世界には、国や地域ごとに祭事や行事に食べる特別な料理があります。どんなものが食べられているのかを日付とともにご紹介! 日本に「年越しそば」や「おせち」があるように、各国にも年越しに食べたり、新年を祝う特徴的な料理がある。
豚の肉と皮のミンチを豚の足に詰めたもので、豚足そのままの見た目も特徴的。お金の形に似ていることから、金運上昇を意味するレンズ豆と一緒に煮こんで食べられることが多い。腸詰めの「コテキーノ」も同じく大晦日の料理。
オランダの人々の大晦日の定番といえば、丸い形の揚げドーナツ「オリボルン」をつまみながらの年越し。手作りする家庭も多いが、街には屋台なども出る。体が温まるホットワインと一緒に味わい、新年を祝うのが恒例。
ロシア風水餃子を家族で作って食べるのが正月や旧正月の習慣。好みでサワークリームやバターをつけて食べる。一般的な具材は肉だが、地方によってさまざまだ。お祝いには欠かせないスパークリングワインと一緒に楽しむ。
「ツァガンサル」と呼ばれるモンゴルの旧正月と大晦日は、家族が集いごちそうを囲む。このために大量の「ボーズ」を家族総出で作る。小麦粉の皮で肉を包んだ小籠包のようなもので、幸せを包み込むという縁起を担いでいる。
中国北方では大晦日に家族で餃子を作り、旧正月の始まりを祝う。中国の昔の貨幣「元宝」のような餃子の形から、富をもたらすとされる。あん、なつめ、落花生、栗、硬貨などを入れ、おみくじのようにそれぞれに意味をもたせることも。
キリストが十字架にかけられ た「グッド・フライデイ」の朝に食べる、十字模様の入った甘めのレーズンパン。この日に焼かれた「ホット・クロス・バンズ」は、特別な魔除けの力があり幸福をもたらすとされている。
正式名称は「コロンバ・パスクアーレ」といい、「コロンバ」は鳩、「パスクア」は復活祭を意味する。復活祭のシンボルである鳩の形が特徴。生地にはオレンジピールが練り込まれ、砂糖とアーモンドが振りかけられている。
ライ麦、モルト、砂糖などを練り上げて発酵させたあとオーブンで焼き、さらにそれを冷やした伝統菓子。ほろ苦く酸味があり、そのままでもいいが、砂糖や生クリーム、バニラクリーム、牛乳などをかけて食べる人が多い。
ユダヤ教徒によって伝えられたといわれる「バブカ」。その形がおばあさんのはくスカート(バブカ)に似ていることからこの名前になったとか。普通のケーキより多く卵を使い、表面が砂糖でコーティングされている甘いパン。
ギリシアの伝統的な復活祭のシンボルである赤に染めたゆで卵が、甘めの編み込みパンに殻ごと埋め込まれたもの。赤卵は「キリストの血」を象徴しているという説もあり、魔除けなどの意味があるともいわれる。
レーズンなど、洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツが生地に練りこまれ、表面にたっぷり砂糖がまぶされた伝統菓子。クリスマスを待つアドベントの期間に、薄く切って少しずつ味わうのが正統派の楽しみ方といわれる。
スペインのアンダルシア地方の祝い菓子。アーモンドなどが入り口に入れるとホロホロとくずれるような、軽い食感が特徴。口に入れて溶けてしまう前に「ポルヴォロン」と3 回唱えることができると幸せが訪れるといわれている。
「王様のケーキ」という名前で、クリスマスから王様の日(1/6)に食べられる。リング状のケーキの上に砂糖漬けのナッツやフルーツがのり、見た目も華やか。中に乾燥そら豆が入っており、当たると翌年の「ボーロ・レイ」を準備する係に。
ドライフルーツとリンゴにシナモンなどたっぷりのスパイスを利かせた「ミンス・ミート」を詰めた、甘酸っぱいパイ。クリスマスから公現祭(1/6)にかけて 1 日 1 個食べると、新しい年に幸運が訪れるといわれている。
クリスマス・イブのデザートは、ケーキではなくミルク粥。米、クリーム、刻んだアーモンドなどで作り、温かいチェリーソースをかけて食べる。中には1粒だけ丸ごとアーモンドが入っており、当たるとプレゼントをもらえる。
ジンジャークッキーと並び、フィンランドのクリスマスに欠かせないスイーツ。ツリーの頂上に飾る星に見立てた風車のような形で、真ん中にプラムジャムをのせてオーブンで焼き、仕上げに粉砂糖を雪のように振りかけたパイ。
