね。鶯張りの廊下の音も、お聞き逃しなく♪
連立式天守閣として知られる姫路城は、五層七階建の美しい大天守閣へ近づこうと思っても、なかなか辿り着けません。これは姫路城の曲輪構造が3重の螺旋形を描いているためです。多くの門や櫓があり、敵からの攻撃を受けにくく、まさに要塞。
時間の許す限り城内のあちこちを巡って堪能してくださいね。順路通りに進まず、大天守へ直行するルートもあります。
平成の大修理を終え、さらに白くなった白漆喰総塗籠造りの姫路城。日没から22:00まで毎晩行われるライトアップも楽しみですね。
この熊本城の見どころの1つに石垣があります。石垣造りを得意とする清正は、この熊本城でその才能を如何なく発揮。最初は緩やかな勾配ですが、上部へ行くほど垂直に近く急勾配になる形状の高石垣を多く用いています。「武者返し」と呼ばれるのも頷けますね。
城内では熊本城おもてなし武将隊も活動しています。大天守閣に近い頬当御門での開門口上に始まり、11:30 ~ 11:45までは城彩苑で、さらに14:30 ~ 14:45までは天守閣前でおもてなしをしています。力強い演武に引き込まれてしまうかも!?
素材提供 : トリップアドバイザー
1 . 松本城 (長野県)
私のオススメ度 : ★★★★★
国宝・連結複合式天守
天守閣内部には矢や鉄砲を使った攻撃に備えた狭間のほか、攻めてくる敵を防ぐ石落などがあります。戦国時代の武士になった気持ちで石落や狭間から外を眺めて見てはいかがでしょうか。
白い漆喰と黒い漆塗りの外壁のコントラストが美しい松本城。櫓門と呼ばれる二の丸正門に使われている巨石──通称・玄蕃石(げんばいし)も、ぜひご覧くださいね。大きさに圧倒されますよ。
■ 基本情報
- ・名称:国宝 松本城
- ・住所:長野県松本市丸の内4-1
- ・アクセス:【電車・バス】◆JR篠ノ井線「松本駅」下車 徒歩約15分
- ◆松本駅から松本周遊バス「タウンスニーカー」北コース乗車、「松本駅お城口」発 → 「松本城・市役所前」下車 乗車時間約10分
- 【自動車】長野自動車道 松本I.Cから国道158号線を松本市街地方面へ向かい約3km約15分
- ・営業時間:8:30 ~ 17:00(最終入場 16:30)※時期により変動あり
- ・休城日:年末年始(12月29日 ~ 1月3日)を除き無休
- ・電話番号:0263-32-2902(松本城管理事務所)
- ・料金(松本市立博物館との共通券):大人…610円 / 小・中学生…300円 / 小学生未満…無料
- ※団体割引あり
- ・公式サイトURL:http://www.matsumoto-castle.jp/
2 . 岡崎城 (愛知県)
私のオススメ度 : ★★★★★
将軍・徳川家康 出生の城
「五万石でも岡崎様はお城下まで舟が着く」と謡われた岡崎城は、戦国時代の覇者・徳川家康出生の地として知られています。現在の天守閣は昭和34年(1959年)に復元された三層五階建の鉄筋コンクリート造りです。5階の展望室からは下に乙川を見下ろし、三河平野を見渡すことができますよ。岡崎城の周囲は岡崎公園として整備され、初夏には五万石の藤の花が訪問客の目を楽しませてくれます。また公園内には家康が出生した際の胞衣(えな)を埋めたえな塚や、産湯の井戸もあります。神君と謳われた家康のパワーを感じ取れるかもしれませんね。
岡崎城から北へ徒歩約4分のところにある「三河武士のやかた」内では、甲冑の試着体験ができます。井伊の赤備えを試着して、戦国気分を味わってみませんか? このやかた前では大人気の武将隊・グレート家康公「葵」武将隊も活動しています。
■ 基本情報
- ・名称:岡崎城
- ・住所:愛知県岡崎市康生町 561-1
- ・アクセス:【電車・バス】◆名鉄「東岡崎駅」下車後、徒歩約15分
- 【自動車】東名高速道路 岡崎I.Cから国道1号線経由 約4km約10分
- ・営業時間:9:00 ~ 17:00 (入館は16:30まで)
- ・休城日:年末(12月29日 ~ 12月31日)
- ・電話番号:0564-22-2122
- ・料金:大人…200円 / 小人…100円 ・ 家康館との共通券 大人…510円 / 小人…270円
- ・公式サイトURL:http://okazakipark.com/
3 . 名古屋城 (愛知県)
私のオススメ度 : ★★★★★
ポイントは金のしゃちほこ
愛知県名古屋市の中心部に聳え立つ名古屋城。広大な敷地を持つ名城公園の一画にある名古屋城は、昭和20年(1945年)5月の空襲で焼失し、戦後に再建されました。そのために天守台の石垣は熱による劣化がうかがえます。天守閣と一緒に焼失した本丸御殿は現在復元工事が進み、2016年6月1日に対面所と下御膳所が公開されます。待ち遠しいですね。
この名古屋城で有名な物は、やはりなんと言っても金の鯱(しゃちほこ)! 現在の金鯱は18金ですが、江戸時代初期の慶長17年(1612年)当時は純金で、215.3kgの金が使われていたとのこと。まばゆいばかりの光を放っていたことでしょう。天守閣の5階に展示されている金鯱のレプリカには、乗ったり触ったりもできますよ。
二の丸広場では週末や祝日に、名古屋おもてなし武将隊の演武などを観ることもできます。全国武将隊天下一決定戦-宴-で3連覇を成し遂げた彼らの演武を楽しみに訪れる人も多いようです。三英傑ゆかりの地・名古屋と名古屋城へ出掛けてみませんか?
