Hideyuki KAMON
「田子の浦ゆ うち出でてみれば 真白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける」「田子の浦」と聞けば、誰もがこの万葉集に納められた山部赤人の和歌を思い出す事でしょう。
そんな「田子の浦」ですが、「一体どこの事?」「どんな魅力があるの?」
今日はそれを調べたいと思います。
1.「田子の浦」とは?
万葉集を代表とする古史料に見られる「田子の浦」と、現在の静岡県富士市の「田子の浦港付近」。
古来の田子の浦は、静岡県静岡市清水区の薩埵峠の麓から、倉澤・由比・蒲原あたりまでの海岸を指すとされていたようです。
富士市の「田子の浦港」付近と混同されやすいことから、「山部赤人の歌の田子の浦は蒲原付近である」とあえて明記する例もあるとの事。 現在では、「田子の浦」といえば、富士市の「田子の浦港」付近を指すことが一般的なようです。
2.「田子の浦」の魅力
「田子の浦」の魅力といえば、やはり背後にそびえ立つ、美しい富士山の雄姿でしょう。 葛飾北斎の「東海道江尻田子の浦略図」にも描かれているように、駿河湾からみた富士の風景は今も変わりません。3.「田子の浦」の見どころ
1.富士山
山部赤人の頃の富士山の魅力は、葛飾北斎の「東海道江尻田子の浦略図」から伺えます。題名からすると江尻は現在の静岡市清水区になり、「田子ノ浦」の西の地域から見た富士であろうという事が想像されます。しかし、絵の構図を見ると、富士の前の山が愛鷹山系のように見えるので、清水側よりむしろ沼津側から見たものと思われるそうです。2.しらす
その理由は、一艘曳きという漁法にあり、通常の二艘曳きに比べて漁獲量は少なくなりますが、その分短時間で素早く水揚げできることで、しらすを傷つけることなくプリプリ感が天下一品なのだそうです。
漁獲量も少ないことから、ごく限られた場所にしか出回らない「幻の食材」とも言われているようです。
3.富士と港の見える公園
公園内には山部赤人の歌碑があり、天気が良い日には、手前の港と、その後ろにそびえ立つ美しい富士山の姿が一緒に拝めるそうです。5.「田子の浦」の場所
■ 基本情報
- ・名称:田子の浦
- ・住所:〒416-0937 静岡県富士市前田
- ・アクセス:富士駅からバスで30分