まるで宮殿みたい？建築様式が美しすぎる世界のホテル10選

海外旅行をすると身近に感じられるホテルの存在。その中で代表的な歴史的建築様式を取り入れたホテルを、様式の時代順にご紹介したいと思います。旅行しながら建築様式をお勉強してみよう！ホテル滞在がもっと深く楽しいものになりますよ♪

【ギリシア様式】

ザ・リッツ・カールトン・サンフランシスコ＜アメリカ＞

「パルテノン神殿」などのギリシア遺跡を思い出すとわかりやすいと思いますが、たくさんの柱が狭い間隔で並んでいるのが、ギリシャ建築の最大の特徴のひとつです。

石造りのエントランスはまるでギリシアの神殿みたい！「リッツ・カールトン・サンフランシスコ」は、高級ホテルやブティックが集まる、落ち着いた雰囲気のノブヒル地区にあるラグジュアリーホテルです。目の前のCalifornia St.（カリフォルニア通り）にはケーブルカーが走っているので、観光客にとっても目立つ存在。

【ロマネスク様式】

パラドール・デ・レオン＜スペイン＞　

ロマネスクは戦乱の中世のヨーロッパで生まれた、修道院や教会のための建築様式。厚い石壁に小さな窓…といった質素で禁欲的な建築であるため、ホテル建築には不向きという特徴がありますが、世界にはロマネスク様式を取り入れたホテルもあるんです！

「パラドール・デ・レオン」の建物は1530年建立ということですから、ロマネスク時代ではありませんが、様々な様式がミックスされ、いたるところにロマネスク風な様式が強調されています。半円アーチや小さな開口部、厚い石壁はまさにロマネスク。ちなみにこのホテルの有名な回廊はゴシック様式となっています。

【ゴシック様式】

インターコンチネンタル・メルボルン・ザ・リアルト＜オーストラリア＞

いわゆる「大聖堂」と呼ばれるカテドラルに取り入れられている様式がゴシック。大きな窓やステンドグラス、尖頭型のアーチなどが特徴の華やかな印象です。ただ、大聖堂向けに作られた建築様式をそのままホテルに取り入れるというのはなかなか難しいので、ホテルの場合は「ゴシック風」となっています。
「インターコンチネンタル・メルボルン・ザ・リアルト」の建物は1891年に建立していますので、「クラシック・リバイバル様式」ともいえるそうですが、尖頭アーチなどはまさに「ゴシック風」ともいえます。 伝統的保存建築物に指定されています。

【ルネサンス様式】

ホテル・ヘルヴェティア＆ブリストル＜イタリア＞　

15世紀から16世紀にかけてフィレンツェで新しく生まれたルネサンス様式。端正で華麗なイメージなので、ホテル建築には多く取り入れられた経緯があり、世界中にルネサンス様式のホテルは存在します。その中から本場イタリア・フィレンツェのホテルをご紹介します。
「ホテル・ヘルヴェティア＆ブリストル」の低層階のラフな石積みや、上層階が滑らかな外壁、窓回りの飾り、最上階の蛇腹風の軒飾りなどはまさに典型的なルネサンス様式。まさにフィレンツェを代表するフィレンツェらしいホテル。ぜひ観光の合間に立ち寄りたい！

【バロック様式】

ザ・リッツ・ロンドン＜イギリス＞　

16世紀後半に生まれたバロック様式は、重厚で装飾をふんだんにあしらった建築様式。ルネサンス時代に失われつつあった教会や国家の権力を誇示していて、ルネサンスとは対照的なスタイル。世界中の多くのホテルがその様式の重厚感をホテルのイメージに取り入れています。
「ザ・リッツ・ロンドン」の格式と気品の高さはバロック様式の建築が醸し出しているといっても過言ではないかもしれません。イギリスを代表するホテルの1つで、イギリス王室御用達のホテル。建築の重厚感は見ごたえがあります。

【ロココ様式】

ホテル・ル・ネグレスコ＜フランス＞　

ロココは18世紀の初頭ごろに生まれた建築様式。ルイ14世の時代からフランス革命までに流行した、華麗で優美で官能的なスタイルが特徴。装飾が多くほどこされ、白色に華やかな金の装飾というスタイルが典型です。
「ホテル・ル・ネグレスコ」は、南フランスのニースにあるラグジュアリーなホテルです。白を基調とした華やかなロビーはロココ様式の典型である金の装飾が用いられています。外観といい、客室といい、どこかかわいらしい印象のロココスタイルを、個性として全面に出しています。

【アールヌーヴォー様式】

ダヌビウス・ホテル・ゲラート＜ハンガリー＞

アールヌーヴォーは、19世紀の産業革命時代に生まれた建築様式。都市の産業と文化を象徴する様式で、当時レストランやホテルなどの都市の商業施設に多く使用されたデザインです。1900年のパリ万博をきっかけに世界中に広がり、一世を風靡しました。

ブダペストにあるゲラート温泉は大変歴史ある有名な温泉。併設されたホテルにあるガラスの天井が印象的な温泉プールは、アールヌーヴォー様式として知られています。創業は1918年。100年前にタイムスリップした気分になれます。天然温泉に入りながらアールヌーヴォー様式を見て楽しもう♪

【アールデコ様式】

ジョージアン・ホテル＜アメリカ＞　

20世紀初頭に生まれたアールデコ様式は、パリなどのヨーロッパよりは、アメリカで多く取り入れられた建築様式です。幾何学的なデザインが特徴で、ニューヨークのクライスラービルやロックフェラーセンターなどが代表格。さらにマイアミを中心にカラフルな電飾を施した「トロピカルデコ」も流行しました。
「ジョージアン・ホテル」は、ロサンゼルスの郊外サンタモニカにあるこじんまりとしたホテル。カラフルな配色デザインにネオンサインという、トロピカルデコのスタイルを存分に感じられます。

【モダン様式】

JWマリオット・ホテル・ホンコン＜香港＞

モダン様式は、20世紀の装飾を極力減らし機能美を徹底した建築様式。素材は鉄やアルミ、ステンレスといったものを使い、機能に関係のない装飾は一切施さないのがこの様式の特徴。時代や国、歴史を連想させるデザインも基本的にありません。
「JWマリオット」は香港のビジネス街にある602室の超高層五つ星ホテル。サービス、アメニティも充実していて快適な滞在が楽しめます。多角形平面のデザインで、外装は水平線を強調しています。階下はショッピングモールとなっています。

【ポストモダン様式】

グラン・メリア・ジャカルタ＜インドネシア＞

現代の建築路線としては、機能にこだわったモダン様式よりも「ゆとり」や「あそび」を取り入れたものが多くなっており、「ポストモダン様式」と呼ばれています。テクノロジーの高さを背景とした新しい装飾美のスタイルが特徴です。
ジャカルタのビジネス中心地であるクニンガン地区にあるホテル「グラン・メリア・ジャカルタ」。金属質で現代的な建物のデザインは見る人の目を奪う斬新さです。ロビーには球形のモニュメントが置かれ、とても奇抜なデザイン。ホスピタリティーは大変充実していて、ジャカルタを代表する5つ星ホテルです。


素材提供：トリップアドバイザー