家族や友人とバーベキューを楽しむのが、アメリカの独立記念日の過ごし方の定番。紙皿やコップはもちろん、スイーツまで星条旗柄やカラーで作り、その日は国じゅうが赤×白×青であふれている。
インドのお祝いに欠かせないのが甘いお菓子「ミータイ」。そのひとつが、うずまき型が特徴的な「ジャレビ」だ。小麦粉の生地を揚げてシロップに漬けているので、とても甘いがクセになる。
ターメリックとココナッツミルクで炊いたご飯「ナシ・クニン」。独立記念日、誕生日をはじめ、お祝いのときにはご飯を円錐形に盛り、周りをおかずで囲む「トゥンペン」という盛り付けをする。
ソースの白、ザクロの赤、葉の緑が国旗の色を示している祝宴料理。「ポブラノ」という大きな唐辛子に挽肉やナッツ類などを詰め、クリームとソースをかけザクロやパセリをトッピングしている。
公現祭に食べる伝統菓子で、アーモンドクリームが入ったパイが一般的(南フランスではブリオッシュ)。中に「フェーヴ」と呼ばれる小さな陶器を隠し、「フェーヴ」が入ったピースを食べた人が王冠をかぶり祝福される。
親族や友人が集まる感謝祭を祝う代表的な料理は、七面鳥の丸焼きで、クランベリーソースをかけて食べる。中に詰めるスタッフィングは地方や家庭によってさまざま。デザートには、「パンプキン・パイ」が定番だ。
現在ではクリスマス後から復活祭前まで店頭に並ぶ「セムラ」。少しスパイシーなカルダモン風味のパンに、アーモンドペーストと生クリームを挟んだ伝統菓子だ。もとは復活祭前の食事節制に備えて食べるごちそうだった。
四旬節の食事節制の始まる前日に、バターや卵など家に残っている材料を使ってパンケーキを焼いたことに由来し、クレープのように薄いパンケーキが典型的。当日は、各地で「パンケーキレース」が開催される。
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※日付は2016年のもの。年によって変わります
(c)iStock
大晦日&新年
【12/31】イタリア ザンポーネ(Zampone)
豚の肉と皮のミンチを豚の足に詰めたもので、豚足そのままの見た目も特徴的。お金の形に似ていることから、金運上昇を意味するレンズ豆と一緒に煮こんで食べられることが多い。腸詰めの「コテキーノ」も同じく大晦日の料理。
【12/31】オランダ オリボルン(Oliebollen)
オランダの人々の大晦日の定番といえば、丸い形の揚げドーナツ「オリボルン」をつまみながらの年越し。手作りする家庭も多いが、街には屋台なども出る。体が温まるホットワインと一緒に味わい、新年を祝うのが恒例。
【1/1~旧正月】ロシア ペリメニ(Пельмени)
ロシア風水餃子を家族で作って食べるのが正月や旧正月の習慣。好みでサワークリームやバターをつけて食べる。一般的な具材は肉だが、地方によってさまざまだ。お祝いには欠かせないスパークリングワインと一緒に楽しむ。
【1/1】ドイツ ノイヤールスブレーツェル(Neujahrsbrezel)
縦 20cm、横 30cm ほどある大きなパン。三つ編みを作ってからブレーツェルの形に成形する。「新年のブレーツェル」という意味で、年が明けると食べる。一般的な岩塩のかかったブレーツェルとは異なり、バターやミルクが入り、ほんのりと甘くリッチな味わい。【1/1】ギリシア ヴァシロピタ(Βασιλóιτα)
元日に食べる、粉砂糖やチョコレートなどでデコレーションしたパウンドケーキ。切り分けた最初のピースは神に捧げ、家族のなかでは年長者から順に分けられる。焼くときに入れるコインが入ったピースを食べた人は、その一年幸運に恵まれるとされる。旧正月
アジアには、新暦よりも旧暦を盛大に祝う国が多くある。日本の「おせち」のように縁起を担いだ意味のある料理が多いのも特徴。【2/9*】モンゴル ボーズ(Бууз)
「ツァガンサル」と呼ばれるモンゴルの旧正月と大晦日は、家族が集いごちそうを囲む。このために大量の「ボーズ」を家族総出で作る。小麦粉の皮で肉を包んだ小籠包のようなもので、幸せを包み込むという縁起を担いでいる。
【2/8*】中国 元宝餃子(ユアンバオジィアオズ)
