Sébastien Bertrand
出島は長崎を代表する観光名所の一つ。長崎の出島周辺には、長崎観光をする上で重要なスポットがたくさんあります。日本が鎖国をしていた時代にも、オランダや中国との貿易をし、ここにしかない文化を作り上げてきました。日本の歴史を知る上でも重要な建築物を始めとする人気スポットを、厳選して20個ご紹介します!鎖国時代の面影が現代によみがえり、この場所にある歴史を学ぶことができます。埋め立てられてしまって今となっては見れないものもたくさんありますが、少しずつ再現されつつあるので、現在見ることができるものは数少ない価値のあるものだと思います。キリシタン禁止令を秀吉が出し、宗教と貿易を切り分けてお付き合いするとしたのでここでは交易ができたと言われています。知っておきたい見どころをご紹介します。 これなしには、日本を語れない!
1.カピタン部屋
http://www.panoramio.com/user/7924522?with_photo_id=97059706
鎖国時代のオランダ商館長(カピタン氏)の事務所や住居として使われていた建物になります。 出島内で最も大きい建物で、当時は日本の役人や大名の接待場所として使われていました。 現在は、1階に出島の歴史や生活に関する展示、2階に商館長の生活様式が展示されています。 中でも2階の食卓に並んでいるメニューは見ごたえがあります。
両側から二階の出入り口まであがれるようになっている階段を上がると、靴を脱ぐようになっています。その階段は、グリーンで、ひと際目立ちます。和洋折衷のお部屋には、当時海外から持ち込まれたという鮮やかな壁紙や入ってすぐ畳に洋風な部きらびやかなシャンデリアが目をひきますよ♪
2.ヘトル部屋
http://www.uraken.net/sozai/45nagasaki/kabegami.html
カピタン部屋の横にある建物が「ヘトル部屋」になります。 当時のオランダ商館の商館長次席(ヘトル氏)の住まいとして使われていました。 現在は、1階に総合案内所や「出島グッズショップ」、2階には研修室や多目的室が用意されています。 屋上のステージは「物見台」で、出島の中で最も眺めのいい場所として知られています。
前述したカピタン部屋の隣にある木造建築2階建ての建物です。「物見台」は、結構高い場所にあり、緑色が、目を引きます。1「出島グッズショップ」には、便箋やお財布、出島型の絵葉書など、出島ならではのお土産品を購入できますよ。
3.一番船船頭部屋
http://m-mikio.world.coocan.jp/dejima.html
オランダ船の船長や商館員の住まいとして使用されていた建物になります。 1階は土間になっており倉庫として使われていました。 2階が住まいで、当時の様子を再現しています。 本棚に並べられている本も当時読まれていたもので、リアリティを感じることができます。 出島の建物の多くは、1階が倉庫になっていたそうですよ。2階の居住部分には、オランダ商館の事務官が暮らしていたという「商館員の部屋」や、夏になると2隻来航するのが通例であったというオランダの貿易船の一番船の船長が滞在した「船長の部屋」などがあります。
4.一番蔵
http://www42.tok2.com/home/jinchodowhonpo/torikikou.html/2012sept22nagasaki_deji…
出島には主な倉庫が3つあり、その内の一つが「一番蔵」になります。 この蔵には輸入されてきた「砂糖」が保管されていました。 現在は、蔵の構造の模型などが展示されています。 「土蔵」という耐火性に長けている作りを学習することができます。 これらの建物は、当時の景観を再現するとともに、一番蔵では、復元の根拠やプロセスについての展示がなされています。一番蔵・二番蔵の耐火性に優れた土蔵造と、一番船船頭部屋の木造建築を題材として、復元の根拠や過程を模型や映像資料で詳しく展示してありますよ。
5.二番蔵(貿易館)
http://nagasakidejima.jp/guide-to-dejima/standard-course-west-gate
以前は染料につかった木(蘇木)を保管していました。 現在は、1階に「貿易と文化の交流」をテーマに当時の貿易品が並べらています。 時代と共に変化する貿易品の品々を拝見することができます。 出島を通して伝えられた西欧の言葉をテーマとする展示や、出島での西洋人の生活を題材にした映像中心の展示で、当時の日本人がいかにして西欧からの技術や学問を学び、吸収して工夫をくわえたかを、当時の科学機器の模型などを使って展示してあります。
6.拝礼筆者蘭人部屋(蘭学館)
http://nagasakidejima.jp/guide-to-dejima/map/10-%E6%8B%9D%E7%A4%BC%E7%AD%86%E8%8…
鎖国当時、帳簿などの筆記を担当していたオランダ人の書記が住んでいた建物になります。 現在は出島から入ってきた「蘭学」が紹介されています。 蘭学といっても分野は広く「語学」「医学」「天文学」「西洋史」「自然科学」などの資料が展示されています。「エレキテル」という摩擦起電器の模型もあります。蘭学とは、江戸中期以後,西洋諸国のなかでも唯一通商を許されたというオランダのオランダ語により西洋の学術・文化を研究する学問の総称のことです。 鎖国政策により、開国までの間、西洋知識導入の唯一の窓口となっていて、青木昆陽・杉田玄白・前野良沢ら多数の蘭学者が輩出されています。
