妙心寺塔頭のひとつ「退蔵院」は、狩野元信作の枯山水庭園(元信の庭)や、中金金作の池泉回遊式山水庭園の余香苑、陰・陽二つの対照的な庭など多彩な庭を鑑賞することができます。庭だけでなく、国宝の如拙(じょせつ)作の日本最古の水墨画瓢鮎図(ひょうねんず:実物は京都国立博物館に所蔵)があります。訪れる者に室町時代の雅を堪能させてくれます。
室町時代に波多野出雲守重通(藤原氏の流れをくむ家柄)が妙心寺第3世無因宗因禅師への帰依によって改ざんされたとされています。応仁の乱で妙心寺とともに焼失しましたが、1597年に亀年禅師によって再建され現在に至っています。「退蔵」とは「価値あるものをしまっておく」という意味があり、善行を内に秘めて積み重ねつつ布教するということを示しているそうです。
もう一つの庭は、中央奥の大きな滝石組からの流れに続く池庭で、護岸の石を低めに、刈り込みと相まって軽快な雰囲気を醸し出しています。これは、昭和の名工と言われた中根金作の作によります。正面から眺めると奥行きが生まれ、広く見えるように考えられた配置、季節ごとの色合いなど、見る者の心を癒してくれます。
退蔵院は実に多彩な庭で飾られています。一箇所でこれだけの庭を見ることができる所は珍しいのではないでしょうか。新旧それぞれに作者の思いが伝わってきます。
1.「退蔵院」とは?
2. 庭園の美
退蔵院は様々の庭園が配置され、作者の思いや仏の教えを訴えています。「陽の庭」と「隠の庭」の二つの枯山水の庭も見所です。敷砂と色を変化させて、物事や人の心の二面性を伝えてると言います。さらに、狩野元信作の「元信の庭」は、自らの絵を立体的に表現したと言われ、昭和の造園家中根金作による「余香苑」は厳しさの中に優雅さを備えた昭和の名園とされています。<<文章は3行以上いれてください。4行以上になる場合は、2〜3行毎に改行をわすれずに>>3.見どころ・お勧めポイント
絵師による作庭 元信の庭
室町時代の絵師、狩野元信は狩野派2代目として、永徳の金碧画と呼ばれる「金箔の大画面」を引き継いだ人物で、「四季花鳥図屏風」が有名です。その元信が絵画的な趣を備えつつ、自らの絵画を立体的に表現しなおしたのがこの庭だとされています。実は「元信」最後の作品がこの造園だったのです。屋内から縁側を通して見る庭は、一幅の絵画を思わせます。昭和の名園 余香苑(よこうえん)
妙心寺
退蔵院の後は、ぜひ妙心寺も訪れてください。臨済宗妙心寺はの大本山として、開山「無相大師」の最後の教え「請う、其の本を努めよ」と開基花園法皇の「報恩謝徳」を実践しているのです。拝観はできませんが、織田信長の墓所もあります。4.口コミ
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— ryo-kan (@hurutaoribe) 2015, 8月 13
退蔵院 pic.twitter.com/WFAlcN7uBs
— アントニオ (@gabchant) 2015, 8月 6
5.詳細
■ 基本情報
- ・名称: 退蔵院
- ・住所: 京都市右京区花園妙心寺町35
- ・アクセス: JR山陰線「花園駅」から徒歩約8分
- ・営業時間: 9:00~17:00
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 075-463-2855
- ・料金: 一般500円、小・中学生300円
- ・オススメの時期:桜と紅葉の時期
- ・公式サイトURL: http://www.taizoin.com/
退蔵院は実に多彩な庭で飾られています。一箇所でこれだけの庭を見ることができる所は珍しいのではないでしょうか。新旧それぞれに作者の思いが伝わってきます。