中国北方では大晦日に家族で餃子を作り、旧正月の始まりを祝う。中国の昔の貨幣「元宝」のような餃子の形から、富をもたらすとされる。あん、なつめ、落花生、栗、硬貨などを入れ、おみくじのようにそれぞれに意味をもたせることも。
【2/7*】韓国 トックク(떡국)
旧正月「ソルラル」の朝に食べるのは、韓国版のお雑煮「トックク」。牛肉や鶏肉で出汁をとったスープに、長寿を表す長い餅「カトレク」を小判型に切ってたっぷりと入れる。これを食べるとひとつ年を取るといわれる。【2/7*】台湾 長年菜(ツァンニェンツァイ)
家族や親戚が集まり、「年夜飯」や「年菜」と呼ばれる夕食を取るのが一般的な台湾の大晦日。縁起を担ぐ料理が多く、そのひとつが「長年菜」。健康長寿を願い、ゆでたホウレンソウを切らずにそのまま食べるという。復活祭
イエス・キリストの復活を記念する「復活祭」には、シンボルとなっている卵の料理のほかに、各国さまざまな料理がある。【3/25*】イギリス ホット・クロス・バンズ(Hot cross buns)
キリストが十字架にかけられ た「グッド・フライデイ」の朝に食べる、十字模様の入った甘めのレーズンパン。この日に焼かれた「ホット・クロス・バンズ」は、特別な魔除けの力があり幸福をもたらすとされている。
【3/27*】イタリア コロンバ(Colomba)
正式名称は「コロンバ・パスクアーレ」といい、「コロンバ」は鳩、「パスクア」は復活祭を意味する。復活祭のシンボルである鳩の形が特徴。生地にはオレンジピールが練り込まれ、砂糖とアーモンドが振りかけられている。
【3/27*】フィンランド マンミ(Mämmi)
ライ麦、モルト、砂糖などを練り上げて発酵させたあとオーブンで焼き、さらにそれを冷やした伝統菓子。ほろ苦く酸味があり、そのままでもいいが、砂糖や生クリーム、バニラクリーム、牛乳などをかけて食べる人が多い。
【3/27*】ポーランド バブカ(Babka)
ユダヤ教徒によって伝えられたといわれる「バブカ」。その形がおばあさんのはくスカート(バブカ)に似ていることからこの名前になったとか。普通のケーキより多く卵を使い、表面が砂糖でコーティングされている甘いパン。
【3/27*】ギリシア ツレーキ(Τσουπɛκι)
ギリシアの伝統的な復活祭のシンボルである赤に染めたゆで卵が、甘めの編み込みパンに殻ごと埋め込まれたもの。赤卵は「キリストの血」を象徴しているという説もあり、魔除けなどの意味があるともいわれる。
クリスマス
イエス・キリストの降誕を祝うクリスマス。欧米では、家族が集まって食卓を囲むのが一般的。【11/27*~12/24】ドイツ シュトレン(Stollen)
レーズンなど、洋酒に漬け込んだドライフルーツやナッツが生地に練りこまれ、表面にたっぷり砂糖がまぶされた伝統菓子。クリスマスを待つアドベントの期間に、薄く切って少しずつ味わうのが正統派の楽しみ方といわれる。
【12/24~1/6】スペイン ポルヴォロン(Polvorón)
スペインのアンダルシア地方の祝い菓子。アーモンドなどが入り口に入れるとホロホロとくずれるような、軽い食感が特徴。口に入れて溶けてしまう前に「ポルヴォロン」と3 回唱えることができると幸せが訪れるといわれている。
【12/25~1/6】ポルトガル ボーロ・レイ(Bolo rei)
「王様のケーキ」という名前で、クリスマスから王様の日(1/6)に食べられる。リング状のケーキの上に砂糖漬けのナッツやフルーツがのり、見た目も華やか。中に乾燥そら豆が入っており、当たると翌年の「ボーロ・レイ」を準備する係に。
【12/25~1/5】イギリス ミンス・パイ(Mince pie)
ドライフルーツとリンゴにシナモンなどたっぷりのスパイスを利かせた「ミンス・ミート」を詰めた、甘酸っぱいパイ。クリスマスから公現祭(1/6)にかけて 1 日 1 個食べると、新しい年に幸運が訪れるといわれている。
【12/24】デンマーク リスアラマン(Risalamande)
クリスマス・イブのデザートは、ケーキではなくミルク粥。米、クリーム、刻んだアーモンドなどで作り、温かいチェリーソースをかけて食べる。中には1粒だけ丸ごとアーモンドが入っており、当たるとプレゼントをもらえる。
