NORIO.NAKAYAMA
いすみ鉄道は、千葉県房総半島の中央部あたりをのんびりと走っていて、今、注目されています!その理由は…一度は廃線の危機にありましたが、再び活性化したからなんです!地方のローカル線ファンを中心に、全国から熱い視線が向けられています。「ここには“何もない”があります」という言葉がコンセプト。けど、足を運ぶと裏腹に「そこには忘れていた“何か”があります」と感じられる場所なんですよ。今回は基礎知識から周辺の観光スポットまで、魅力に迫ります!
いすみ鉄道とは?
http://gorail.blogspot.jp/2011_11_01_archive.html
いすみ鉄道株式会社は、千葉県夷隅郡大多喜町に本社のある人気のローカル鉄道ですね。ローカル線は経営が行き詰まり廃線になることが多く、全国的には珍しいことではありません。実はいすみ鉄道もそのような鉄道のひとつでもあったのですね。いすみ鉄道の前身であった木原線が廃線の危機状態にあった頃、運営母体が第三セクター化されます。それで生まれたのがいすみ鉄道なんです。しかし、その後も長年にわたっていすみ鉄道は赤字経営が続いていたようです。2009年度決算でも収支の改善見込みが立たない場合は、鉄道の廃止もやむなしとなります。
このため、経営を立て直すために2007年12月から社長を一般公募しました。一般公募の社長の2代目に就任したのが鳥塚亮さんでした。この鳥塚亮社長のリーダーシップのもといすみ鉄道は個性ある独特のローカル鉄道へと変わっていきました。今では全国からいすみ鉄道に魅かれたお客さんでいっぱいです。
お客さんだけでなく、いすみ鉄道の運転士を夢にして自費で訓練費を捻出、見事夢を実現した人もいるほどです。この事を題材にしたドラマ「菜の花ラインに乗りかえて」も注目されました。このようないすみ鉄道に再生した鳥塚亮社長はいったいどのような人物だったのでしょうかね。
今大人気のいすみ鉄道は、元々は赤字という負債を抱えており、廃止寸前だったんですね!なんだかびっくりです!しかもそこから一般公募で選ばれた今の社長さんが、一気に人気のある鉄道に変えてしまったなんて、なんだかドラマチックですよね!
ローカル線を再生した、公募社長・鳥塚亮さん
http://isumi.rail.shop-pro.jp/
いすみ鉄道を大人気のローカル鉄道へと変身させた鳥塚亮社長は東京都のご出身です。明治大学商学部を卒業。その後、国鉄就職を希望されていたようですが、当時が分割民営化で新規採用がない時代でした。学習塾職員や大韓航空、ブリティッシュ・エアウェイズを経ていすみ鉄道の2代目社長に就任されます。いすみ鉄道の社長就任後は、独創的なアイデアで再生事業に取り組まれます。その内のひとつが「訓練費用自己負担運転士」でした。これなどは通常では考えられませんね。しかし、鉄道の運転士に転身し夢を実現した人がいるんですからね。素晴らしいドラマがそこにはありますよ。
いすみ鉄道と言えばムーミン列車でしょう。大人気ですよ。これによっていすみ鉄道の存続が決まることになったのです。列車だけではないのです。地域全体をムーミンの世界に変えていますよ。その他、鉄道ファンには魅力のキハ52形やキハ28形の導入がなされます。
後にも紹介しますが、「レストランキハ」は予約殺到のグルメ列車です。この発想も独特でしょうね。国鉄志望であった鳥塚亮社長ならではのアイデアですね。
著作も手掛けられいます。『いすみ鉄道公募社長 ─危機を乗り越える夢と戦略』 講談社 2011年、『ローカル線で地域を元気にする方法 ―いすみ鉄道公募社長の昭和式ビジネス論』 晶文社 2013年。
元々東京都出身の今の社長さんが、千葉県のローカル鉄道をここまで再生してしまったなんて、なんだかドラマチックな話も本当にあるんですね!また1つ1つ社長さんが出しているアイデアが面白く、人気の秘密がわかる気がします。
「ここには“何もない”があります」
http://isumi.rail.shop-pro.jp/
2015年10月11日には、「みんなでしあわせになるまつりin夷隅」が開催されます。テーマのひとつは「昭和に会いに夷隅に行こう」です。もともと「ここには何もないがあります。」がいすみ鉄道の真骨頂です。そして「ここには昭和があります。」がテーマにもなっています。このイベントには多くの期待が寄せられているようです。いすみ鉄道の魅力はもちろんのことですが、昭和の時代を彷彿とさせる「三輪自動車」や「ボンネットバス」、駅弁の立ち売りも登場するのでしょうね。訪れてみてはいかがですか。オススメですよ。
もうキャッチフレーズ「ここには何もないがあります。」が胸を打たれるようなかっこよさがありませんか?何もないと言われると無を想像する人がほとんどだと思いますが、「何もない」というものがあるとは、なんだか魅力的ですね。
黄色い車体にムーミンのキャラクター【ムーミン列車】
http://hatakenokiroku.blogspot.jp/2014/06/blog-post_29.html
車内もムーミンたちがいっぱい
いすみ鉄道のムーミン列車は車体はイエロー。菜の花畑のイメージカラーです。描かれたムーミンのキャラクターたちが迎えてくれます。もちろん外観だけではありません。車内もムーミンの人形たちがいっぱいです。「ここには何もないがあります。」がいすみ鉄道のテーマですが、ムーミンの柔らかい雰囲気につつまれていますよ。温かみが感じられる世界がここにはあります。
最近では北欧文化が日本でも流行しており、雑貨やインテリアなど、北欧をまねする人も増えてきていますよね。そんな中ムーミンももちろん人気を取り戻してきており、ムーミン特設コーナーができるほどです。ムーミンファンなら是非乗ってみたいですよね!
