岡倉天心(明治時代)は美術に関する思想家で、後に日本美術院を設立しています。
そんな美術に精通した彼が作った建物とはどのような魅力を秘めているのでしょうか。
1.「六角堂」とは?
天心が六角堂を建てたのは1905(明治38)年のことでしたが、残念なことに先の東日本大震災の津波の被害により、土台部分を残して消失してしまいました。しかし、翌2012年に再建され、現在の六角堂となっています。
2. どんな魅力が?
六角堂がある天心の旧邸内には、居宅や、現在は受付として使われている長屋門が保存されており、庭園を散策しながら海の方へ下ってゆくと六角堂にたどり着きます。また、長屋門を入るとすぐに、天心記念館があり、彼に関する資料が展示されています。
ところで、天心は六角堂を観瀾(かんらん)亭呼んでいました。瀾とは波のことだそうで、その名の通り、五浦海岸の波のしぶきが飛んでくるような風光明媚な場所に六角堂は建っています。
3.ところで、岡倉天心ってどんな人??
ここまででたくさん出て来た岡倉天心。歴史の教科書などにも登場しますし、なんとなく、美術や思想に関わりが深い人、だということは知っていても、その内容や歴史といった詳細については、あまり知らない方も多いのでは?
そこで!ここでは、岡倉天心んいついてちょっと詳しくご紹介いたします!せっかく天心ゆかりの六角堂に訪れるなら、岡倉天心について少し詳しくなって、六角堂観光を120%満喫しちゃいましょう♪
生まれは横浜
岡倉天心が居住したとされる六角堂は茨城にありますが、天心の生まれは実は横浜。福井藩出身の武家の家に生まれ、場所は現在の横浜開港記念会館付近にあたります。1871年に家族で東京に移転し、その後、今の東京藝術大学の前身の一つである東京美術学校の設立に大きく貢献しました。
当時、近代日本における美術史学研究の開拓者として活躍し、国内外を問わず、美術を介して多岐に亘る啓蒙活動を行い、明治以降における日本美術概念の成立に寄与しました。日本の美術界にはなくてはならなかった人物ですね!
27歳にして、東京美術学校第2代校長に就任!
若くして、美術雑誌『国華』創刊したり、帝国博物館理事に任命されたりと、日本美術界にてメキメキ頭角を現していった岡倉天心。1890年(明治23年)には、27歳の若さにして東京美術学校第2代校長に就任します!(肩書としての「初代校長」も天心)
当時はまた状況が色々と異なったとはいえ、現在ある芸術系大学のトップ、東京芸術大学の前身学校と考えるとすごいことですよね!また、近代日本美術の巨匠・横山大観、菱田春草らを育てたことでも知られています。
さまざまな逸話
岡倉天心は、日本の近代美術に多くの功績を遺しただけでなく、当時文部官僚だった九鬼隆一との蜜月の様子や早稲田大学の創始者であり、内閣総理大臣も務めた大隈重信と関わりがあった、など日本全体の歴史から見ても、注目すべき人物であったようです。
1903年(明治36年)、アメリカ・ボストン美術館からの招聘を受け、渡米した際にも、若いアメリカ人から投げかけられた冷やかし半分の言葉にも流暢な英語で言い返したという逸話が残っているほど、当時は数少ない、海外に通じる日本人の一人だったのかもしれませんね。
4.見どころ・お勧めポイント
六角堂の美しさ
六角堂は非常に小さな建物ですが、きれいな六角形に形どられていて、うっとりさせられます。天心は六角堂を作る際にに次の三つの要素を取り入れたといわれています。
① 杜甫(とほ)の草堂である六角亭子の作り
② 仏堂の要素である朱塗りの外壁と屋根の宝珠
③ 炉と床の間を設けた茶室の要素
小さな六角堂には、色々な思想が隠されています。
五浦海岸の絶景
六角堂が建っている場所は、五浦海岸に突き出した岩の上です。海岸に建っている、というよりも海の上に立っているといった方が適しているかもしれません。太平洋の白い波が砕ける姿は圧巻です。また、周りは岸壁がそびえ立ち、後ろを振り向けば緑の松林、明治の偉人 岡倉天心の遺跡や業績に触れるとともに、見るものに感銘を与える絶景に触れることができます。この辺りは、その姿から「関東の松島」と呼ばれているそうです。
映画「天心」のロケセット
岡倉天心生誕150周年で作られた、竹中直人主演の映画「天心」のロケセットが建てられた場所で、五浦岬公園内に位置します。現在金〜月曜日に一般公開されており、無料で見学することが出来ます。駐車場もあり。
セット内に立ちはいることは出来ませんが、当時の様子が忠実に再現されたセットはこの地で過ごした天心や大観、春草らに想いを巡らせるのにおすすめです。
岡倉天心記念美術館
こちらの美術館の中の岡倉天心記念室では、天心ゆかりの品々やと共に彼の生い立ちや業績などを紹介しています。説明の記事や資料のみでなく、復元された天心の書斎、彼が使用していた身の回りの日用品なども常設展示さてているので、楽しく拝観することができると思います。
また、作品展示では天心の作品のみならず、彼に師事した横山大観や下村観山など著名な美術家の作品を見ることもできます。
5.周辺美味いもん情報★
海の近くというだけあって、美味しい魚介料理が食べられるお店が多い「六角堂」周辺。刺身や海鮮丼といった定番のメニューを始め、あんこう料理が食べられるお店が多いのも特徴的です。元々は漁師さんの料理だったどぶ汁はぜひ食べて欲しい一品。
見た目はグロテクスなあんこうですが、栄養は満点!コラーゲンも豊富で美容にもおすすめの食材です。ビタミンAが多く、ビタミンB2も含んでいるので、皮膚障害や風邪、高血圧、口内炎などの予防に効果的と言われています!