■ 基本情報
- ・名称:名古屋城
- ・住所:愛知県名古屋市中区本丸1-1
- ・アクセス:【電車】<名鉄>瀬戸線 「東大手」 下車 徒歩約15分
- <地下鉄>◆名城線「市役所」 下車 7番出口より徒歩約5分
- ◆鶴舞線「浅間町」 下車 1番出口より徒歩約12分
- 【自動車】◆名古屋高速1号楠線「黒川」 出口から南へ約8分
◆名古屋高速都心環状線「丸の内」 出口から北へ約5分 - ・営業時間:9:00 ~ 16:30 (天守閣・本丸御殿へは16:00までに入場)
- ・休城日:12月29日 ~ 1月1日
- ・電話番号:052-231-1700
- ・料金:大人…500円 / 中学生以下…無料
- ※団体割引あり
- ・公式サイトURL:http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/
4 . 二条城 (京都府)
私のオススメ度 : ★★★★★
徳川幕府 終焉の城
国宝6棟・重要文化財22棟を持ち、世界文化遺産に登録されている二条城は、徳川家康が築城しました。この城で慶長8年(1603年)に徳川家康は征夷大将軍の宣下に伴う祝賀儀式を行い、それから約260年後の慶應3年(1867年)に15代将軍・慶喜は大政奉還をしました。264年間におよぶ徳川政権の始まりと終わりを知る城──それが二条城です。
二の丸御殿の建物6棟はすべて国宝! 東大手門から敷地内に入り、右手に番所(平成29年6月末まで工事中)を見て築地塀沿いに進むと、唐破風造りの豪華な唐門が出迎えてくれます。
御殿内は入口から順に、車寄せ → 遠侍(大名の控えの間) → 式台(大名が老中職と挨拶を交わす部屋) → 大広間(将軍が諸大名たちと対面した部屋場所) → 蘇鉄の間 → 黒書院(将軍と親藩や譜代大名との対面所)と → 白書院(将軍の居間や寝室)と続いています。大政奉還は大広間で行われたんですよ。
各部屋の襖絵なども国の重要文化財に指定されているものが多いので、薄暗い室内ですが、ご覧くださいね。鶯張りの廊下の音も、お聞き逃しなく♪
■ 基本情報
- ・名称:元離宮 二条城
- ・住所:京都府京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
- ・アクセス:【電車・バス】◆JR「京都駅」下車後、地下鉄烏丸線 「烏丸御池駅」から地下鉄東西線に乗り換え 「二条城前駅」下車、 市バス 9・50・101号系統 ⇒ 「二条城前」下車 ◆阪急「烏丸駅」から 市バス 12・101号系統 ⇒ 「二条城前」下車
- ◆阪急「大宮駅」から タクシー乗車 約5分
- ◆京阪「三条駅」で地下鉄東西線「三条京阪駅」に乗り換え 「二条城前駅」下車
- 【自動車】◆名神高速道路「京都東」I.Cから約30分
- ◆名神高速道路「京都南」I.Cから約30分
- ・営業時間:8:45 ~ 16:00(閉城 17:00)
※二の丸御殿観覧時間 9:00 ~ 16:00 - ・休城日:年末年始 12月26日 ~ 1月4日・毎年12月・1月・7月・8月の毎週火曜日
- ※ただし当該日が休日の場合は、その翌日を休城
- ・電話番号:075-841-0096
- ・料金: 一般… 600円 / 中学生・高校生… 350円 / 小学生… 200円 / 小学生未満…無料
- ※団体割引あり
- ・公式サイトURL:http://www2.city.kyoto.lg.jp/bunshi/nijojo/index.html
5 . 姫路城 (兵庫県)
私のオススメ度 : ★★★★★
日本初の世界遺産!