スタンプラリーもできます
スタンプ台帳には、ユーカリが丘線のユーカリが丘駅、銚子電鉄の犬吠駅、いすみ鉄道の大多喜駅の硬券入場券が入るポケットがあります。そして、スタンプを押すスペースもあります。メモ帳もあります。鉄道ファンにはたまらない物となるでしょうね。完成させると特製のステッカーがゲットできます。
千葉県内のローカル線を制覇するたびもなんだか面白そうですね!1つの場所に目的を持って行く旅行ももちろん良いですが、このように「とにかくローカル線を巡って良いところを探しに行く」という旅行もたまには良いかもしれません。
鉄道ファンの憧れの的!【キハ52・キハ28】
http://blogs.yahoo.co.jp/tomorosato/31347769.html
いすみ鉄道の魅力の中に鉄道ファンに絶対的な支持を得ているものがあります。それは「キハ52・キハ28」系の車両でしょうね。その他にもキハ58系もあるとのことです。20年あまり前には全国のローカル線で見ることができましたが、今ではその姿が見られるのは全国でも限られているようですよ。そうしたキハ52・キハ28系やキハ58系の列車の姿を見たい、または乗車したいと願う人がカメラを携えて集まってきます。特に周辺の景色との調和が素晴らしいとの評価もあります。急行とありますが、速度はそれほどでもなく、春の穏やかな菜の花畑のそばを走る姿、紅葉の時期の姿も素敵なのです。
列車自体の色合いが柔らかく、自然の中に溶け込んでいる様子がとても絵になりますよね!もちろんこの列車も四季折々の景色を見ることのできる自然の中を走り抜けますから、列車の中から美しい千葉の自然を満喫することができます。
車窓から眺める風景はまるで「ムーミン谷」
http://blogs.yahoo.co.jp/thetwentieth_centuryboy/13909085.html
春は菜の花、秋は紅葉
いすみ鉄道の魅力は、沿線および周辺の穏やかな雰囲気にもあります。春は菜の花畑、秋は周辺の山々の紅葉が素晴らしいのです。秋などにはムーミン列車のイエローもやはりよく映えますね。現在のように時間に追われ、都会の喧騒の中での日常生活によって忘れてしまった世界や時間がいすみ鉄道にはあります。「何もない」いすみ鉄道には、ひょっとすると忘れてしまった何もかもが残されているような気がしますね。
たしかに観光地としては、一見パッと目に付くような施設などはないかもしれませんね。しかし自然に囲まれ、どこかのんびりとした温かい空気が漂っていること、これだけでも良いじゃないかと思える不思議な温かさがあるのです。
見逃さないで!走り去る風景の中にもムーミンたちが!
