若き宮沢賢治が学んだ学舎が現存！「岩手大学ミュージアム」

盛岡市にある岩手大学農学部は、日本最初の高等農林学校として創立された「盛岡高等農林学校」の本館として建てられました。大正年代からの建物等が現在もキャンパス内に現存し、公開されています。宮沢賢治も学んだ学び舎とキャンパスを散策してみませんか？

岩手大学ミュージアムとは

岩手大学ミュージアムは、岩手大学ミュージアム本館、農業教育資料館、動物の病気標本室と周囲にある植物園エリアで構成されています。なお、キャンパス内の施設のうち、農業教育資料館と、旧正門、旧門番所は、重要文化財に指定されています。

ガイドブックの入手方法

広いキャンパスの地図やミュージアム、植物園の見どころなどが掲載されているミュージアムのガイドブックは、岩手大学正門守衛室と岩手大学ミュージアム本館で無料で入手できます。

ボランティアガイドツアー

ミュージアム、植物園では、ボランティアガイドが解説付で案内をお願いすることもできます。もし、必要な場合は、事前にミュージアムにお問合せすることをおすすめします。

ミュージアム本館(旧盛岡高等農林学校図書室)

岩手大学ミュージアム本館は、旧盛岡高等農林学校の図書室として1903年に建築されました。この宮澤賢治も学んだ建物は、昭和初期に増築され、1971年に岩手大学中央図書館が建てられるまで70年間図書館として使用されてきました。現在は、岩手大学全学の研究成果を紹介する場として5つのテーマによる資料、標本を展示し、一般に公開されています。

農業教育資料館(旧盛岡高等農林学校本館)

農業教育資料館は、日本最初の高等農林学校として創立された盛岡高等農林学校本館として1912年に建てられました。明治後期を代表する木造2階建の欧風建築で、明治期の国立専門学校中心施設の貴重な遺構として国の重要文化財に指定されています。展示内容は、高等農林学校当時からのなりたち、教材、資料など明治以降の日本の高等農林教育の様子がわかる貴重な展示が並べられています。大正初期にこの学校に在学した宮沢賢治もこの学舎で学んでおり、第4展示室を中心に見ることができます。

動物の病気標本室

動物の病気標本室は、盛岡高等農林学校創設時から現在まで100年以上にわたって収集された2000点以上の家畜の重要な病気の標本が標本されています。獣医学で扱う全ての動物の標本があり、貴重なものも多くあります。これらの標本は、現在も学生の実習、研究用として使用されています。見学希望の場合は、事前に岩手大学ミュージアムへの予約が必要です。

岩手大学キャンパス内散策で見ておきたいところ

ミュージアムの他にもキャンパス内には、重要文化財や植物園などがあり、見どころがあります。

岩手大学旧正門と旧門番所

岩手大学の旧正門と旧門番所は、農業教育資料館ととともに国の重要文化財の指定を受けています。門番所は、寄せ棟風八角の造りが特徴的な明治の建築物です。

賢治のオブジェ

農業資料館裏手には、思索しているようなポーズの宮沢賢治のモニュメントがあります。周囲には、緑豊かな植物園や北水の池、広場などがあり、ミュージアム本館まで歩きながら植物を散策することができます。

付属植物園・自然観察園

岩手大学には、農学部周辺にある植物園と、教育学部、体育館周辺の自然観察園があります。植物園は、旧盛岡高等農林学校時代の校舎跡地を中心に整備したものです。岩手の山野の典型天然生林を再現しており、盛岡市内とは思えない雑木林の雰囲気があります。一方自然観察園は、旧盛岡高等農林学校時代の植物園を祖としています。どちらの植物園も、オープンギャラリーとなっており、植物園は宮沢賢治をテーマにした彫刻、自然観察園には教育学部の卒業制作作品が野外彫刻ギャラリーとして展示されています。