7.新石倉(出島シアター)
http://blogs.yahoo.co.jp/kmy22jp/37779294.html
1865年に建てられた石製の蔵を再建したものになります。 現在は出島ガイダンスとして「阿蘭陀通詞の出島案内」が上映されています。 一番蔵や二番蔵との違いを感じることができます。 「阿蘭陀通詞の出島案内」は、320cmX180cmの大型スクリーンで、往時の出島での貿易の様子やオランダ商館員の暮らしぶりなどについて、とてもわかりやすく説明されています。出島でまず最初に、この説明を見るといいでしょう。
8.旧石倉(考古館)
http://blogs.yahoo.co.jp/qqzx3znd/3369245.html
1853年の安政の開国後に建てられた石製2階の蔵になります。 現在は1階に出島から出土した遺物や2階には石垣の修復について紹介されています。 出土品の中には、輸出用に作られたお皿などがあります。 施工は、南山手の大浦天主堂、オルト邸、リンガー邸、グラバー邸の施工も手がけたとされる天草の棟梁である小山秀之進です。ここには、坂本龍馬が長崎最後の滞在時期に行ったとされる商事活動で購入したライフル銃が、保管されていたといわれています。
9.旧長崎内外クラブ
http://www.news2u.net/releases/35968/items/1/
明治36年、長崎に在留する外国人と日本人の交流の場として建築されました。 現在は、1階レストラン2階展示スペースとなっています。 当時の面白いゲームやビリヤードに驚く人も多いですよ。 また「羽ペン」で文字を書く体験コーナーもあります。 1階のレストランでは、落ち着いた雰囲気の中で、トルコライスや豚角煮まんじゅう、ハトシなどの長崎ならではのものをいただけますよ。また、長崎のミルクセーキは、飲み物なのか食べ物なのかと不思議な感覚ですが、とっても美味しいので、出島の風景を見ながら、ぜひご賞味くださいね。
10.旧出島神学校
明治11年に建てられた国内最古のキリスト教(プロテスタント)の学校です。 現在は売店として使われていますが、建物内部にもたくさんの見どころがあります。 旧出島神学校は、東ゲートから入ってすぐのところに有ります。オランダ人だけが出島で通商を許されたのは、カトリックではなく、新教徒(プロテスタント)だったからだそうです。1876年に、出島に教会と神学校が造られたということです。旧出島神学校は、芝生の緑と建物の白のコントラストが美しいかわいい建物ですよ。
基本情報
- ・名称:出島(出島和蘭商館跡)
- ・住所:長崎県長崎市出島町6-1
- ・アクセス:路面電車長崎駅前から「正覚寺下行き」に乗車し、出島で下車、徒歩すぐ
- :自動車JR長崎駅から約6分[長崎自動車道長崎IC・ながさき出島道路から約1分]
- ・駐車場:専用駐車場なし
- ・営業時間:8:00~18:00
- ・定休日:年中無休
- ・電話番号:095-821-7200
- ・料金:一般510円 高校生200円 小中学生100円 ※団体割引あり
- ・所要時間:約2時間
- ・オススメの時期:オールシーズン
- ・公式サイトURL:http://nagasakidejima.jp/
11.長崎出島ワーフ
長崎出島ワーフは、出島から歩いて数分のところにある、ショッピングとレストランが楽しめる建物です。港に面していて、デッキになっている海沿いを散歩できるとあって、観光客に人気のスポットです。レストランは、カフェから中華、洋食、採れたての魚が食べられる店まで色々ありますよ!出島を観光したあとには、ぜひ長崎出島ワーフで、お食事やお茶を楽しんでください。おしゃれな雰囲気の中、海を見ながら、気持ちのよいひと時を過ごすことができますよ。
■ 基本情報
- ・名称: 長崎出島ワーフ
- ・住所: 長崎市出島1-1-109
- ・アクセス: 出島から徒歩約2分
- ・電話番号: 095-828-3939
- ・公式サイトURL: http://dejimawharf.com/
12.オランダ坂
オランダ坂は、出島から歩いて15分ところにある坂で、明治時代には外国人がよく通っていたことから名付けられました。急な坂を登った上には、現在でも、当時の洋館が残されていたり、日本で初めての女学校、活水学院があります。石畳の坂は風情があって、歴史を感じる坂道です。洋館が集まった「東山手洋風住宅群」は、7つの洋館が集まっていて、資料館として見学できる家もあります。オランダ坂に行く際には、ぜひそちらも訪れてほしいスポットです。
■ 基本情報
- ・名称: オランダ坂
- ・住所: 長崎県長崎市東山手町
- ・アクセス: 出島から徒歩約15分
- ・電話番号:095-822-8888 (長崎市あじさいコール)
13.長崎県立美術館
長崎県立美術館は、出島から歩いて4分、長崎出島ワーフのとなりに位置する美術館です。2005年に開館した美術館は、隈研吾氏によってデザインされ、国内外の賞を多数受賞しています。芝生の生えた屋上庭園は無料で行くことができ、運河の真上の渡り廊下はカフェになっており、海を望むことができます。ロビーやミュージアムショップは、ガラス張りになっていて、開放的でとても気持ちがいいですよ。長崎出島ワーフのとなりにあるので、お食事のあとにぜひ立ち寄ってみてください!
