見えたり見えなかったりする橋?もうすぐ無くなってしまうかもしれない橋?そんな不思議な橋「タウシュベツ川橋梁」は北海道の糠平湖にあります。すぐにでも壊れてしまうかもしれない、みんなが残っていてくれ…と願う幻の橋・タウシュベツ川橋梁に”今”行くしかない!!
「タウシュベツ橋」って?
タウシュベツ橋は発電目的でつくられた人工ダム湖・糠平湖にあり、正式には「タウシュベツ川橋梁」と言います。1937年に完成、1938〜1955年は鉄道橋として利用され、その後は放置されてきました。旧国鉄士幌線のアーチ型をしたタウシュベツ橋はコンクリート製ですが、半世紀以上もの間、糠平湖の水位変動によって劣化していき、現在のような風貌になったとのこと。この姿をとどめていられるのは、あと数年。もしかしたら来年には壊れてしまうのではないかというほど劣化しており、このタウシュベツ橋を愛す人たちはみな”もう少しもってくれ…!”と願っているんだそう。
旧国鉄士幌線の線路として、主に木材や農産物の運搬に利用された橋ですが、糠平ダム建設のため糠平駅が移転し駅と橋は湖底に沈みました。旧糠平小学校や熊谷温泉も湖底で眠っているんですよ。たったの18年間しか活躍できませんでしたが、役割を終えて60年以上も経つ今、現役時代よりも長い年月の間人々の目を楽しませてくれています。
タウシュベツ橋を眺める方法は3つ。
- タウシュベツ展望台から眺める(タウシュベツ川橋梁から約750mの距離。遠景)
- ツアーで近くまで行く(NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンター)
- 林道通行許可証をもらって自家用車で行く ※詳しくは「糠平三股林道(タウシュベツ橋梁方面)の通行を希望される方へ」
安全面や利便性などを考慮すると、1か2をおすすめします♪
どうしても自家用車で行きたい方の為にさらに詳しく説明すると、上士幌町の街中にある「十勝西部森林管理署東大雪支署」でゲートの鍵と通行許可証をもらう事になります。ここで連絡先や車両番号を貸出簿に記入し、林道走行の為の注意説明を受けるんです。ものすごいスピードで林道を走る車もいるので、走行には十分注意してくださいね。帰りにまた森林管理署に寄って鍵を返却すればOK。ちなみに周辺はクマの出没地域となっています。クマ除けの鈴があれば持って行ったほうがいいかもしれませんね。クマのテリトリーに人間が入り込んでいる、という事を忘れずに。
タウシュベツ橋の見どころ
時期によって、見え方が全然違う!
http://www.risken.jp
糠平ダム湖の水位変動によって、まったく異なる姿を見せるタウシュベツ橋。雨量や雪どけ量、あるいは発電所の都合によって水かさが増したり減ったりするんです。ダムの水が少なくなる1月頃は、凍った湖面からひょっこり姿を現した光景。6月頃からは水位が上昇し始め、透き通った湖面にうつるアーチ型の橋がまるでメガネのような光景に。美しいメガネの形をみたい方は早朝のツアーがおすすめ♪
それでは、時期によってまったく見え方の異なる「タウシュベツ川橋梁」をごらんください。
http://blog.goo.ne.jp/q_sbar73/e/b9901d1e6855eb40774f3dc768966a28/?img=fe8af6f5e…
水かさが増してエメラルドグリーンのような糠平湖。そこにかかるタウシュベツ橋は、コンクリート感むきだしでメガネのような光景とはまた違った趣。さらに、雪化粧をしたニペソツ山とのコラボレーションがとても美しいですよね♪http://blogs.yahoo.co.jp/south3paradisecafe/folder/890368.html?m=lc
糠平湖にまったく水のない時期におとずれれば、タウシュベツ橋の全景を見ることができます。水にうつる姿も美しいですが、タウシュベツ橋の下まで丸々見ることができるのはとっても貴重!ごつごつした質感がロマンを感じますね♪地元民からはタウシュベツではなく「めがね橋」の愛称で親しまれているんですよ。劣化の原因は冬に氷で外側が削られ、内部にしみ込んだ水が凍ったり解けたりすることで内部からも損傷が起きてしまうため。耐用年数が長いはずのコンクリートを朽ちさせる自然の力もまざまざと感じさせられる場所でもあります。
水没して見えない時期もある!
http://www17.tok2.com/home/kouvfr/touring/060603/tour060603.html
タウシュベツ橋は、毎年8〜10月頃には湖底に沈んで見えなくなるんです!これが”幻の橋”と言われる所以!水位が上がる6月頃から沈み始めるそうですが、5月下旬に水没した年もあれば8月にタウシュベツ橋がすべて見えた年もあるんだそう。そこが難しいところですが、だからこそタウシュベツ橋に愛着がわくのかもしれませんね♪NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターのHPでは、最新のタウシュベツ橋の様子をチェックすることができますよ。
水没している時期も楽しみ方はたくさん。タウシュベツ橋を見る事は出来ませんが、他のアーチ橋を見るツアーも開催されています。湖に沈んだためタウシュベツが有名になりましたが、同じように廃線と共に放置された第三音更川橋梁や第五音更川橋はあまり劣化することなくその姿を今に残しています。紅葉した山間から除く苔生したコンクリートのアーチ橋も風情があってお勧め。
冬は、糠平湖上を歩いてタウシュベツ橋梁ツアーができる!
