鳥海山とは?
山形県と秋田県の中間にあり、美しいそのシルエットから出羽富士とも呼ばれています。
古くから信仰を集めてきた山であり、近隣から崇められて来ました。
その山の頂に降り積もった雪が溶けて裾野の地を潤し、豊かな実りをもたらしています。
鳥海山の標高2236mは、東北では2番目の高さです。海沿いの高い山が少ない場所にあることから、山形県側と秋田県側の両側からその美しいシルエットを見ることができます。また、今も活動を続けている活火山であり、昭和49年には噴煙が観測され、入山禁止になりました。それでも、観光道路の鳥海ブルーラインで5合目まで行くことができ、山頂から北は男鹿半島や岩木山が、南は佐渡ケ島まで見渡すことができます。
鳥海山の魅力
鳥海山は荒ぶる火の神として崇められてきた存在で、修験道の修行の地でもありました。今は鳥海ブルーラインという標高1100mまで車で登ること事の出来る道があり、そこから山に登る事も出来ます。
多くの高山植物を見ることの出来る花の名山としても有名で、山登りの楽しさをいや増しています。
その山の上には竜が棲むという湖があります。
鳥海山は、麓の秋田や山形から春になると雪をかぶった美しい姿を見ることができます。そういった景色は、たびたびテレビ番組や映画の背景として使われてきました。また、5合目まで車で行けば、目の前には日本海の景色が広がっています。5合目から見る夕日は、海岸から見る夕日とは全く別の景色に感じられます。さらに、山頂付近は夏にも残雪が残り、貴重な高山植物も見れる場所です。
鳥海山の歴史
鳥海山は荒ぶる神と呼ばれるにふさわしい噴火を繰り返して来た火山です。記録されているだけでも、弘仁の頃から9回の噴火を経ています。
最も近年では昭和49年、1974年にマグマ水蒸気爆発を起こしました。
この時の噴火は記録されている中では最小規模だったようですが、その前の1801年のマグマ水蒸気爆発は、近隣に大きな被害を出したようです。
古代から信仰の対象ともなっていた鳥海山は、山頂に神社の本社があります。1972年に鳥海山に登る観光道路・鳥海ブルーラインが開通すると、観光の対象となっていきました。また、登山に訪れる人も増えており、登山者向けに4合目に国民宿舎大平山荘があり、頂上付近には神社が管理する山小屋も整備されています。
鳥海山に行ったら出来ること
鳥海山は海抜0mから登る事の出来る珍しい山です。2236mをフルに登る事が出来ます。
山登り程本格的に山に挑戦したくないという人にはハイキングコースもあります。
また1100mまで車で登れる鳥海ブルーラインをドライブするのも山への挑戦としては良いのではないでしょうか。
鳥海山でのハイキングのおすすめは、鳥海ブルーラインで最も高い場所となる秋田側の鉾立から、御浜小屋まで行くコース。鉾立には、大きな駐車場があり、日本海を望める展望台などもあります。御浜小屋までは片道2時間ほどかかりますが、途中には多くの高山直物が咲いており、8月まで残雪が残っています。
周辺のおすすめ観光スポット
高瀬境
鳥海山でもっとも初心者向けのハイキングコースです。川沿いを多く通るので、滝や淵を眺める事が出来ます。
たどり着く大滝は安楽坊滝と言い、修験者が修行を積んだ場所とされています。
このコースの入り口には湧き水があり、飲むことが出来ます
ここは、鳥海山の山麓の山形側・遊佐町の東側にある、山道を歩く手軽なハイキングコースです。遊佐町の東側の田園地帯でも外れの方にある藤井地区には、高瀬境に通じている山道の入り口そばに、手書きのかわいらしい案内板があります。なお、大滝まで行く途中には、急斜面もあるので雨の日などを十分に気をつけましょう。
一ノ滝・二ノ滝
一ノ滝、二ノ滝、三ノ滝と滝が続いています。
二の滝へと向かう途中に同腹滝と言う小さな滝があり、この滝は山腹から湧き出す水が社を挟んで滝になっています。
この同腹滝は安産の神であり、美味しい水飲み場でもあります。
仏像などが沢山置かれています。
遊佐町を流れる月光川は、鳥海山の山麓の森から流れ出ています。そして、その月光川の上流にある渓流に、一ノ滝・二ノ滝があります。ここは、ブナの原生林の中で巨大な岩の間を流れ落ちる滝が美しい渓谷で、山形県の庄内地方にある3名瀑の1つとされています。なお、ブナの原生林の森が続くこの辺りはクマが出没する場所です。鈴などの音の出るものを持って歩きましょう。
