東京都文京区、観光エリアとしても人気の千駄木に「旧安田楠雄邸庭園」という名所があるのをご存知でしょうか?戦前の立派な邸宅の様子を今日に伝えている、貴重な文化財です。
実業家・藤田好三郎氏によって大正8年(1919年)に建てられた、近代和風の邸宅です。藤田好三郎は「豊島園遊園地」の創設者です。その後は安田財閥の創始者・安田善次郎の孫にあたる安田楠雄氏の住居として使用されていました。大正ロマンに満ちあふれた見事な邸宅は、東京都の名勝指定文化財になっています。
5月にはこどもの日に合わせて五月人形が展示されます。この人形は「3代目永徳斎」作のもので、なんと文化財に匹敵するほど貴重なものなのだそうです。他に季節によって紅葉、しだれ桜、柏などの彩が綺麗で、四季を大切にする日本人らしい空間となっています。また、客間の畳の下には防空壕が隠されているのだとか。この邸宅が戦前から残ってきたことを伝える貴重な遺構です。
いかがでしたか?「谷根千」と呼ばれ谷中・根津とともに人気の千駄木には、こんな見どころもあったのですね。ぜひ、足を運んでみてくださいね!
旧安田楠雄邸庭園とは?
旧安田楠雄邸庭園の魅力
千駄木を代表する大邸宅とも言える建物には、書院造や数寄屋造などの日本の伝統が取り入れられている一方で、内部に洋風の応接間を設けるなど”和洋折衷”の造りとなっています。歴史的にも文化的にも貴重なこの邸宅は、現在は遺族から公益財団法人日本ナショナルトラストに寄贈されて大切に修復・管理されています。見どころ・周辺情報など
庭園が美しい!
藤田氏による趣向が凝らされた建物や庭園が美しいことで有名です。後にこの家を譲り受けた安田家の人々もその素晴らしさに魅了されてあまり手を加えずに守ってきたことや、関東大震災・第2次世界大戦の被災を免れたこともあり、大正時代の意匠がそのまま今に残されています。文化財クラスの「五月人形」
千駄木のお屋敷町
下町情緒を残すエリアとして人気の千駄木は、かつてから多くの文豪や歴史上に名を残す人物たちが居を構えた場所でした。かつて坂上に徳川家康に仕えた武家の屋敷があったことからお屋敷町が形成され、東京大学が近く、川端康成、北原白秋、高村光太郎、夏目漱石、森鴎外などが住み、第68・69代内閣総理大臣大平正芳の邸宅も現・千駄木2丁目にあったそうです。また、脚気とビタミン不足との関係を発見した東大医学部教授・島薗順次郎の長男、島薗順雄氏が結婚を機に昭和7年に建てた洋風の家も残ります。ぜひ併せて散策されてみてください。基本情報・地図
■ 基本情報
- ・名称: 旧安田楠雄邸庭園
- ・住所: 文京区千駄木5-20-18
- ・アクセス:◆電車で…東京メトロ千代田線「千駄木」駅より徒歩約6分、またはJR山手線」西日暮里」駅より徒歩約15分◆バスで…文京区コミュニティバス「ビーグル」千駄木の「郷」駅下車すぐ
- ・営業時間: 10:30~16:00(入館は15:00まで)
- ・営業日:毎週水曜日・土曜日(節句行事等の際は一定期間連続公開あり)
- ・定休日: 月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・日曜日(夏季・冬季休館あり)
- ・電話番号:公益財団法人日本ナショナルトラスト… 03-6380-8511
- ・料金: 一般500円、中高生200円、小学生以下無料(保護者同伴)※特別展開催時は、料金が異なる場合あり
- ・備考:30分程度のガイドツアーを実施
- ・公式サイトURL:http://www.national-trust.or.jp/properties/y-tei/y-tei.html
いかがでしたか?「谷根千」と呼ばれ谷中・根津とともに人気の千駄木には、こんな見どころもあったのですね。ぜひ、足を運んでみてくださいね!