http://blog.livedoor.jp/sorairocm/tag/%E3%82%BF%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83…
真冬には、凍結した糠平湖上を歩いてタウシュベツ川橋梁を眺めることができるツアーがあります。往復約4kmもの距離を、スノーシューを使って歩きます。寒い気温の中歩くため、普通の4kmを歩くよりかはきついと予想されますが、ゆっくりしたペースで歩くので大丈夫だそう♪例年1月〜3月上旬まで開催されているツアーですので、ぜひ白銀の世界にたたずむタウシュベツ川橋梁を目に焼き付けてくださいね。
冬の糠平湖ではワカサギ釣りも楽しめます。折角暖かい恰好でツアーに参加するのだから、ついでにワカサギ釣りなんていかがですか?スキー場もあるのでパウダースノーを堪能するのもお勧め。いっぱい遊んで冷え切った体はぬかびら源泉郷で温めましょう。豊富な湯量を誇る源泉かけ流しのお湯で、心も体もぽかぽかになる事間違いなしですよ。
★最新★旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアー 2016
今年開催されているツアーは「旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアー 2016」期間は2016年 4月29日(金)~ 橋が水没するまで!いつ水没するかわからないから、まだ見ていない方はぜひ今年こそ!
参加費は大人3,150円、小学生1,550円で長靴の貸し出しもしてくれます。9時~11時30分と14時~16時30分の1日2回、実施されています。通常は立ち入ることが不可能な林道。ツアーの際には、林野庁十勝西部森林管理署から特別に林道の通行許可をいただくそうです。
タウシュベツ橋のみ訪れる早朝ツアーもあり!時間帯が変わればまた見え方が異なってきますよ!
ツアーではこんな場所にも! ❶第五音更川橋梁
ツアーではタウシュベッツ橋以外にも、普段は見ることが出来ない貴重な場所に行くことが出来ます!「第五音更川橋梁」もその一つで、国道273号にある大きなアーチ橋のこと。
滝の沢橋からよく見ることが出来、10mの無筋コンクリートアーチと、音更川をまたぐところにある23mのコンクリートアーチが見どころです。国指定登録有形文化財にも指定されている歴史的にも貴重な建造物です。周囲を覆う木々とのコントラストが美しいですね!
ツアーではこんな場所にも! ❷幌加駅跡
「幌加駅跡」もツアーで見ることの出来る場所の一つ。幌加駅は元々、昭和14年に開業した、帯広駅から終点・十勝三股駅までを繋ぐ士幌線の駅として利用されていました。昭和37年頃の幌加は約80軒の建物があり、350人くらいの人が住み、賑やかな時代もあったそうです。
しかし、昭和53年、糠平駅~十勝三股駅間、18.6kmの列車運行が廃止され、交通がバスに移行したことから、駅としての役目を終え、現在は当時の面影だけが残されています。
タウシュベツ橋についてより深く学べる!上士幌町鉄道資料館
タウシュベツ橋に行ったら、もっといろんなことが知りたくなって来た!と興味が湧いてきた人にぜひ立ち寄って欲しいのが、「上士幌町鉄道資料館」旧国鉄士幌線の糠平駅があった跡地に建てられた資料館です。当時の駅舎は取り壊されましたが、線路と列車は健在です。
旧国鉄士幌線の資料展示、北海道遺産コンクリートアーチ橋梁群の案内を行っており、士幌線の歴史や背景についてより深く知ることが出来ますよ!
館内は1987年に廃線になった旧国鉄士幌線の各種資料(路線図、歴史、工事写真、保線工具、ジオラマなど)を分かり易く展示しています。夏場には資料館脇において、旧国鉄士幌線の鉄路を再現したひがし大雪高原鉄道が運行しており、鉄道ファンには堪らない穴場スポットですね!
■ 基本情報
- ・名称: 上士幌町鉄道資料館
- ・住所: 上士幌町字ぬかびら源泉郷
- ・アクセス: バス停:糠平温泉下車、徒歩5分
- ・営業時間: 9:00~16:00
- ・定休日: 4-10月(月曜日休館※7・8・9月は無休)、11-3月は冬季休業
- ・電話番号: 01564-4-2041
- ・料金:100円
- ・公式サイトURL: http://www3.ocn.ne.jp/~arch/siryouka.htm
実際に訪れた人の声
タウシュベツ橋、まだ沈んでなかった!!#タウシュベツ pic.twitter.com/n76MingU4J
— きぇ@カシオペア乗りたい (@yukie630118) 2015, 10月 12