姫路城は平成5年(1993年)に「法隆寺地域の仏教建造物」とともに、日本で最初に世界遺産に登録されました。要となる大天守は江戸時代初期の慶長14年(1609年)に建築され、その周りにある3基の小天守閣と一緒に400年余りの時を経た現在でも、その優美な姿で観る人々を魅了しています。連立式天守閣として知られる姫路城は、五層七階建の美しい大天守閣へ近づこうと思っても、なかなか辿り着けません。これは姫路城の曲輪構造が3重の螺旋形を描いているためです。多くの門や櫓があり、敵からの攻撃を受けにくく、まさに要塞。
時間の許す限り城内のあちこちを巡って堪能してくださいね。順路通りに進まず、大天守へ直行するルートもあります。
平成の大修理を終え、さらに白くなった白漆喰総塗籠造りの姫路城。日没から22:00まで毎晩行われるライトアップも楽しみですね。
■ 基本情報
- ・名称:世界文化遺産・国宝 姫路城
- ・住所:姫路市本町68番地
- ・アクセス:【電車・バス】◆JR「姫路駅」北口から神姫バスに乗車し「大手門前」降車後、徒歩約5分
- ◆JR「姫路駅」または山陽電鉄「山陽姫路駅」から徒歩約20分
- ・営業時間:9:00 ~ 16:00(閉門は17:00)
※夏季(4月27日~8月31日)は9:00 ~ 17:00(閉門は18:00) - ・休城日:12月29日・30日
- ・電話番号:079-285-1146 (姫路城管理事務所)
- ・料金:大人(18才以上)…1,000円 / 小人(小学生・中学生・高校生)…300円
- ※団体割引あり
- 姫路城・好古園共通券 : 大人(18才以上)…1,040円 / 小人(小学生・中学生・高校生)…360円
- ・公式サイトURL:http://www.city.himeji.hyogo.jp/guide/castle/
6 . 熊本城 (熊本県)
私のオススメ度 : ★★★★★
高石垣の反り具合に注目
賤ヶ岳の七本槍の1人として怖れられた猛将・加藤清正が、江戸時代初期に完成させたのが熊本城です。西南戦争により大小天守閣が焼失したため、昭和35年(1960年)に復元されました。その後も数寄屋丸二階御広間や南大手門や数基の櫓などが復元されています。熊本城は復元整備計画によって、着実に元の姿を取り戻そうとしています。この熊本城の見どころの1つに石垣があります。石垣造りを得意とする清正は、この熊本城でその才能を如何なく発揮。最初は緩やかな勾配ですが、上部へ行くほど垂直に近く急勾配になる形状の高石垣を多く用いています。「武者返し」と呼ばれるのも頷けますね。
城内では熊本城おもてなし武将隊も活動しています。大天守閣に近い頬当御門での開門口上に始まり、11:30 ~ 11:45までは城彩苑で、さらに14:30 ~ 14:45までは天守閣前でおもてなしをしています。力強い演武に引き込まれてしまうかも!?
基本情報
- ・名称:熊本城
- ・住所:熊本県熊本市中央区本丸1-1
- ・アクセス:【電車・バス】◆熊本駅前電停 ~ 熊本城・市役所前電停 降車後、徒歩約3分
- ◆熊本駅前バス停 ~ 交通センターバス停 降車後、徒歩約5分
- ◆熊本空港バス停 ~ 交通センターバス停 降車後、徒歩約5分
- 【自動車】◆九州自動車道路 熊本I.Cから国道57号線を熊本市街地方面へ車で約30分
- ・営業時間:3月 ~ 11月…8:30 ~ 18:00(入園は17:30まで)/ 12月 ~ 2月…8:30 ~ 17:00(入園は16:30まで) ※天守閣等建物への入館は閉園30分前
- ・休城日:12月30日 ~ 31日 ※12月29日は特別開園
- ・電話番号:096-352-5900
- ・料金:大人…500円 / こども(小・中学生)…200円
- ※団体割引あり
- ・公式サイトURL:http://www.manyou-kumamoto.jp/castle/
まとめ
いかがでしたか? 今回紹介した日本のお城は、どこも歴史を伝えてくれる貴重な遺構。どの城も敷地が広大なので、見学の際には時間にゆとりを持って臨んでくださいね。素材提供 : トリップアドバイザー