上州、草津の湯でのんびりする為の基本情報21選

『草津よいとこ一度はおいで』と謡われる草津は、上州・群馬県にある日本有数の温泉地です。毎年行われている、温泉番付では『東の横綱』に７年連続選ばれています。恋の病を除いて万病に効くとされている、草津の湯をはじめとして、様々な草津の魅力をご紹介します。

Ⅰ．そもそも草津の湯ってどこにあるの？

草津は群馬県にあります

江戸時代は上野国・上州と呼ばれていた群馬県は、関東の北西部に位置しています。上州・草津は、群馬県吾妻郡草津町となり、群馬県の北西部にあって、白根山の近くでわずかに長野県と接しています。草津の年間平均気温は７℃で、夏の盛りの７～８月でも平均17.5℃と、とても涼しい高原の温泉地です。

草津の湯は、古くから知られた国内有数の温泉地で、鎌倉時代以前に温泉が発見されたと伝えられ、日本武尊や行基菩薩、源頼朝が温泉を発見したと言われています。また、ベルツ博士は、草津温泉の効能、自然環境に着目して、草津を日本の温泉地から世界の温泉保養地として、有名にした草津の恩人とされています。

Ⅱ．草津といえばやっぱり温泉

地元の人達と一緒に温泉・共同浴場

草津温泉には、地元の人達が利用するために設けられている共同浴場が数多くありますが、観光向けに紹介されているものは３ヵ所となっています。３つの共同浴場の源泉は、草津温泉の源泉が６つあるうちの３つで、『湯畑』、『白旗』、『地蔵』の三つの源泉を利用しています。

湯畑源泉の「千代の湯」は、男女の浴室とは別に「時間湯」が出来る浴室もあります。白旗源泉の「白旗の湯」は、湯畑の脇にある草津温泉内で最も大きな共同湯となっています。地蔵源泉の「地蔵の湯」にも、千代の湯と同じように「時間湯」が出来る浴室があります。

草津独特の湯治・時間湯

強酸性泉の草津温泉ならではの、独特な入浴法が「時間湯」という温泉への入浴方法です。時間湯は、有効な温泉療法として評価を受けており、４つの手順を１日４回繰り返し、強酸性の高温泉入浴を行う事で、体質改善を目指す入浴法です。

具体的な手順は、① 湯もみ2～30分、② 手桶により頭に3～40杯の湯をかぶる、③ 湯長の号令で一斉に入湯。３分間、④ 同じく号令で一斉に出るというものです。時間湯は全国で唯一の男女１人ずつの「湯長」による『完全指導』で行われるものとなっています。

老舗宿15軒・和風村

和風村は、古き佳き時代の草津温泉を再現しようと、上州草津温泉の格式ある15軒の老舗旅館が、それぞれの旅館自慢の内湯を開放しました。和風村各旅館の内湯を利用できる「湯めぐり手形」は、和風村に加盟している宿の宿泊者が購入することが出来ます。

和風村の「湯めぐり手形」の利用方法は、湯めぐり手形を宿泊の宿で買い求めて、草津山光泉寺「薬師堂」にお参りします。寺務所にある御朱印を通行手形に押して、14軒のうちから好みの宿の内湯を選んでめぐることになります。

Ⅲ．おすすめ観光スポット

湯畑

草津温泉のシンボル『湯畑』は、温泉街の中心にあり、温泉が毎分4,000リットル湧き出ています。源泉から湧き出た湯を、７本の木樋を通すことで外気で冷やし、さらに、湯畑の端にある湯滝から流れ落ちた湯が、旅館の内湯などに引き込まれて行きます。

湯畑は、草津温泉散策の起点になっていたり、温泉を楽しんだ後に散策をするには良い場所なので、草津温泉に出かけたら誰もが出向くところとなっています。

湯釜

草津白根山の山頂には、火口壁の切り立った岩肌に囲まれて、美しいエメラルドグリーン色をした神秘的な姿を見せる火口湖の湯釜があります。湯釜は、水深約30m、直径300m、湖水のph1.0という強酸性の湖水を持ち、北側からは火山ガスが噴出しています。

草津白根山の山頂には、湯釜のほかにも水釜、涸釜などの火口湖があります。湯釜や草津白根山山頂周辺へは、冬期間の国道292号線の通行止めのほかに、草津白根山の火山活動の状態によって、車両通行規制等が行われており、周辺への観光や通行には規制情報等の確認が必要となっています。

西の河原公園

西の河原公園は、草津温泉の西側にあり、河原のあちらこちらから温泉が湧き出しています。湧き出た毎分1,400リットルもの温泉は、湯川の流れとなって西の河原から草津温泉街へと流れ出て行きます。