http://blog.goo.ne.jp/blackleatherrig/e/7bbd88b2f516206fb89216e9bdf4bc9e
車窓から見える景色がまた素敵なのです。錯覚するかも知れませんが、まるでムーミン谷にいるような雰囲気があります。見えてきたのは、スナフキンの池。そんなに速く走っていないのですが、しっかり見ていないと見逃すかも知れませんよ。時には運転手さんの心遣いによって、走っている列車のスピードを落としてもらえる場合もあるそうです。スナフキンの池に限らず、いすみ鉄道の沿線にはムーミンのキャラクターたちがいっぱいです。そんな世界にいると、きっと気持ちが和みますよ。
これはムーミンファンでなくても見逃せませんね!誰もが知っているムーミンたちの、あの和やかな風景が電車の車窓から見える景色の中に溶け込んでいるのです。ムーミンが溶け込むことができる風景、それがこの場所にはあるのです。
ムーミンだらけの駅【風そよぐ谷・国吉駅】
http://s707721169.seesaa.net/article/144551387.html
ムーミンショップ「VALLEY WINDS」
国吉駅が大人気です。駅ににある「VALLEY ?WINDS」は、日本で初めてのムーミンショップなのですね。「VALLEY ?WINDS」のネーミングは、「風」と「谷」。ムーミン列車が走る駅にマッチした「風そよぐ谷」という意味のようです。「VALLEY WINDS」の営業時間は10:00~16:00。ムーミングッズは豊富で連日多くの人で賑わっています。日本中の駅の中で、これほどまでにメルヘンな駅はないのでしょうね。お店が出店されて、駅名も「風そよぐ谷 国吉駅」になったのです。
日本全国を探すとムーミングッズを売っている雑貨屋さんは山ほどあります。しかしムーミンだけを専門的に扱っているお店ってありませんでしたよね。そんなムーミンファンを喜ばすお店が実はここに合ったのですね。知りませんでした。
■ 基本情報
- ・名称:VALLEY WINDS
- ・住所:千葉県いすみ市苅谷537番2
- ・アクセス:いすみ鉄道国吉駅構内
- ・営業時間:10:00~16:00
- ・定休日:無休
- ・電話番号:0470-80-5665
- ・公式サイトURL:http://www.isumirail.co.jp/valleywinds/
風そよぐひろば
http://blogs.yahoo.co.jp/fujikasai1028/54316032.html
「風そよぐ谷 国吉駅」には、もうひとつの魅力があります。それは、「風そよぐひろば」です。 駅舎から少しの所にあります。駅もムーミングッズがいっぱいですが、広場はムーミンたちに会える場所になっています。きちんと整備された広場ではありませんが、自然の温もりが伝わって来ますよ。季節によってはアジサイがさりげなく咲いていたりします。アザミの花など普段では見かけることのない花もそっと咲いています。どなたかのお世話で広場は守られているのでしょうが、心の和む優しい「ひろば」ですね。
四季によって様々な花を見ることができるのもこの場所の良いところです。晴れた日はもちろんですが、雨が降った日でも雨が降った日にしか見ることのできない幻想的とさえいえる美しい自然のぬくもりを感じることができるのです。
列車にゆられながら、ゆっくりお食事【レストランキハ】
http://opt.jtb.co.jp/kokunai_opt/p/p1033091/
■ 基本情報
- ・名称:レストランキハ
- ・住所:0470-82-2265
- ・営業時間:運転日●土・日曜(一部日程を除く)
運転区間●大多喜(11:38発)→上総中野(12:00着・12:14発)→大原(13:25着) - ランチ営業、日曜営業
- ・定休日:月曜~金曜、不定期で水曜日等のウィークディの運行があります
- ・電話番号:0470-82-2265
- ・料金:[昼]¥10,000~¥14,999
- ・公式サイトURL:http://www.isumirail.co.jp/restaurant-kiha
伊勢海老特急・イタリアンコース
いすみ鉄道のお目当てにはグルメもあります。ひとつは「レストランキハ」の「伊勢海老特急 イタリアンコース」です。イタリアンレストラン「ペッシェ アズーロ ~青い魚~」のシェフが、伊勢海老やアワビなど外房の新鮮な素材を活かして料理されている本格イタリアンランチが楽しめます。10月から秋をイメージしたメニューが登場するようですよ。人気がありますので事前にインターネット予約か電話での予約をしておいたほうが安心ですね。
伊勢海老特急・お刺身列車コース
いすみ市の旅の宿、「九十九里ヴィラそとぼう」の料理長が、地元産の新鮮な伊勢海老、アワビ、サザエを活かした料理を提供して下さいます。房総半島独特の「なめろう」などを舟盛りにしたものを楽しむことができますよ。お刺身メインのお料理(いすみ鉄道のお土産付き)になりますが、急行券付き1日フリー乗車券がセットになっています。こちらも人気がありますので、事前にインターネットでの予約か電話での予約をしておくほうが安心です。
沿線の観光スポット
http://www.panoramio.com/photo/70238919
鶏卵牧場直送の「卵かけごはん」が食べられる【ポッポの丘】
