Otota DANA
山陰の小京都と呼ばれる津和野は、たたずまいも人々も時間もがゆっくり流れる街。民家の軒先の堀を流れる清水には鯉が泳ぎ、せせらぎが心地よく感じる空間です。そんな歴史情緒あふれる津和野にもここ数年、過疎化、高齢化の波が押し寄せてきていて、空き家が年々増えてきています。そのため町並みの保全や安全性の面での空き家対策として島根県津和野町では、空き家を改修した宿泊施設「町家ステイ戎丁」を今年の2月にオープンさせました。
津和野旅行では街の観光スポットをまわる旅と同時に、津和野の暮らしまでをも旅をしてみませんか。
今回はまだガイドブックには載っていない秘密の津和野。これを見たなら津和野に行きたくなること間違いなしです。
津和野とは?
島根県と山口県の県境にあり、江戸時代の終わりから、明治・大正・昭和初期の貴重な建物が建ち並び風情がある街です。藩政時代の面影を残す武家屋敷や町家、堀割に泳ぐ色とりどりの鯉など、静かな風情は山陰の小京都と称されて人気が高いところです。
2014年には伝統的建造物群保存地区に指定され、貴重な町並みを保全し後世に伝えようという機運がさらに高まっています。津和野の街並みの中には、文化財クラスの壮大で贅を尽くした家屋があります。一方では代々手を入れ、工夫をしながら暮らし継がれた家屋も多くあります。
非常に静かなところで、目立ってお洒落な観光スポットがある場所ではありません。街並みも質素で「何をみれば良いの」か悩んでしまうと思います。派手な観光スポットだけが、楽しいのでしょうか?人との触れ合いを感じられたり、文化や自然を感じられる場所を観光することは日本の新しい魅力を発見する大切な一歩ではないでしょうか。
日常の暮らしの極上を体感 津和野町屋ステイ
町家ステイとは、津和野の美しい街並みにできてしまった空き家を活用した宿泊施設です。津和野の伝統的建造物の風情を残しつつ現時点での最新設備を取り入れて、建物が積み重ねてきた年月を感じながら快適に過ごせるように工夫されています。
津和野「町家ステイ戎丁」は、本町筋の横町にある明治時代半ばの町家を、誰でも気軽に町家暮らしを楽しめるようにとリノベーションを重ね、古くからの暮らしが継がれてきた歴史ある津和野の町家に泊まることができます。
ここでは、まだほとんど知られていない津和野の町屋での過ごし方が体感できます。
お洒落なホテルとは違い、素朴な雰囲気でアットホームな町家での宿泊は「肩のこらない」自然体での体験です。先人がどのように暮らしてきたのか、日本の暮らしを肌で感じる事ができるのはとても貴重なことだと思います。日常的な生活こそが、心を癒し身体を癒してくれるのだと言うことをじっくりと体験していただきたいと思います。
津和野町屋ステイ戎丁について
町家ステイとは現在使われていない津和野の空き家を伝統的な家屋建築を生かしながら快適に過ごせる空間に改修し、1棟まるごとで滞在でき津和野の町家暮らしが体感できる施設です。「町屋ステイ戎丁」は1890年に建設された長屋(172㎡)で、建物に囲まれるようにして中庭があります。伝統ある建築をもとに、リビングや現時点で最新のバス・トイレなどを取り入れた、モダンで快適な空間に仕上げてあります。
一軒を丸ごと貸切れるので、気のおける友人や家族とゆったりした時間を過ごしたい人は是非利用すべし!マンションやアパートで暮らす人には、非常に珍しく映るかも知れませんが日本家屋の素晴らしさや香り、そして人々の温かさなどがしみじみと感じられる空間です。庭には四季で景観も異なるので、色んな楽しみができるはずですよ。
町屋ステイ戎丁宿泊料金
津和野町家ステイ戎丁は一棟貸しの宿泊施設です。下記の料金は素泊まり(食事なし)・駐車場料金込み
時期・曜日・利用人数によって宿泊料金が異なります(小学生以上は大人料金)
■ 宿泊料金 標準期〈4月~7月(夏休み前)、9月
- 平日 休前日
- 利用人数 1棟料金(1名単価) 1棟料金(1名単価)
- 2名 ¥28,000(¥14,000) ¥34,000(¥17,000)
- 3名 ¥36,000(¥12,000) ¥45,000(¥15,000)
- 4名 ¥40,000(¥10,000) ¥52,000(¥13,000)
- 5名 ¥45,000 (¥9,000) ¥60,000(¥12,000)
予約・問い合わせ
TEL: 0856-72-1761(津和野町観光協会)HP:http://tsuwano-stay.jp/
食事
津和野町には一世紀続く老舗旅館、有名ガイドブックにも掲載された食事処の本店をはじめ、地元の食材をふんだんに使った、この町でしか食べられない料理がもりだくさんあるので食べに出られるのも良し。仕出しをお願いしてステイ先のお家で食べるのもまた良し。
どちらのプランも選べます。宿の予約をした際に相談できます。
・津和野のお宿よしのや
本町通りに面した旅館で食事が楽しめます。会席料理に和洋折衷のコース料理などが人気なんです。歩いて10分ほどのところにあるので散策ついでにいかがですか?