大津漁協直営市場食堂
物産センターや北茨城市漁業歴史資料館などと同じ敷地内にある食堂「大津漁協直営市場食堂」地元ならではの海産物、農産物販売店がたくさん並びます。お土産に北茨城の食材を買って帰るのもいいですね!
こちらの食堂では季節ごとの食材を使った一品料理や各種フライ、天ぷら、丼物の定食などが食べられます。定食は刺身定食や煮魚定食、女性向けのレディース定食など種類豊富です。お昼営業のみですが、ビールやおつまみもあるので、お昼から呑みたくなりますね!
旬のいろいろな魚介を一度に味わいたいなら、海鮮丼がおすすめです!
■ 基本情報
- ・名称: 大津漁協直営市場食堂
- ・住所: 茨城県北茨城市関南町仁井田789-3
- ・アクセス: JR常磐線大津港駅を出て大津漁港方面、車で約5分
- ・営業時間:11:00~15:00
- ・定休日: 水曜日
- ・電話番号: 0293-30-2345
- ・料金: 1000円~
- ・公式サイトURL: http://ootsuichisyoku.main.jp/
やまに郷作
本場のどぶ汁を味わいたいならここ!「やまに郷作」どぶ汁は、茨城県から福島県南部の太平洋沿岸地域に伝わる漁師料理のこと。あんこうをあんこうの汁だけで煮込んだもので、時には白菜・大根・ネギなどの野菜を加えたり。そして味噌で味を調えます。あんこう鍋の元になった料理だそうです。
「やまに郷作」の「どぶじる定食」は5400円で温泉も付いてきます!少しお値段はしますが、温泉付きで、お造りや煮魚といった一品料理も多く付いてこのお値段と考えれば安いもの!
新鮮なあんこうを使用したどぶ汁は、ぷるぷるの皮のゼラチン部分に、ほくほくの白身、濃厚な肝と、部位によって異なるおいしさが味わえます。煮詰まるほどにうま味も凝縮され、絶品のスープに仕上がります。〆は雑炊で大満足!
■ 基本情報
- ・名称: やまに郷作
- ・住所: 茨城県北茨城市平潟町273
- ・アクセス:大津港駅から車で5分
- ・営業時間: 11:00~14:00、17:00~21:00
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 0293-46-1178 完全予約制
- ・料金: 5000円~
- ・公式サイトURL: http://gousaku.jp/
カフェテリア・カメリア
天心記念五浦美術館の中にある「カフェテリア・カメリア」展示を観て、ちょっと一息つきたい時なんかにもおすすめです^^
テラス席もあり、小名浜港周辺の海岸線がずっと見通せ、開放感あふれるカフェです。サザコーヒーの豆を使用したコーヒーやケーキ・タルト類といったカフェメニュー、サラダやサンドイッチ、ビーフシチューといった軽食メニューあり。
■ 基本情報
- ・名称: カフェテリア・カメリア
- ・住所: 茨城県北茨城市大津町2083
- ・アクセス:大津港駅から車で10分
- ・営業時間:美術館に準じる
- ・定休日: 美術館に準じる
- ・電話番号: 029-346-7811
- ・料金: 1000円~
- ・公式サイトURL: http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp/01_annai/06_camellia.html
大浜丸 魚力
こちらはどぶ汁風あんこう鍋が人気のお店「大浜丸 魚力」こちらは1人前3240円で食べられますよ!1人でも入り易いお店です!あんこうの友酢や鮟肝などの一品メニューも絶品!
肉厚の身以外にも皮・胃袋・肝・卵巣・エラ・ヒレの7つの部位に分けられ、部位ごとの見た目や食感、味の違いが楽しめる贅沢な一品です。あんこう自体ももちろん、あんこうの汁を充分に吸った野菜もまた絶品!〆はやっぱり雑炊!素材のうま味をご飯が余すところなく吸い取ってくれます!
■ 基本情報
- ・名称: 大浜丸 魚力
- ・住所: 茨城県北茨城市大津町字五浦1-131
- ・アクセス: 大津港駅から車で10分
- ・営業時間: 月・火・木~土 11:30~14:30 17:30~20:00
- 日・祝 11:30~15:00 17:30~20:00
- ・定休日: 水曜日(祝日の場合営業、前日か翌日休)
- ・電話番号: 0293-46-5995
- ・料金: 3000円~
- ・公式サイトURL: http://www.geocities.jp/oohamamaru_uoriki/
6.口コミ
7.詳細
■ 基本情報
- ・名称: 六角堂
- ・住所: 〒319-1703 茨城県北茨城市大津町五浦727-2
- ・アクセス: 電車:JR常磐線 大津港駅下車 タクシー約5分
- 車 :常盤自動車道 北茨城IC または いわき勿来IC から約15分
- ・営業時間: 4月〜9月の期間 8:30~17:30
- 10月、2月、3月の期間 8:30~17:00
- 11月から1月までの期間 8:30~16:30
- (入場は開館終了時間の30分前まで)
- ・定休日: 月曜日(祝日の場合はその翌日休)年末年始12月29日~1月3日
- ・電話番号:0293-46-0766 (茨城大学五浦文化美術研究所)
- ・料金: 300円(中学生以下は無料)
- ・所要時間: 40分
- ・オススメの時期:通年
- ・公式サイトURL: http://www.ibarakiguide.jp/db-kanko/rokkakudo.html
大変素晴らしい六角堂からの風景です。冬場は少し寒いでしょうが、この辺りはアンコウが有名です。帰りにアンコウ鍋で体を温めるのも良いのではないでしょうか。
素材提供:トリップアドバイザー