「ポッポの丘」は、ファームリゾート鶏卵牧場にあります。鶏卵牧場ですから生みたてタマゴが大人気ですね。特に卵かけごはんは絶妙の逸品と言われています。ポッポの丘「カフェTKG」でいただけますよ。TKGとは「たまごかけごはん」の「T・K・G」なのでしょうね。タマゴの販売もあります。それと、「ポッポの丘」にはもうひとつの魅力があります。それはポッポですから鉄道博物館のような雰囲気がありますよ。農産物直売所がメインなのか鉄道がメインなのか迷うほどです。いすみ鉄道や北陸鉄道などで使われてきた車両が販売所となっています。その他、銚子電鉄デハ700などもありますよ。
■ 基本情報
- ・名称:ポッポの丘(ファームリゾート鶏卵牧場)
- ・住所:千葉県いすみ市作田1298
- ・アクセス:いすみ鉄道上総中川駅から2km
- ・営業時間:午前10時から午後4時
- ・定休日:無休
- ・電話番号:0470-62-6751
- ・料金:ポッポの丘への入場は無料
- ポッポの丘 カフェTKGでは[昼]~¥999
- ・公式サイトURL:http://keiranbokujo.com/nojo_isumi.html
28柱の御祭神が祀られる【国吉神社】
「国吉神社」は、いすみ鉄道の「風そよぐ谷国吉駅」からすぐ近くにあります。この地域では親しまれる神社となっていますね。神社の歴史は古く創建されたのは今から約1500年前だとのことです。もとは信州の諏訪大社から勧請し建てられた神社です。28柱の御祭神を祀ってあります。この神社は銀杏の巨木が有名です。堂々とした大木で樹齢は300年とも400年とも言われています。収穫時には銀杏の実がたくさん採れます。子どもたちが神社の境内にある大銀杏の実を収穫する姿は良いものですが、今の時代はそんな光景も少なくなってきましたね。
■ 基本情報
- ・名称:国吉神社
- ・住所:千葉県いすみ市苅谷630番
- ・アクセス:国吉駅出口から徒歩約12分
- ・電話番号:0470-86-3774
- ・公式サイトURL:http://ttn7raz24z.wix.com/kuniyosijinja
房総の小江戸にある【大多喜城】
大多喜城は、戦国時代から江戸時代かけて築城された城と言われています。城の形式は平山城となります。もとは小田喜城(おだきじょう)と呼ばれていようですね、歴史を遡れば大永元年(1521年)、真里谷信清が「小田喜城」として築いたのが始まりだそうです。江戸時代には徳川家康の重臣であった本多忠勝が築城したものと考えられてきたようですが、発掘調査によって現在の城の地下に大規模な城の遺構が遺されていることが分かりました。その結果、信清の小田喜城を元にして、大多喜城が築かれたと考えられています。現在は県立中央博物館大多喜城分館となっています。
■ 基本情報
- ・名称:大多喜城
- ・住所:千葉県夷隅郡大多喜町大多喜481
- ・アクセス:いすみ鉄道大多喜駅を下車・徒歩約15分
- ・開館時間:午前9時から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
- ・休館日:月曜日(休日の場合は開館し、翌日が休館日となります)
年末年始、その他に臨時休館日があります。 - ・電話番号:0470-82-3007
- ・料金:一般 200円(160円) 高校・大学生 100円(80円)
- ( ) は団体割引 ※中学生以下・65歳以上 無料
- ・公式サイトURL:http://www2.chiba-muse.or.jp/?page_id=59
いすみ鉄道のお得なきっぷ
http://blogs.yahoo.co.jp/mamhannaim5/31900130.html
1日フリー乗車券
いすみ鉄道を楽しむためにお得なのが1日フリー乗車券です。1日乗り放題のお得な乗車券です。売られているのは期間限定ではなく一年中です。しかし、販売場所は限られていますので注意が必要ですね。売っている所は「デンタルサポート大多喜駅」か車内ですよ。車内と言っても「運転士」さんです。料金は大人一人1,000円です。乗車当日に限り有効で、乗り降りは自由です。いすみ鉄道を満喫するにはオススメの切符ですね。
大多喜開運切符
いすみ鉄道でお得で有り難い切符があります。それが、全駅フリーパスで、開運勝利の神将と言われている本多忠勝候をあしらった開運切符なんです。「大多喜」の字も人気です。こちらも売られている場所と方法があり、売っているのは「デンタルサポート大多喜駅」。もうひとつの方法は何故か通信販売なんです。発売期間は一年中です。有効期限は乗車当日に限り有効となります。乗り降り自由で、料金は1日フリー乗車券と同じく大人一人1,000円です。
いすみ鉄道までの交通アクセス
http://www.isumirail.co.jp/access/by_train.html
いすみ鉄道へのアクセスは、東京駅からはJR京葉線・外房線の特急「わかしお」号に乗れば約1時間15分で、いすみ鉄道の始発駅、大原駅にアクセスできます。もうひとつの方法としては、東京駅からJR内房線千葉・五井駅へ。そして小湊鉄道を使って上総中野駅にアクセスできます。いすみ鉄道についてご紹介いたしました。魅力が伝わりましたでしょうか?ムーミンファンの皆さんにとって、嬉しい情報ですよね。列車にまでキャラクターが描かれ、人形もたくさん置いてありますので写真スポットでいっぱい☆まるでテーマパークのようですね。車内でお料理をいただけるというのも良いですね。窓から景色を眺めて季節を感じながら移動することが出来ます。是非訪ねていただければと思います。最後までおつきあい頂き、ありがとうございました。