西の河原公園には、西の河原露天風呂があり、男女あわせると500㎡もの広さがある特大露天風呂です。露天風呂には洗い場はなく、脱衣所を出れば、あるのは露天風呂と美しい自然にだけです。四季折々の美しい草津の山々の姿や、青い空、満点の星をゆったりと湯につかりながら満喫出来ます。

草津片岡鶴太郎美術館

西の河原公園の入口にある草津片岡鶴太郎美術館は、長野オリンピックが開催された1998年に開館された美術館です。俳優 片岡鶴太郎が様々な技法で創り出した絵画が300点収蔵されており、常時展示は150点となっています。

片岡鶴太郎は俳優としての活動だけでなく、広く芸術活動を行っており、草津片岡鶴太郎美術館のほかに、山中塗と絵画などの山中片岡鶴太郎工藝館や、陶磁器や墨彩画などの伊万里片岡鶴太郎工藝館など、全国各地に美術館があります。

嫗仙の滝

草津温泉の街から歩くと１時間ちょっとの場所にある嫗仙の滝は、滝の水に含まれる温泉成分により、水が流れ落ちる岩が赤く変色したという滝です。優美な滝の流れや周りの緑の樹々と、赤い岩壁や河床のコントラストは、どこか神秘性を感じさせる素晴らしい情景となっています。

滝までは山上の駐車場から遊歩道が整備されており、滝の近くには、「森の巨人たち100選」に選ばれた、樹齢300～400年、樹高35mの『嫗仙の滝のカツラ』や、滝の優美さとは対照的な姿をしているトチノキの巨木があります。

Ⅳ．草津で遊ぼう

草津フォレストステージ

草津フォレストステージは草津温泉ベルツの森の中にあり、フランスの山岳救助のトレーニングから生まれたアミューズメントです。全長640m、42のアトラクションがあり、100m級のジップスライダーなどでスリルを味わうことが出来て、森の中の空中トレッキングを楽しむことが出来ます。

草津フォレストステージで空中トレッキングを楽しんだあとは、『千と千尋の神隠し』に音が登場した草津温泉のひとつ、中沢ヴィレッジの温泉に入り、映画と同じ温泉の音にゆったりとひたって、神様気分になるのも良いでしょう。

草津熱帯園

草津熱帯園は、草津温泉の温泉熱を利用して、高さ15mの巨大ドームの中を、亜熱帯気候と同じ環境にしたものです。巨大ドームの中には、亜熱帯や熱帯気候地域に生息する珍しい動植物が、数多く展示されています。

日本一高い場所にある動物園では、ヘビとの記念撮影や、人気のカピバラとの触れあい、ピグミーマーモセットの飼育体験など、様々な動物たちと触れあう機会が設けられており、Facebookから熱帯園の日々の様子や催しなどの情報を得る事が出来ます。

草津国際スキー場

草津温泉に隣接している草津国際スキー場は、1914年（大正３年）に開設され100年を越える歴史があるスキー場で、1948年（昭和23年）に日本で最初の民間用のリフトが設置されました。

草津国際スキー場は、冬はウィンターシーズンとして、スキーやスノーボードなどが楽しめる、コース全長8,000m、標高差926m、コース数10というスキー場となります。夏は、グリーンシーズンとして、グラススキーやマウンテンボード、スカイトランポリン、マウンテンカートなどのサマースポーツが楽しめます。

熱乃湯

2015年４月に大正ロマン風の建物に生まれ変わった「熱乃湯」は、1960年から『湯もみショー』が行われ続けられている、草津の観光のシンボルとなっている施設です。

熱乃湯の『湯もみショー』は、「草津節」で調子を合わせて湯もみをすることで、温泉の温度を下げ湯を和らげる、草津独特の「時間湯」の手順の一つが観光名物になったものです。熱乃湯では、湯もみを見て楽しむだけでなく、湯もみ娘の指導を受けながら、楽しく体験することも出来ます。

Ⅴ．草津のおすすめグルメ

松むら饅頭

草津温泉街には、こだわりの温泉饅頭のお店が数多くあり、その中でも湯畑にも近い西の河原通りある「松むら饅頭」は、美味しいお店の一つに数え上げられる老舗です。

松むら饅頭の温泉饅頭は、黒糖を使った皮としっとりした粒あんが特徴の、程よい甘さの手作りのお饅頭です。暖かい蒸し立てでも、お土産に持って帰って冷めても、上品な甘さのお饅頭は、どんな時でも美味しく食べることが出来ます。

