文豪と同じ部屋に泊まりたい！あの夏目漱石も宿泊したレトロ宿が四国・山陽にあった

明治・大正・昭和の文人墨客に愛されたゆかりの宿をご紹介します。風格ある老舗旅館で彼らの足跡をたどりながら、上質な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

１．みやじまの宿 岩惣【広島県】

安政元年創業（1854年）、160年の歴史ある旅館です。大正～昭和時代の純日本建築のはなれ、昭和初期の木造建築の趣ある本館、もみじ谷の渓谷美と瀬戸内海を望む新館と、3つのタイプからお部屋を選べます。皇族や伊藤博文、森鴎外など多くの著名人に愛され、明治29年には、松山から新任地熊本へ向かう途中で宮島を訪れた夏目漱石と高岡虚子も宿泊したそうです。

「もみじ谷に囲まれた風情あふれる部屋」

「もみじ谷の自然を満喫しながら入れる天然露天風呂」

宮崎だからこその旬の味が楽しめます。

２．松田屋ホテル【山口県】

300年以上の歴史を持つ松田屋ホテルは、江戸時代から続く老舗旅館です。幕末には坂本龍馬や高杉晋作、木戸孝允、西郷隆盛など明治維新の志士たちのゆかりの地としても有名です。

現在家族風呂となっている「維新の湯」は、江戸時代末期1860年に御影石でつくられたもので、維新志士が密会の場として利用していた歴史的文化財でもあります。

本館は大正時代に建てられた木造2階建ての数寄屋造りです。
一年を通して楽しめる回遊式日本庭園。お風呂上がりにゆっくりと散策してみてはどうでしょう。

３．道後温泉 ふなや【愛媛県】

江戸時代寛永年間に開業の「ふなや」。皇室の常宿でもあり、松山市出身の正岡子規や明治28年に松山中学に赴任した夏目漱石、司馬遼太郎など多くの人に癒しの場を提供してきた伝統ある老舗旅館です。

1500坪の日本庭園「詠風庭」は小川が流れ、正岡子規が俳句に詠んだ「もみじ橋」が架かっています。橋を渡ると古代檜を使った檜湯と御影石の御影湯に行きつきます。

「檜の香りが良い檜湯」

「ゆったりと寛げる二間続きのお部屋」

「竹乃里」からの眺め。ロマンチックな夜景に時間を忘れてしまいそうです。

４．名泉鍵湯 奥津荘【岡山県】

「鍵湯」の名前で有名な奥津荘は津山藩主の専用浴場があった場所といわれています。津山藩主は一人占めするために番人を置き、鍵をかけて一般人の入浴を禁じたためにそう呼ばれるようになりました。
吉井川の川底からわき出す自然源泉の上に湯船があるため、足下から42.6度の熱いお湯が噴き出し自然のままの状態で正真正銘の源泉を楽しむことができます。

「足元から源泉が噴き出す『鍵湯』」
版画家の棟方志功は昭和22年～28年頃までの間、湯治のためこの奥津荘へ足繁く通って創作活動にいそしんだそうです。そのため奥津荘にはいまも多くの作品が残されています。

館内のラウンジでは源泉で淹れたコーヒーも味わえます。
「光が差し込む客室」
宿泊は中学生以上から。昭和3年に建てられた和風の宿の雰囲気と、静かに温泉を楽しみたい人におすすめです。