【12/24~12/25】フィンランド ヨウルトルットゥ(Joulutoruttu)
ジンジャークッキーと並び、フィンランドのクリスマスに欠かせないスイーツ。ツリーの頂上に飾る星に見立てた風車のような形で、真ん中にプラムジャムをのせてオーブンで焼き、仕上げに粉砂糖を雪のように振りかけたパイ。
独立記念日
国を挙げてお祝いをする独立記念日は、その国らしさが料理にも表れている。国旗を意識しているのも独立記念日ならでは。【7/4】アメリカ合衆国 バーベキュー(Barbecue)
家族や友人とバーベキューを楽しむのが、アメリカの独立記念日の過ごし方の定番。紙皿やコップはもちろん、スイーツまで星条旗柄やカラーで作り、その日は国じゅうが赤×白×青であふれている。
【8/15】インド ジャレビ(जलेबी)
インドのお祝いに欠かせないのが甘いお菓子「ミータイ」。そのひとつが、うずまき型が特徴的な「ジャレビ」だ。小麦粉の生地を揚げてシロップに漬けているので、とても甘いがクセになる。
【8/17】インドネシア ナシ・クニン(Nasi kuning)
ターメリックとココナッツミルクで炊いたご飯「ナシ・クニン」。独立記念日、誕生日をはじめ、お祝いのときにはご飯を円錐形に盛り、周りをおかずで囲む「トゥンペン」という盛り付けをする。
【9/16】メキシコ チレス・エン・ノガダ(Chiles en nogada)
ソースの白、ザクロの赤、葉の緑が国旗の色を示している祝宴料理。「ポブラノ」という大きな唐辛子に挽肉やナッツ類などを詰め、クリームとソースをかけザクロやパセリをトッピングしている。
そのほか
各国のユニークな行事や特別な料理がこちら。日本でマネしてお祝いをしてみるのも楽しい。【1/6 公現祭】フランス ガレット・デ・ロワ(Galette des rois)
公現祭に食べる伝統菓子で、アーモンドクリームが入ったパイが一般的(南フランスではブリオッシュ)。中に「フェーヴ」と呼ばれる小さな陶器を隠し、「フェーヴ」が入ったピースを食べた人が王冠をかぶり祝福される。
【11/24* 感謝祭】アメリカ合衆国 ロースト・ターキー(Roast turkey)
親族や友人が集まる感謝祭を祝う代表的な料理は、七面鳥の丸焼きで、クランベリーソースをかけて食べる。中に詰めるスタッフィングは地方や家庭によってさまざま。デザートには、「パンプキン・パイ」が定番だ。
【12/12* ムハンマド生誕祭】チュニジア アッシダト・ズグーグー(الزقوقو عصيد ة)
ムハンマドの生誕を祝って食べるプディングのようなデザート。ペースト状の松の実にクリームをのせ、ナッツやバラ水をかける。各家庭で味が違うので交換し、食べ比べて楽しむことも。【2/9* セムラの日】スウェーデン セムラ(Semla)
現在ではクリスマス後から復活祭前まで店頭に並ぶ「セムラ」。少しスパイシーなカルダモン風味のパンに、アーモンドペーストと生クリームを挟んだ伝統菓子だ。もとは復活祭前の食事節制に備えて食べるごちそうだった。
【2/9* パンケーキの日】イギリス パンケーキ(Pancake)
四旬節の食事節制の始まる前日に、バターや卵など家に残っている材料を使ってパンケーキを焼いたことに由来し、クレープのように薄いパンケーキが典型的。当日は、各地で「パンケーキレース」が開催される。
【12/21* 冬至】韓国 トンジ・パッチュク(동지팥죽)
冬至には、もち米で丸く作った団子「セアルシム」を入れた小豆粥を食べる習慣がある。小豆は悪鬼を追い払い、「セアルシム」は新しい生命を象徴しており、厄除け料理として知られる。地球の歩き方MOOK
クックパッド&地球の歩き方 世界のおいしいおかずについて
「クックパッド」に掲載されている料理のなかから「地球の歩き方」が各国の取材で見つけた“おいしいおかず”をセレクト。自宅のキッチンで気軽に作れる、とっておきレシピが満載の1冊ができました!さらに料理に関するうんちくやテクニックなど、思わず人に言いたくなる海外の食ネタもたっぷり詰まっています。
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