■ 基本情報
- ・名称: 長崎県立美術館
- ・住所: 長崎県長崎市出島町2番1号
- ・アクセス: 出島から徒歩4分
- ・開館時間: 10:00~20:00(事業により時間を変更することがあります。)
- ・定休日: 毎月第2・第4月曜日(休日・祝日の場合は火曜日が休館)※事業により変更になる場合があり / 年末年始
- ・電話番号: 095-833-2110
- ・料金:コレクション展 一般400円 大学生300円 小中学生200円 70歳以上300円
- ・公式サイトURL: https://www.nagasaki-museum.jp/
14.新地中華街
新地中華街は、出島から歩いて6分のところにある、日本を代表する中華街の1つです。江戸時代に中国との貿易のために作られ、現在では40軒以上のお店が並んでいます。長崎を代表するちゃんぽんと皿うどんを提供するお店も多くあるので、ぜひ本場の味を堪能してください!中華料理店の他にも、中華の雑貨屋や食品店などもあるので、長崎のお土産を見つけるのにもいいですよ。また、ランタンフェスティバルで有名な湊公園も中華街にあるので、行ってみてください!
■ 基本情報
- ・名称: 新地中華街
- ・住所: 長崎市新地町10番13号(長崎新地中華街商店街組合)
- ・アクセス: 出島から徒歩6分
- ・電話番号: 095-822-6540(長崎新地中華街商店街組合)
- ・公式サイトURL: http://www.nagasaki-chinatown.com/
15.長崎水辺の森公園
長崎水辺の森公園は、出島から歩いて9分、長崎県立美術館のとなりにある、海沿いの大きな公園です。美しい芝生の広場があり、散歩をしたり、ひなたぼっこをするだけでも気持ちがいいですよ。公園内には、海に面したイタリアンレストランもあり、最高の景色を見ながら食事をすることができます!出島周辺には、海辺に面した観光スポットが多いですが、こちらもその1つです。本格派のレストランは、夜には周りがライトアップされるので、夕食に訪れるのもおすすめです!
■ 基本情報
- ・名称: 長崎水辺の森公園
- ・住所: 長崎県長崎市常盤町1-60
- ・アクセス: 出島から徒歩9分
- ・電話番号: 095-818-8550
- ・公式サイトURL: http://www.mizubenomori.jp/
16.グラバー園
グラバー園は、イギリス人商人トーマス・グラバーが1863年に建てた住宅を含めた、長崎県で重要な建築物が集まっているスポットです。当時から現地に建っている住宅は3棟あり、他にもたくさんの移築された建築物を見学することができます。2015年には、その重要さが認められ、世界遺産に登録されました。建物を外から見るだけではなく、中も見学できるので、当時の生活を詳しく知ることができます。長崎ならではのスポットなので、出島に行く際にはぜひこちらも合わせて行ってみてください!