三國家

ＴＶで紹介されたこともある、草津温泉で人気の蕎麦店が三國家です。昼のメニューでは、2.5人前の蕎麦を、つけ汁を選んで楽しむ『三国そば』がお店のオススメのひとつとなっています。夜になると、地元群馬の地酒や各地の地酒を、蕎麦屋ならではの一品料理などで楽しむことが出来ます。

三國家のお蕎麦は、草津白根山の雪解け水を使って汁を作り、お蕎麦を打っています。また、お蕎麦は自家製粉の石挽き粉となっており、前日適度に挽いて一日寝かした蕎麦粉を、翌日に挽いた上で蕎麦打ちをすることで、美味しいお蕎麦が出来上がります。

柏香亭

創業100年を越える草津温泉の老舗蕎麦店が、湯畑のすぐ近くにある「柏香亭」です。挽き立て・打ち立て・茹で立ての三立てが楽しめるようにと、毎朝石臼で挽いて、５代目店主が美味しくなるようにと、心を込めて手打ちした蕎麦が味わえます。

地元の名物となっている舞茸の天麩羅が付いてくる「マイタケ天ぷらそば」は、美味しいお蕎麦と共に、柏香亭で人気の一品となっています。

ティールーム ゆきうさぎ

穏やかな時が流れる温泉地に相応しいのは、おいしいポット紅茶が出てくるティールーム。草津温泉の湯畑にほど近い所にある「ティールーム ゆきうさぎ」は、ゆったりと温泉に入るような雰囲気のあるお店となっています。

お店のオススメは、煮出して作る濃いミルクティーと、紅茶に合うスコーンやカステラです。ストレートティーには、ダージリン、アッサム、ウバなどがあり、いずれもポットで出てくる優雅さが嬉しいです。

Ⅵ．草津おすすめの宿

湯宿 季の庭

草津温泉であちこちを湯めぐりせずとも、ひとつのお宿でいろいろなお風呂を楽しめるのが、ふたつの源泉から引いた23ものお風呂がある「湯宿 季の庭」です。季の庭のお風呂の源泉は、大湯処 季の湯の源泉は『わたの湯』で、古の湯と貸切露天風呂は『湯川の湯』となっています。

季の庭のお部屋は、全室が天然温泉露天風呂付で、ベッドが入っている和風の客室となっています。また、姉妹館として、お部屋がちょっとコンパクトながら、同じお風呂めぐりが楽しめる「お宿 木の葉」もあります。

草津温泉 ホテル櫻井

ホテル櫻井では、草津温泉の６つの源泉のうち、万代鉱、西の河原、わたの湯の３つの源泉を引き込んでいます。いずれの源泉から引き込んだお湯も加水・加熱をしていない、源泉100％、草津温泉の効能を十分に得ることが出来ます。

お部屋は、温泉のホテルらしい本客殿の和室から、16階建ての新客殿のお部屋はすべて数寄屋造りのお部屋となっています。特に、11階以上にある特別室・貴賓室では、素晴らしいお部屋で寛ぎながら、上信越高原国立公園の絶景を眺めることが出来ます。

草津温泉 奈良屋

奈良屋は、草津温泉の中で最古の源泉と言われる『白旗』源泉を、自然流下によって引き込んでいます。そして、敷地内の２つの槽に引き入れられた湯は、湯守が入浴に適切な温度と泉質にした上で、宿のお風呂に引かれています。

奈良屋のお部屋は、全36室のお部屋のうち老舗旅館ながら各部屋が異なる11タイプのデザイナーズルームとなっている「泉游亭」があります。その他のお部屋には、布団・ベッドのいずれかのタイプから選べる和モダンな客室があり、洋室タイプの客室の中には温泉地の旅館には珍しいシングルルームがあります。

Ⅶ．草津への行き方は？

草津温泉には、その昔は長野県軽井沢から55.5kmの道のりを、草軽電鉄という鉄道がコトコトと走っていました。今あれば、高原電車として人気が出たかも知れません。

鉄道を利用する場合は、ＪＲ吾妻線 長野原草津口からＪＲバスに乗り換えて、草津温泉に向かうことになります。また、新宿から草津温泉への高速バスも走っており、乗り換えなしで都心から直行することが出来て便利です。

自家用車の場合は、関越道の渋川伊香保ＩＣから国道353・145・292経由か、上信越道の碓井軽井沢ＩＣから国道18・146・292経由で向かいます。また、長野県の湯田中・志賀高原方面から草津温泉へ向かう国道292号線・志賀草津道路があります。

※国道292号線は、冬期間の通行止めがあります。また、草津白根山の火山活動による車両通行規制等が行われており、通行には規制情報等の確認が必要です。

素材提供：トリップアドバイザー