鳥海湖
鳥海山の7合目にある竜の棲むと言われているカルデラ湖です。この湖の周辺には高山植物の花が咲き誇り、花の名所とされています。
ここには山小屋があり、一休み出来ます。
鳥海山山頂を目指す登山口の吹浦口、または、鉾立口から登ると、7合目に御浜小屋があります。鳥海湖があるのは、この小屋の付近です。この御浜小屋は、ちょうど2つの登山口の合流地点で、山小屋にはトイレもあり、多くの登山者が休憩する場所です。ここから高山植物に囲まれてた、怪しく美しいカルデラ湖を見ることができます。
周辺のおすすめホテル
ホテル フォレスタ鳥海
秋田側、ブナの原生林の中にあるホテルです。全室から鳥海山を見ることの出来る最高の展望を誇ります。
地元の旬の食材や地元の由利牛を使ったメニューがあります。
天然温泉露天風呂もあり、鳥海山観光への拠点として最高のホテルと言って良いでしょう。
お一人様15050円から(二人以上の場合一人12030円から)となっています。
フォレスタ鳥海には、鳥海山北側を通る国道108号線を経由したり、由利高原鳥海山ろく鉄道とバスなどで行くことができます。ここは、鳥海山山麓のブナの原生林に囲まれた温泉のあるリゾートホテルで、自然の中で日常を忘れ、温泉に入って寛ぐことができます。近くにスキー場などもあるので、レジャーの基地としても利用できます。
鳥海温泉 遊楽里
山形側の遊佐町の温泉宿です。料理は海鮮舟盛りや庄内豚のしゃぶしゃぶなど、地元の味を堪能出来ます。
お一人様17000円から(二人で一人8500円から)となっています。
食事なしプランならお一人様11000円から(二人で一人あたり5500円から)あります。
山形県側の遊佐町でも日本海に面した吹浦漁港のそばにある温泉宿です。鳥海山の麓の海沿い通る国道7号線沿いにあります。吹浦には鳥海ブルーラインの山形側の入り口があるので、鳥海山の登山にも利用できます。また、近くの漁港にあがったばかりの新鮮な素材を使った料理と温泉が楽しめる宿です。
周辺のおすすめ名産グルメ
きりたんぽ
秋田の名産として有名なきりたんぽです。鳥海山の水で育てられた由利本荘米で作られています。
きりたんぽは、つぶしたご飯を木の棒に巻きつけて焼き、棒から外したら食べやすい大きさに切った秋田の郷土料理です。鍋に入れて煮込んだり、味噌を付けて焼いて食べたりします。鳥海山の北側にある由利本荘市で作られる由利本荘米は、このきりたんぽにぴったりなお米です。秋田特産の比内鳥の出汁をセットにすれば、おみやげにも最適です。
ぶどう羹
鳥海山で採れたやまぶどうを使ったゼリーのようなお菓子です。着色料を使っていない自然な紫色が綺麗です。
由利本荘市の原田栄泉堂で販売しています。
由利高原鉄道の矢島駅から歩いて4分程の場所です。
山ぶどうのほどよい酸味と濃厚な味わいを生かした、ゼリーとは違う、不思議な食感のお菓子です。プルプルしたぶどう羹を、羊羹のように切って食べれば、お口の中に山ぶどうの味が広がります。夏には、冷やして楽しんでください。原田栄泉堂は、明治38年の老舗の和菓子屋で、ぶどう羹の他に季節毎の生菓子もいろいろと作っています。この店の名物は「虎の子まんじゅう」。矢島の地元で長年愛されているおまんじゅうです。
遊佐カレー
地元の野菜を活かす為に作られた野菜たっぷりの甘口カレーです。鳥海山の恵みを受けて育った野菜の旨味が素晴らしいです。
遊佐駅からすぐの所に遊佐カレーというお店があります。
イベント
杉沢比山
遊佐町杉沢に伝わる奉納舞です。毎年、8月6日、15日、20日の夜に奉納され、それぞれ「仕組」、「本舞」、「神送り」と呼ばれています。
熊野神社で執り行われます。
元は修験者が奉納していた物がいつしか地元住人に引き継がれたとの事です。
鳥海山へのアクセス
JRの羽越本線遊佐駅から車で1時間23分ほどで到着します。鳥海ブルーラインで車で登れる終点から登山した場合、登山に約4時間10分程、下山に3時間20分程掛かります。
口コミ
今日1湯目は栗駒山荘♨ 露天風呂♨ 遠く残雪の鳥海山をはじめとする山並、眼下に広がる絶景。 青い空に岩つばめが飛び交い、冷たい山風が頬にあたる。 至福のとき