■ 基本情報
- ・名称: グラバー園
- ・住所: 長崎県長崎市南山手町8番1号
- ・アクセス: 出島から徒歩20分、大浦天主堂下電停下車
- ・営業時間: 8:00~18:00(入園受付は17:40終了) ※ゴールデンウィーク、夏休み、クリスマス前は夜まで営業(ホームページ参照)
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 095-822-8223
- ・料金: 大人610円 高校生300円 小中学生180円
- ・公式サイトURL: http://www.glover-garden.jp/
17.大浦天主堂
国宝・大浦天主堂は、1865年に建てられた、日本で現存する中で最も古い教会です。殉教した「日本二十六聖殉教者」に捧げられて作られた教会で、教会の中にある100年以上前の美しいステンドグラスは、一見の価値があります。建てられた翌年に、隠れキリシタンがキリスト教信仰を告白したことでも有名です。日本にある教会の中で、最も歴史的意味のある教会といっても過言ではありません。日本の歴史を知る上でも大切な建物であり、グラバー園のとなりにあるので、ぜひ合わせて見学してください。
■ 基本情報
- ・名称: 大浦天主堂
- ・住所: 長崎市南山手町5-3
- ・アクセス: 出島から徒歩18分、大浦天主堂下電停下車
- ・拝観時間: 8:00から18:00
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 095-823-2628
- ・料金: 大人600 円 中高生400 円 小学生300 円
- ・公式サイトURL: http://www1.bbiq.jp/oourahp/
18.眼鏡橋
眼鏡橋は、1634年に興福寺の住職によって建てられた橋で、アーチ型の橋が川に写ると眼鏡に見えることからこの名がつけられました。何度か水害に遭いましたが、その都度修復され、日本三名橋になっています。石造りの橋は重厚感があり、現在では車の通行は禁止されています。ランタンフェスティバルの時には、川にたくさんのランタンがかけられ、幻想的な雰囲気になります。全国でも他にはない、長崎ならではのオリエンタルな風景は、忘れられない思い出になりますよ。
■ 基本情報
- ・名称: 眼鏡橋
- ・住所: 長崎県長崎市魚の町・栄町と諏訪町・古川町の間
- ・アクセス: 出島から徒歩14分、JR長崎駅から路面電車蛍茶屋行きで4分、公会堂前下車、徒歩8分
- ・電話番号: 095-829-1193 (長崎市文化財課)
19.孔子廟・中国歴代博物館
孔子廟は、1893年に中国政府によって建てられた、孔子を祭った建物で、美しい中国建築が特徴です。色鮮やかな孔子廟は、中国に行った気分にさせてくれますよ。孔子の弟子72人の、大理石でできた像が並んでいる様子は圧巻で、後ろにある中国歴代博物館では、中国の工芸品、美術品を見ることができます。ランタンフェスティバルの時に行けば、ランタンが飾られ、孔子廟は17時以降は無料で入場できます。暗い夜に赤い明かりが灯る景色は、美しいの一言につきます!
■ 基本情報
- ・名称: 孔子廟・中国歴代博物館
- ・住所: 長崎県長崎市大浦町10-36
- ・アクセス: 出島から徒歩15分、大浦天主堂下下車徒歩4分
- ・営業時間: 8:30~17:30(入館は17:00まで)
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 095-824-4022
- ・料金: 大人600円、高校生400円、小中学生300円
20.崇福寺
崇福寺は、福建省出身の華僑の人達のために、1629年に建てられたお寺です。最初に見ることになる門「三門」は日本にはない独特の形が特徴的です。次にある「第一峰門」と「大雄宝殿」は国宝になっていて、「大雄宝殿」は長崎にある建物の中で最も古いものです。崇福寺は、すべてが中国式に建てられているので、細かい装飾を見ると、色々な発見があって楽しいですよ。中国文化も西洋文化も勉強できるのが、長崎の最大の魅力の1つですね。
■ 基本情報
- ・名称: 崇福寺
- ・住所: 長崎県長崎市鍛冶屋町7-5
- ・アクセス: 出島から徒歩18分
- ・営業時間: 8:00~17:00
- ・定休日: 無休
- ・電話番号: 095-823-2645
- ・料金: 大人300円、高校生200円、小・中学生無料
出島でおすすめの観光スポットを20個ご紹介しましたが、いかがでしたか?周辺には、グラバー園や孔子廟など、歩いて行けるところがたくさんあり、中華街や長崎出島ワーフなどではグルメも満喫できますね。ご紹介したスポットはすべて行ってほしい場所ばかりなので、ぜひ記事を参考にしてみてくださいね!
出島観光を機にもっともっと日本を好きになってもらえたら幸いです!埋め立て地であるこの場所ですが現在と違って昔の土木技術では、かなり大変な作業だったのだろうと思います。歴史上の人物やこの時代の方々が頑張って思い思いに作ったこの町を、再現されたものではありますが訪れて肌で感じてみてください。また、近くにはハウステンボスもありますし、お土産にカステラを買うのもいいのではないでしょうか。ぜひ素敵な旅の思い出を作ってください。