京都市営地下鉄蹴上駅の近くに、インクラインと呼ばれる鉄道跡があります。駅でもなさそうだし、でもレールはずっと先まで続いています。これは一体何でしょうか?
明治の昔、ここ京都では、遷都後のさらなる発展に向けて一大事業が計画されました。琵琶湖から京都市内までのおよそ20キロを水路で結ぶという壮大な総合開発事業です。でも問題は蹴上から鴨川への急勾配。落差はなんと36メートルあり、舟はこの勾配を上り下りできません。これを解決したのがインクラインです。
傾斜地にレールを敷き、貨物を運搬する舟を台車で運ぶ鉄道を作ったのです。この鉄道の跡が「蹴上インクライン」として今に遺されているのです。
付近には日本初の事業用水力発電所である蹴上発電所があります。インクラインの動力にはこの水力発電が利用されました。美しいレンガ造りの建物は古き良き時代を彷彿とさせますが、なんと、現在も京都の町に電力を送り続けているのです。(内部の見学はできません)
インクラインはまっすぐ続く線路の上を歩ける不思議な世界 桜のトンネルに包まれて それぞれの時間を みんなが笑顔ですごしていました☆
線路の上を歩く。まるで映画のワンシーンのような写真が取れます。特に春の桜の時期は観光客でにぎわいます。
桜の時期は花見客でにぎわうインクラインですが、静かなオフシーズンに訪れて、明治の偉業に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。
1.蹴上(けあげ)インクラインとは?
傾斜地にレールを敷き、貨物を運搬する舟を台車で運ぶ鉄道を作ったのです。この鉄道の跡が「蹴上インクライン」として今に遺されているのです。
2.蹴上インクラインの魅力
蹴上インクラインの魅力は、何と言ってもその歴史的価値とタイムスリップ感。全長は582メートル、世界最長を誇ります。西洋人技術者に頼らずに成し遂げられた初めての近代土木事業でした。軌道に沿って散策すると、そこかしこに明治らしい、モダンでありながら荘重な建築物を見ることができます。3.見どころ・おすすめスポット
お花見も出来ます
春には線路沿いに90本のソメイヨシノが咲き誇るなか、レールの上を歩くこともできます。竣工から120年を超えた今も朽ち果てることなくまっすぐに伸びたレール。そしてそこに舞い落ちる桜の花びら。廃線になったレールを歩くと、なぜかノスタルジーを感じませんか?お寺や神社の桜ももちろんいいのですが、それとは少し違った京都の風景が、ここにはあります。レトロな赤レンガは蹴上発電所
南禅寺水路閣
インクライン周辺を散策していると南禅寺にたどり着きます。南禅寺水路閣は赤レンガのアーチ型が美しい水路橋。古代ローマの水道のような、芸術的ともいえるその橋を見上げていると、ものづくりにかける明治人の気概が伝わってくるようです。でもここは、歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな絶景かな」と唸った南禅寺境内。名刹と近代文明の遺構が混然一体となる不思議な感覚を覚えます。琵琶湖疏水記念
市営地下鉄蹴上駅から北に向かったところに琵琶湖疏水記念館があります。近代の京都の繁栄に欠かせなかった琵琶湖疏水の歴史を学ぶだけでなく、設計図や建設の過程を示す資料から、工事に携わった人々の苦労を垣間見ることができます。当時の貴重な古レールも展示されているので、鉄道マニアは必見です4.蹴上インクラインを訪れた人の声
http://www.rurubu.com/review/list.aspx?SpotID=JB000234&featurecd=578
5.場所
基本情報
- ・名称:蹴上(けあげ)インクライン
- ・住所:京都市左京区南禅寺福地町
- ・アクセス:京都市営地下鉄東西線 蹴上駅から徒歩2分
- ・営業時間:なし
- ・定休日:なし
- ・電話番号:075-761-3171(疏水事務所)
- ・料金:無料
- ・所要時間:約45分
- ・オススメの時期:春、秋
- ・公式サイトURL:
■ 基本情報
- ・名称: 琵琶湖疏水記念館(びわこそすいきねんかん)
- ・住所: 京都市左京区南禅寺草川町17
- ・アクセス: 京都市営地下鉄東西線 蹴上駅から徒歩7分
- ・営業時間: 3月1日~11月30日 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
- 12月1日~2月28日 9:00~16:30 (入館は16:00まで)
- ・定休日: 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月3日)
- ・電話番号: 075-752-2530
- ・料金: 無料
- ・公式サイトURL: http://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000007524.html
桜の時期は花見客でにぎわうインクラインですが、静かなオフシーズンに訪れて、明治の偉業に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。