Nisa yeh
日本で最初に創建された密教霊場と称していて、平清盛に縁のある寺としても有名です。兵庫大仏がある寺で、連座を含めると18mの巨大な坐像も見応えありの能福寺を紹介します。1、能福寺とは?
能福寺(のうふくじ)は、JR兵庫駅の東、歩いて10分くらいの住宅地の中にある天台宗のお寺です。天台宗の開祖である最澄が、中国留学から帰国して神戸に上陸した際、自ら刻んだ薬師如来を安置したのがこのお寺の起源とされています。神戸を貿易港として活用した平清盛の庇護を受けたお寺として、また、平成になってから再建された兵庫大仏のあるお寺としても有名です。
2、能福寺の魅力
拝むだけでご利益のありそうな兵庫大仏が神戸の空をバックに佇む姿は圧巻!平清盛の霊廟や備前藩主滝善三郎の碑が残されていると史跡も多い寺です。今ではすっかり住宅地に囲まれていますが、ここは、長い歴史を持つ、港町神戸を代表する古刹の一つです。戦争に供出された初代兵庫大仏は、神戸の廻船問屋だった豪商の寄付でできたもの。また、この境内に墓がある平清盛は、神戸を貿易港として勢力を拡大しました。他にも、幕末に貿易港・神戸にいた外国人を傷つ国際問題となった神戸事件の責任を取り切腹した武士の墓などもあります。きわめつけは、ここのご本尊。中国から船で帰国した最澄が上陸した場所に安置した薬師如来です。まさに、神戸の歴史を見てきたお寺と言えます。
3、能福寺の見どころ・お勧めスポット
1、清盛の霊廟
熱病によりこの世を去った清盛は、福原に葬られました。実際の墓所は未だに判明していないのですが、平一門に縁のあるこの寺に霊廟として残されているのです。清盛塚と同じ十三の塔となっていますよ。同時に源平合戦の戦没者の五輪供養塔もあり、中央には大きな釣鐘を見ることもできます。
平清盛の遺骨は、当時平家の支援を受け大伽藍があった能福寺の北東に葬られたと伝えられています。しかし、その伽藍は平家滅亡後の兵火により焼失しました。その後、能福寺は1599年に今の場所に再建されましたが、神戸には平清盛の墓とされる史跡が、ここ以外にも何か所かあります。千年も前のことであり、それまでに何度も戦いや火事などがありました。今、能福寺で見れる清盛の霊廟は、神戸の長い歴史を見てきたことでしょう。
2、兵庫大仏
日本でも屈指の大仏ですが、奈良や京都と比べると神戸は寺のイメージが少ないかも知れません。豪商南条荘兵衛が明治に建立したと言われ、本堂ではなく境内に入る手前で見られます。初代の大仏は、戦時中に金属回収により供出され神戸空襲で伽藍は全焼しています。現在の兵庫大仏は、平成3年に檀家や企業の協賛で再建されたものです。
今見れる兵庫大仏は、高さが11メートル、台座も入れると高さ18メートルもあります。仏像だけなら鎌倉大仏と同じくらいの高さで、台座も入れると奈良の大仏と同じくらいの高さになります。初代の大仏は日本3大大仏の1つに数えられていましたが、今の2代目は認められていないようです。戦後、鉄筋コンクリートで作られた巨大な観音像が日本各地に建てられたことで、大きいだけでは認められない、ということでしょうか。
3、滝善三郎の慰霊碑
慶応4年、備前藩士の行列を横切ったとして外国人に切りつけた事で国際問題となり、代表者の滝善三郎が永福寺で切腹となりました。その後に慰霊碑が建てられたそうです。神戸大空襲で焼失した永福寺から能福寺に移されたようです。幕末には、異人斬りが盛んでもあり東禅寺のイギリス公使館襲撃事件やフランス士官傷害事件、生麦事件等も有名。
慶応4年は戊辰戦争が開戦して間も無いころで、警備で派遣された武士の行列を、フランス人水兵が横切ろうとしたことで事件が発生しました。最初にフランス人水兵を制止しようとしたのが、滝善三郎で、最終的に彼の切腹で解決しました。この切腹によって、当時神戸にいたイギリスやフランスなどの軍隊と明治政府軍との戦争が回避され、神戸の町が戦争に巻き込まれずに済んだそうです。この慰霊碑には、歴史に翻弄された人々の思いが詰まっているようです。
4、ジョゼフ・ヒコの英文碑
浜田彦造は、開国した日本で通訳として活躍。リンカーン大統領と会見した最初の日本人としても有名です。神戸に外国人が兵庫大仏を見にやってくる事から能福寺の縁起を英文にしたためたそうです。
この英文碑は、本堂前の入り口と本堂の間、本堂に向かって右手に建てられています。ジョゼフ・ヒコは、船が難破して漂流しているところをアメリカ船に助けられ、アメリカ国籍を得て領事館の通訳として日本に戻った人物です。日本で最初に新聞を発行した人でもあり、当時の外国の状況を日本に紹介して近代化に貢献した人でもあります。そんな人物が能福寺の住職の依頼を受け、この碑の翻訳を行いました。これは、日本初の英文碑とされています。
4、能福寺を訪れた人の声
兵庫大仏で有名な能福寺に行きました。 pic.twitter.com/FsBcgCsuFZ
— Ta-tu Hatanaka (@Ta_tuHa) 2015, 3月 1
2/4にお参りできなかったので今日能福寺へ。 清盛公の遺言は叶わなかったけど800年以上経ってもお参りの方が多いし、今は安らかであってほしいです。 pic.twitter.com/jTdbbmQLlG
— 魑魅魍魎-あゆみ- (@usagiwasabi) 2015, 2月 8
能福寺は、兵庫大仏以外にも多くの貴重な文化財があるお寺ですが、観光地と呼べるような場所ではありません。駐車場は無いし、平成になってから建てられた大仏だけでは、歴史に興味の無い人にとってはインパクトが弱いと思われます。しかし、歴史に興味のある方にとっては、近くに清盛塚などの平家にゆかりのある遺跡や寺社仏閣も多いことから、散策コースに入れるには面白いかもしれません。
5、能福寺の詳細
最寄りの兵庫駅から能福寺に行くには、兵庫駅の南口からまっすぐ行き、高速のガード下の道路を左に曲がり、その先のセブンイレブンがある交差点を右に曲がります。すぐに信号があるので、左に曲がってください。そのしばらく先のファミリーマートがある交差点まで行ったら、そこで左に曲がります。曲がったら兵庫大仏が見えるはずです。兵庫大仏はかなり大きいのですが、建物に遮られて近くに行かないと見えません。
基本情報
- ・名称:能福寺
- ・住所:兵庫県神戸市兵庫区北逆瀬川町1-39
- ・アクセス:JR神戸線「兵庫」駅より徒歩約10分/市バス「中央市場前」より徒歩約5分
- ・拝観時間:9:00~17:00
- ・定休日:無し
- ・電話番号:078-652-1715
- ・料金:無料
- ・所要時間:
- ・オススメの時期:
- ・公式サイトURL:http://www.shin-saigoku.jp/temple/27_noufukuji_01.html