江差町は北海道の函館から北西へ約70km離れた位置にある、日本海に面した地域です。電車やバスでのアクセスは悪いので車で行くのがベストです。不便な場所ですが、だからこそ残る伝統や自然などに出会うことができますよ。ニシン漁で栄え、古くから本州と交流を持っていたといわれているこの街について、魅力や観光のポイント、おすすめのホテルなどをご紹介いたします。ここでしか味わえないイベントなどを体験しに、訪れてみてはいかがでしょうか。
1.江差町とは?
北海道檜山郡にある町で人口はおよそ8,000人。日本海に面し、奥尻島と結ぶフェリーが運航されています。アイヌ語で岬を意味する「エサシ」から町名の由来になりました。翼を広げた形をしたかもめ島や北海道民謡「江差追分」の発祥の地と言われています。2. 江差町の魅力
鉄道も通っておらず、かなり不便な場所にある江差町。不便な場所だからこそ道内最古の祭りである姥神大神宮渡御祭や民謡の江差追分など、当時の雰囲気が壊されず伝統が守られています。美しい自然と美味しい海産物に恵まれています。3.江差町の歴史
江戸時代にはニシンの漁業や北前船の交易の場として栄えていました。未開の地だった北海道の中でも早くから本州などと交流があり「江差の五月は江戸にもない」ともその繁栄を例えられるほど。1868年の戊辰戦争のときには旧幕府の海軍の主力艦「開陽丸」が江差沖で座礁し沈没してしまいました。1886年北海道庁に属し、その後1897年檜山支庁が置かれました。現在過疎地域の指定を受けており人口が減少傾向にあります。
4.江差町に行ったら出来ること
5.見どころ・お勧めポイント
開陽丸
幕末の江戸幕府が所有していた軍艦。安藤信正によってオランダから導入されました。1867年にオランダ留学をしていた榎本武揚らとともに横浜へ帰港。迫りくる外国への抑止力となることを期待された主力艦隊でしたが、翌年江差沖にて暴風雨により座礁・沈没してしまいました。開陽丸青少年センターでは海中発掘調査で引き揚げられた当時の開陽丸の遺留品などが展示されています。
姥神大神宮
約570年前の鎌倉時代に創建された北海道最古の神社。折居様と呼ばれる老婆がある日一人の翁に小瓶を渡され「その中の水を海にそそぐとニシンが群来する」と言われそのようにするとニシンがたくさんやってきた…という話が元となり、折居様が信仰する神々を祀ったのがこの神社の由来です。ニシンの大漁を祈願する神社として昔から保護されており、毎年夏には姥神大神宮祭が華やかに行われます。
かもめ島公園
かもめ島はかつて弁天島と呼ばれており、ニシン漁や北前船交易で栄えた港でした。檜山道立自然公園の特別区域に指定されています。瓶子岩(へいしいわ)と呼ばれる奇妙な形をした岩は、姥神大神宮の由来で登場した折居様に渡された小瓶が石となったものだと伝えられています。6.おすすめホテル
江差旅庭 群来
かもめ島、開陽丸青少年センターのすぐ近くにあるホテル。客室は7室。源泉100%かけ流しの天然温泉でリラックス。直営農場拓美ファームで育てた地鶏や無農薬・有機栽培の野菜、獲れたての海産物などを使った食事を楽しむことができます。ファームは見学もできます。■ 基本情報
- ・名称: 江差旅庭 群来
- ・住所: 檜山郡江差町姥神町1番地の5
- ・アクセス: 江差駅からバスで
- ・電話番号:0139-52-2020
- ・公式サイトURL: http://www.esashi-kuki.jp/
ホテルニューえさし
江差町、桧山管内の観光に便利なホテルです。館内は懐かしいレトロな雰囲気。シングルのお部屋からツイン、トリプル、和室の客室があります。コンビニや飲食店もホテルのすぐ近くにあり便利です。朝食にはイカ刺し付き定食があります。■ 基本情報
- ・名称: ホテルニューえさし
- ・住所: 北海道桧山郡江差町字新地52番地
- ・アクセス: 函館バス バス停「新地町」徒歩1分
- ・電話番号: 0139-52-3311
- ・公式サイトURL: http://primenet2010.biz/newesashi/
7.名産品
釣りたら子「紅乙女」
はえ縄漁業で捕ったスケトウダラを用いて作られたたら子。魚の傷みが少ないため、きれいなたら子になるのが特徴です。檜山の浜に伝わる伝統のシンプルな味わいの紅乙女は「日本一の釣りたら子」として評価されています。8.イベント
江差かもめ島まつり
かもめ島まつりは、7月に行われます。まつりのメインは江差の海の男による「瓶子岩しめ縄かざり」です。ニシンをもたらした伝説の瓶子岩に海上安全や大漁を祈願し新しいしめ縄をかけます。ほかに「海上保安庁巡視船「かむい」体験航海」や「かもめ島大花火大会」、「厳島神社御神輿海上渡御」などが盛り上がります。江差姥神大神宮渡御祭
毎年8月9日~11日、3日間にかけて行われる祭です。起源は古くおよそ370年前から、北海道最古のお祭りとも言われています。きらびやかな13台の山車が町中を練り歩きます。北海道指定文化財の「神功山」人形や船の形をした「松寶丸」など、文化財としても貴重な山車が見もの。江差追分全国大会
9月第三金・土・日曜日に行われる追分日本一を競う民謡の檜舞台です。「江差追分」は江戸時代中期以降に生まれたものとされますが、はっきりとは分かっていません。大切に歌い継がれてきたこの歌は日本のみならず海外でも江差追分の唄は広まりました。全国ののど自慢が集まり本場の地で競います。9.アクセス
電車・バスで
函館からバス 約2時間札幌からJR八雲駅、八雲から江差 合計約4時間
車で
函館から70km (約1時間30分)札幌から300km (約4時間30分)
■ 基本情報
- ・名称: 北海道江差町
- ・公式サイトURL: http://www.hokkaido-esashi.jp/
江差町の魅力や見どころ、ホテルなどをご紹介しました。いかがでしたか?マニアックとも感じられる、アクセスも不便な田舎町ですが、北海道旅行の上級者にはぜひ訪れてほしい、歴史の深い街です。特に幕末ファンにはたまらない貴重な資料に触れることができますよ。観光客も多くなく、スポットとしては穴場ともいえます。今回ご紹介した中には温泉に入れたり地元の食材を食べられる宿泊施設もあり、現地の雰囲気を堪能できます。ぜひ一度訪れてみてください。