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亜寒帯なのに旅人を引き付けて止まないパタゴニア
パタゴニアという国はありません。南アメリカの南緯40度より南のエリアをまとめて「パタゴニア」と呼びます。国でいえばアルゼンチンとチリにまたがっており、30か所の国立公園があります。険しい山岳地帯から半砂漠まで、さまざまな気候が貴重な動植物を育てています。
パタゴニアは「1日の間に四季がある」といわれます。それほど1日の気温差が激しい土地なのです。夏でも平均気温は10℃程度ですから、日本からは冬の服装も用意して行くのをおすすめします。
旅慣れた人々でさえ誘われる「この目で見たい景色」
パタゴニアの自然は雄大です。どんな人でも一度は自分の目で見たいと思うはず。ロス・グラシアレス国立公園
ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチンのサンタクルス州にある国立公園です。ここには47もの氷河群があり、規模でいえば南極、グリーンランドに次ぐ世界第3位。パタゴニアで一番人気がある観光スポットで、世界遺産にも指定されています。
ペオエ湖
トーレス・デル・パイネ国立公園の中にあるペオエ湖。パイネ国立公園のほぼ中心にあり、エメラルドグリーンが美しい氷河湖です。広さは約22㎢。パイネグランデなどの壮大な山々をバックにしてたたずむ姿は息をのむ美しさです。
フィッツ・ロイ山
アルゼンチン・チリ国境にそびえる鋭い山です。どこかで見覚えありませんか?アウトドアブランド「パタゴニア」ロゴのモチーフとなっている山なんです!トレッキングコースとして非常に人気が高く、3405mの高さがそれぞれの風景を見せてくれます。
パタゴニアで体験できる「地上すべての景色」
パタゴニアにはチリ側に氷河があり、アルゼンチン側には半砂漠が広がっています。地上におけるすべての景色が見えるといっても過言ではありません。このバリエーションの広さがパタゴニアの魅力なのです。氷河 ペリト モレノ氷河
さきほどのロス・グラシアレス国立公園内にあるペリト モレノ氷河です。そもそも「ロス・グラシアレス」とは「氷河」を意味します。ペリト モレノ氷河の魅力は巨大さ。湖に接する氷河の先端部は幅が約5キロ、水面からの高さは平均で約74メートルにおよびます。
氷河の美しさを堪能できると同時に、手軽に氷河トレッキングを楽しめることから、世界中の観光客がやってきます。
半砂漠 サンタ・クルス州周辺
http://takayukiohno.blogspot.jp/2013/09/blog-post_30.html
パタゴニアのアルゼンチン側は、1年中低温で風が強い。そこから半砂漠状態の土地が広がります。風の強さは、最大風速が60m/sを超えることもあると聞けば納得。40m/sを超える風とは、人間が吹っ飛ぶ早さです。偏西風がアンデス山脈で遮られるので乾燥が激しいのです。草原~森 トーレス・デル・パイネ国立公園
「パイネの塔」と言う意味の国立公園で、「塔」とは3本の塔のような岩山から名づけられています。チリ南部にあり、北側はアルゼンチン側のロス・グラシアレス国立公園と接しています。公園内を西に進むと乾燥した草原から、緑濃い森林へ風景が変わっていくのもパタゴニアならではでしょう。
景観が守られているのは「秘境」だから
パタゴニアには、20世紀の初めから移民が多く入っていました。しかし強風と低温などから、農作物の生育が悪く、秘境とまで呼ばれていました。そのため、現在に至るまであまり人の手が入っておらず、景観が守られてきました。
しかし、最近では開発の兆しもありアウトドアウェアの「パタゴニア社」では、創業者のシュイナード氏がパタゴニアの広大な土地を買収して自然を守る活動を始めました。設立したNGOは11億円かけてパタゴニアの自然の維持を呼び掛けています。
動画で見ると、その美しさはより際立つ
荒々しい自然の中で軽々と走っていく野生動物。パタゴニアにはこんな風景が当たり前のものとして存在しています。生き物に優しい土地ではありませんが、圧倒的な美しさがあります。
トーレス・デル・パイネ国立公園の鮮やかな風景です。公園内には複数のトレッキングコースが作られていて、日帰りコースから10日もかけて公園内を回る本格的なコースまであります。どこにいっても、目を見張る光景が待っているのです。
初心者にはツアーもあるんだって
パタゴニアは非常に広い範囲にあります。世界有数の観光エリアなので飛行機やバスなどの便が比較的たくさんありますが、なにしろ遠い。観光スポットへの拠点になる町も点在しています。そこでおすすめなのがパッケージツアーに参加すること。ツアーだからこそ、効率よく回ることができます。
旅慣れない初心者なら、絶対にツアー参加がおすすめです!
そう、いつか、行きたい。
いつか、いつかパタゴニアに行きたい。しかしパタゴニアは秘境だけあって、観光するのは簡単ではありません。20時間以上かけてアルゼンチンやチリへ行き、そこから各拠点の町へ行きます。そう、パタゴニアに行くにはお金も時間もかかるのです。
それでもいつか、この風景の中に立ってみたいと思いますね。
■ 基本情報
- ・名称: パタゴニア Patagonia
- ・エリア: アルゼンチンのネウケン、リオネグロ、チュブ、サンタクルス、ティエラ・デル・フエゴ各州とチリのアイセン、マガジャーネス・イ・デ・ラ・アンタルティカ・チレーナ各州
- ・アクセス例 パイネ国立公園まで: チリ サンティアゴからプンタ・アレナス空港へ飛行機で約5時間→バスでプエルト・ナタレスへ3時間→パイネ国立公園までバスで3時間
- ・オススメの時期: 12月から3月 南半球なので夏です
パタゴニアの魅力は、荒々しい自然。そのなかで生きている動物や植物です。普段の生活とはまったく違う風景を見に行くことが旅の醍醐味なら、やはりパタゴニアは最後の秘境ということですね。