・のれん宿 明月
創業がなんと100年の老舗旅館で、代々主人自ら庖丁を握る料理自慢ともあり、新鮮な魚介と山の幸が楽しめます。
津和野の見どころ
殿町通り
津和野観光のメインストリート。町の中心部にある殿町通りは、城下町時代の古いたたずまいを残すとても魅力的な場所です。藩校養老館跡、郡庁跡、津和野藩家老多胡家表門、カトリック教会などたくさんの歴史を感じさせる建物が集中しています。通りに沿って流れる掘割には、白壁や並木の緑が映り込み、赤、白、金、黒など、千匹以上ともいわれる色とりどりの鯉が泳いでいます。
津和野藩の筆頭家老である多胡家の表門は、石積みに漆喰の壁と窓と武家屋敷の風情がそのまま残されている素晴らしい景観。時代劇に出てくる、昔の佇まいがなんとも言えないような落ち着きさえ感じます。周辺には居酒屋も並んでいるので、夜はこちらまで出かけたりしても良いと思います。観光スポットが密集しているので、昼間はぶらっと回ってみましょう。
太皷谷稲成神社
京都の伏見稲荷の神霊を移した神社。稲荷神社のなかでも「稲成」と表記するのはここだけ。大願成就の祈りが込められています。日本五大稲荷の一社に数えられ、特に朱色のトンネルのように続く「千本鳥居」の表参道が有名。商売繁昌、五穀豊穣、願望成就の大神として、季節を問わず全国から参拝者が訪れます。サスペンスドラマでも話題になる、太皷谷稲成神社は稲が成ると書いた非常に珍しい神社でもあります。城のお倉番が鍵を失くしたことで、切腹を言い渡されたのですが、この稲成神社に切腹に日まで祈願したところ無事に鍵が見つかったのだとか!この願望成就のご利益があると噂になり稲成神社になったとも伝わっているんですって。
永明寺
鎌倉時代創建の禅宗の古刹。代々津和野藩主の菩提寺となり、江戸時代には曹洞宗の大寺院として栄えました。いまではめったに見られない巨大な茅葺きは、息をのむ美しさと評判です。森鴎外の墓、千姫事件で知られる悲運の城主坂崎出羽守の墓があります。
歴代の津和野城主の菩提寺でもあり、巨大な茅葺屋根が目を引きます。津和野駅から近いので、宿に入る前に立ち寄ってみましょう。坂崎出羽守が津和野藩主であった期間は短いものの、その功績は今でも各所に残されています。鯉の養殖を始めたのも、坂崎出羽守だったそうで頭も良く常に領民の事を考えていた賢君としてもその名を残したのです。
津和野城跡
鎌倉時代に吉見頼行公が約30年かけて築城した津和野城。今は解体され石垣が残るのみだが、城跡からは正面に青野山、眼下に津和野の町並みを眺めることができます。津和野城跡へは津和野城跡観光リフトに乗っていくことができます。津和野の赤い瓦の町並みとが広がります。最近の乗り物では味わえない開放感とちょっぴりのスリルが楽しめます。
宇喜多詮家といった方が、戦国好きにはなじみがあるかもしれません。城跡からは、天空が望めることからこちらも津和野の天空の城として観光スポットになっています。紅葉の季節には、また眺めが素晴らしく高所であることを忘れてしまいそうです。戦国時代から江戸の歴史が全てつまったここで、多くのドラマがあったと思うと感慨深いですね。
弥栄神社
津和野大橋のたもとに大鳥居がある弥栄神社。祇園祭の神事として奉納される「鷺舞」の舞台として知られる。津和野城の鬼門の守り神として建立されたと伝えられている。「鷺舞」は、無形文化財にもなっているもので舞方と、囃子方、唄方、行列を守護する人などが街をねりあるきその美しい舞を披露します。吉見大蔵正頼が大内義興の娘を妻に迎えた際に、彼女の疫病除けとして山口祇園会鷺舞を伝習したことが始まりだそうです。7月20日と27日の2回の祇園祭神事に行われ、今はこの津和野のみで行われているそうです。
津和野へ行った方の声
津和野はやっぱりすごい。 pic.twitter.com/HL9rhhhu9U
— 中村ひなの (@hina4251) 2015, 5月 6
島根県津和野市にあるキリスト教会。結構古いものらしい。畳敷いてあるのが、なんとも親切設計。 pic.twitter.com/tH3J78FGdN
— うめや@風林館高校2年 (@TheMazarinStone) 2015, 5月 6
津和野散策シリーズ pic.twitter.com/VcC7p8hrLj
— ゆりか (@SkYakyu) 2015, 5月 5
津和野へのアクセス
飛行機
東京(約2時間45分) 羽田空港-石見空港 石見交通バス-津和野(1時間35分)大阪(約2時間35分) 伊丹空港-石見空港 石見交通バス-津和野(1時間35分)
自動車
東京(約14時間) 東名道 東京ICから防府IC・国道2号線・国道262号線・県道32号線大阪(約7時間30分) 中国道 吹田ICから防府IC・国道2号線・国道262号線・県道32号線
高速バス
「いわみエクスプレス」東京-津和野(14時間30分) 大人片道13000円「津和野エクスプレス」大阪-津和野(9時間) 大人片道9200円