Dick Thomas Johnson
知床国立公園内には、白い煙がもくもくと湧き上がる知床硫黄山があります。
実はNASAも注目するほど、学術的に重要な山なのです!
知床硫黄山ってどんな山?
http://blogs.yahoo.co.jp/akadake5/13123169.html
知床硫黄山は北海道羅臼町と斜里町をまたがる、知床国立公園内にある活火山。アイヌ語でイワオヌプリと呼ばれる山です。
近くの弟子屈にも硫黄山(アトサヌプリ)がありますが、あちらは阿寒国立公園内にある別の山です。
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/sapporo/volcanosp.html
こちらの画像は知床硫黄山を海側から見た風景。カムイワッカの滝を手前に、知床硫黄山のとがった山頂が見えています。
http://www.panoramio.com/photo/11383541
この風景を楽しむためのクルーズまであるという知床硫黄山。この美しい山に一体どのような秘密が隠されているのでしょうか?
知床硫黄山、どこがすごいの?
http://beret-west.at.webry.info/200810/article_6.html
もくもくと上がる白い煙の中、黄色い色が見えますでしょうか?これは硫黄の結晶、白い煙は硫黄が含まれた蒸気です。
活火山である知床硫黄山は、今でも噴火活動を続けています。
溶融硫黄が噴出する知床硫黄山
http://beret-west.at.webry.info/200810/article_6.html
知床硫黄山の珍しいところは、大量の溶融硫黄(液体状の硫黄)が噴出しているところ。これほど大量の溶融硫黄が噴出しているところは地球上でここ知床硫黄山くらいのものなのです。
http://jyogen.seesaa.net/article/196156806.html
知床硫黄山の活動は非常に活発なのも特徴の一つ。現在記録されているだけでも1857年~1858年、1876年、1889年、1890年、1935年に大きな噴火が起こり、多量の溶融硫黄が海まで流れだしたこともあります。
噴火の際にはこのカムイワッカの川が硫黄で埋め尽くされていたそうです。
http://yo-tei.cocolog-nifty.com/new/2008/08/192_2f63.html
硫黄といえば、火薬の原料。現在では石油を精製するとき副次的にできるものであり大変手に入り安いものですが、その技術が確立される終戦の頃まではこの知床硫黄山からとれる硫黄は大変重宝されていました。
https://www.youtube.com/watch?v=hHxsCq9TjXQ
幾度となく行われた戦争の道具として採掘されてきた硫黄。現在では知床硫黄山のほぼ全ての硫黄が取り尽くされてしまっていますが、再び噴火があればまた大量の溶融硫黄を吹き出すことでしょう。
知床硫黄山をNASAが注目する理由とは
http://yamatabizanmai.blogspot.jp/2013/07/blog-post_2.html
地球上でも非常に珍しいこの知床硫黄山。ではなぜNASAから注目されているのでしょうか?
溶融硫黄が噴き出る木星の衛星「イオ」
http://blogs.yahoo.co.jp/obersalzberg1973/folder/375671.html?m=lc
この美しい黄色い衛星、イオ。木星の周りを回る衛星イオは月と同じくらいの大きさですが、すごいのはその噴火活動。
太陽系で最も火山活動が激しい星だと言われています。
下の写真は5ヶ月ごとのイオの様子。
星の表面が変化しているのが見てとれるほど、活発に火山活動を行う星なのです。
http://www.astroarts.co.jp/news/1997/11/971106Galileo/galileo-j.html
惑星イオの表面が黄色いことにお気づきでしょうか?実は惑星イオの火山から噴出しているのも知床硫黄山と同じ溶融硫黄。
この惑星イオの研究に役立つ重要な山として知床硫黄山がNASAに注目されているのです!
知床硫黄山に行ってみよう!
https://www.youtube.com/watch?v=9wsoCM9M-Ec
地球上で唯一の場所、知床硫黄山。ぜひ行ってみたい!という方に、知床硫黄山トレッキングをする際の方法についてまとめてみました。
服装の注意点
http://blogs.yahoo.co.jp/piemonte_kikaku/67653384.html
知床硫黄山はトレッキングコースがあまり長くないため、そこまで服装に気をつかう必要はありません。とはいえ山は寒く風もよく吹くため、風を防げる服装をしていきましょう。
また岩場が多いため、靴は底が固いタイプのものを選ぶのがおすすめです。
ヒグマ多発地点であることを認識する
http://blog.goo.ne.jp/dollyvardensalvelinus/e/4b503da5982c5778bd6051ac2ff8945c
知床硫黄山付近は知床の中でも最大のヒグマの生息域です。鈴や笛などで音をたてながら歩く、食べ物やゴミを捨てたり埋めたりしない、万一のためにクマスプレーを携帯するなどヒグマ対策をして行きましょう。
ガスを吸わない
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E7%A1%AB%E9%BB%84
登山道周りは安心ですが、迷ったりした際にこのような場所にたどりついてしまったら要注意です。噴火口から噴き出る白い煙には硫黄が含まれており、吸い込むと中毒症状を起こして最悪死に至ることもあります。
このような場所を見つけてもあまり近づかないようにしましょう。
入山規則を守る
http://blog.livedoor.jp/duck5733/archives/52042096.html
知床硫黄山に限りませんが、入山規則は必ず守るようにしましょう。ストックの先端にキャップを着ける、登山前に道路特例使用承認申請をするなど知床硫黄山にも色々なルールがあります。
他にも火山や落石の状況などで入山規制がある場合も。
トレッキングをすると決めたらまずは「北海道オホーツク総合振興局」に問い合わせし、詳しい入山ルールを確かめておくようにしてください。
■ 知床硫黄山問い合わせ先
- ・名称: 北海道オホーツク総合振興局 網走建設管理部用地管理室管理課 管理第二係
- ・住所: 北海道網走市北7条西3丁目
- ・電話番号:0152-41-0603
- ・公式サイトURL: http://www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp/
地図はこちら
こんな場所が国内にあったのか…と思えるほど、不思議で神秘的な光景が広がる知床硫黄山。
活動が活発なだけに、再び大規模に噴火することもあるかもしれません。
もし知床硫黄山に行くのが初めてなら、ガイドを頼むと安心です。
ぜひともその目で地球の神秘を体感してきてください!