川原湯温泉が幻となる前に・・・ダムに沈む運命を背負った秘湯へ行っておこう！

川原湯温泉。それは近い将来、無くなってしまう運命を負っています。現在群馬県では、長い建設反対活動を経て八ツ場（やんば）ダムの工事が行なわれています。これが完成すると、街もろともダム湖の底に沈んでしまうことになるのです。ですが、まるっきり消えてしまうわけではありません。今の古い場所から新しい場所へ、各施設は着々と移転しており、別の形で残り続けます。とはいえ、幻となってしまう前に、地元の人々と湯治に来た観光客を癒してきたこの秘湯に足を運んで、その姿を心に焼き付けておきたいもの。今回はこちらをご紹介します。

1. 川原湯温泉とは？

群馬県吾妻郡長野原町にある温泉街。1193年に源頼朝が浅間狩りの際に温泉を発見したといわれています。
それから400年余りが過ぎた、1500年代に一度突然温泉が出なくなったことがあり、ニワトリを生贄にして祈ったところ、お湯が復活したという歴史があります。

2. 川原湯温泉のおすすめ宿

温泉街の宿は、八ツ場ダム工事の関係で休業しているところが多くなっています。現在営業中の宿をご紹介します。

山木館　

慶長年間に創業したという300年以上の歴史を誇る老舗旅館。ダム建設に伴い高台に移転し、営業を再開しました。水没予定であった場所にあった農家や蔵などをすべて移転。以前の雰囲気のまま蔵造りで庭園に囲まれたのんびりした滞在宿です。

丸木屋旅館

昔ながらの素朴さに心和む宿をコンセプトに、地元の食材を使った手作りの家庭料理と温泉100％のかけ流しのお風呂が魅力の宿です。長年営業していた旧温泉街から移転、昨年12月より代替地で営業を再開しています。

やまた旅館

小さな宿で、素敵な陶芸品を扱う「やまた旅館」は、北大路魯山人、川喜多半泥子と並び称された奇才陶芸家上口愚朗ゆかりの宿です。宿内では陶芸体験などもできます。一昨年前より代替地で新たに営業を再開しています。

ゆうあい

旧温泉街で営業を続けています。こぢんまりとした、家庭的おもてなしが受けられる宿。山の幸をふんだんに使ったヘルシーな料理が楽しめるほか、みそ田楽は名物料理として知られます。裏山に徒歩２分の山頂露天風呂があり、大自然の中でお湯に浸かることができます。2015年12月まで営業予定。

3. 川原湯温泉おすすめスポット

川原湯温泉街の温泉宿以外のおすすめスポットをまとめました。

王湯

2014年に旧温泉街より移転、リニューアルオープンした共同浴場「王湯」。源頼朝が発見したということで、源家の家紋があしらわれています。現在は山を切り崩した場所に建っていますが、2019年に八ツ場ダムが完成するとダム湖の湖面に面したロケーションとなります。

湯かけまつり

「日本の奇祭」の一つともいわれる「湯かけまつり」。毎年1月20日に行なわれる、ふんどし姿の男たちが早朝から温泉の湯をかけまくるという珍しいお祭り。

源頼朝が温泉を発見してから約400年が過ぎた1500年代に突然温泉が出なくなり、ニワトリを生贄にして祈ったところお湯が再び出て来た時に、村人たちがお湯を掛け合って喜んだのがはじまりです。

お福

地元の特産品や川原湯温泉みやげを取り揃えている唯一の土産店。名物のおばあちゃんが一人で切り盛りしているお店で、丸木屋旅館とともに旧温泉街より移転。手作りの煮豆、自家製の小豆餡が入った、手作り最中が大好評。

かつてお店に「嵐」のメンバーが取材に来たことから、嵐ファンも訪れる人気のお店です。

豊田乳業

JR川原湯温泉駅が新駅に変更となり、駅前になってしまった豊田乳業の牛乳直売所。手作風ヨーグルトや独自開発の飲むヨーグルトもあります。「お風呂に入った後は牛乳を飲みたい！」そんな方にぴったり。

4. 川原湯温泉を実際に訪れた人の声

ダム工事に伴い、JR駅も高台に移転しました。

新温泉街は交通の便もよく、車のアクセスも良いようです。

温泉卵は作れなくなっちゃったみたいです・・・。

5. 川原湯温泉に行こう！

■地図はこちら

■各ウェブサイトはこちら
川原湯温泉協会ホームページ
川原湯温泉協会facebook

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川原湯温泉をご紹介しました。錆びついたアーケードをくぐると見えてくる、どこかさびれた町並み。かつて観光客でにぎわっていたのであろう光景が目に浮かんできます。長年この地を支え続け、人と共に歩んだ歴史を感じ取ることが出来るかと思います。ダム底に消える運命。そう言うととても悲観的に聞こえますが、すでに地元の人たちは前を向いています。各施設も新街地でリニューアルし、新たな湯治スポットとして復興し始めています。この地の門出が良いものとなるように、今は見守りましょう。