うばがもちは素朴な味わいが人気。滋賀観光で買って帰ろう

群馬県の草津温泉よりは知名度は低いのですが、琵琶湖の東南側に滋賀県草津市があります。県庁所在地・大津市につぐ都市で、昔は、東海道と中山道が接する「草津宿」でした。江戸をたってここまで来れば、目指す京の都もすぐそこ、という地でした。

その草津に生まれ、400年愛されてきた素朴な味わいの銘菓が「うばがもち」です。漢字で書けば「乳母ヶ餅」です。

1. うばがもちとは

16世紀、織田信長が「桶狭間の戦い」に勝ち、全国統一を成し遂げようとしていた頃。近江の国（現在の滋賀）の大名、佐々木義賢も信長に滅ぼされ、一族は散り散りになりました。3歳になるひ孫を守り刀と共に預けたのが、乳母の＜福井との＞という人でした。

＜との＞は、ふるさとの草津に戻り、言いつけどおりにその幼子を養い、日々の糧を得る方法としてとったのが、餅を作り、そして売ることでした。

餅を作り、街道に出ては、往来する籠にすがり、泣いては餅を買ってくれるよう訴え、ふびんに思った人々が餅を買っていきました。人々の情に触れただけでなく、味も良かったので、いつしか「乳母がつくる餅」つまり「うばがもち」と呼ばれるようになったそうです。

家康がほめ、芭蕉が食べ、広重や北斎は浮世絵や東海道名所図会に描き「草津名物」として広まった、という説もあります。

2. うばがもちの特徴

こし餡に包まれ三角に形作られた餅は、頭頂部にちょこんと白い餡が飾りとして乗っています。この白い飾りは、30年程前までは砂糖、いまは芋を混ぜ込んだ白餡とのことです。

口に放り込むと、軽やかで上品な甘さです。滋賀の江州米を使っている餅の歯ごたえもいいです。また、この小ささが、心地よい小ささです。気がつけば5個も6個も、パクパクと食べてしまうでしょう。