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ミキモト真珠島は、鳥羽湾内の小さな島全体が、丸ごとレジャー施設になっています。創業者の「御木本幸吉」が世界で初めて養殖に成功した場所として知られていますが、ここでは、博物館や記念館、海女さんによる潜水作業の実演などを通じて、パールのディープな世界を学べます。海外からも多くの人たちが訪れる、三重県を代表する観光スポットの1つで宝石に興味がある方はもちろん、パワースポットやおいしいグルメもあるので、気軽に行ってみて下さいね。
1.ミキモト真珠島とは
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/6b/Mikimoto_Pearl_Island_from_To…
御木本幸吉が世界で初めて真珠の養殖に成功したといわれる小島を、レジャー施設として整備したのが、ミキモト真珠島です。養殖真珠の発祥の地であるミキモト真珠島では、養殖真珠にまつわる様々な展示物が公開されています。
年間25から26万人が訪れるこのミキモト真珠島。鳥羽観光をするなら外せないスポットですよね。真珠工芸品や海女さんの実演が催されるので、ぜひ覗いてみたい!パンフレットは多数の言語が揃っており、インバウンドにも力を入れているんです。
施設情報
パールプラザはパールミュ―ジアムに隣接しており、真珠にまつわる様々な製品を購入することができます。おみやげなども買えるので、ぜひ寄ってみてくださいね!シェルレーヌなどの隠れた名品があるので、お見逃しなく♪■ 基本情報
- ・営業時間:8:30~17:30(閉園時間は季節によって変わります)
・定休日 :12月第2火曜日から3日間 - ・住所 :〒517-8511三重県鳥羽市鳥羽一丁目7-1
- ・入園料 :大人1500円 小人(小・中学生)750円
- ・駐車場 :あり
2.シャネルも愛したミキモトの真珠の展示物
ミキモト真珠島の「パールミュージアムコレクション」では、
・ミキモトクラシック
・アンティークジュエリー
・美術工芸品
の三部門のコレクションが展示されています。
フランスのファッションデザイナー、ココ・シャネルをも魅了したというミキモトの真珠の美しさを堪能することができます。ミキモトによって作られたパールコレクションだけでなく、アンティークジュエリーも展示されています。
ミキモトは1899年に銀座出店を果たし、その後、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、上海に支店を次々にオープンさせました。その美しい輝きのゆえに、限られたハイジュエラーも気にいるブランドになったわけです。
国宝級?ここでしか見られないミキモトコレクション
展示されているものの中には大正時代に作られた国宝級の貴重なコレクションもあります。この作品を見るためだけに海外から観光客も訪れることがあるようです。
最近ではいろんなコラボ商品が出てきており、ミキモト真珠とハローキティのコラボ商品は特に人気があります。ピアスやリングなど、趣向をこらした作品は真珠にこだわる女性にぴったりのもの。見ているだけでうっとりしてしまうジュエリーです。
3.真珠博物館
長く続いた天然真珠の時代から、御木本幸吉が成功してはじまった養殖真珠の時代まで、真珠の全てがわかるのが、国内初の真珠を専門とした博物館の真珠博物館です。真珠博物館には、天然真珠時代を飾ったアンティークジュエリーや、ミキモトの創成期に作られたミキモトクラシック・コレクションなど、貴重な美術工芸品が展示されています。真珠が出来る仕組みや、真珠の美しさの秘密がわかる展示や、スタッフによる説明があります。
第三展示室では自然科学の視点から真珠を取り扱っています。真珠のできる仕組みや真珠を育てるアコヤガイについて展示し、核入れ技術のメカニズムについても言及しています。専門のスタッフが解説してくれるので分かりやすいですよ。
4.海女さん実演
現在、全国にいる多くの海女は、ウェットスーツを着て海に潜ります。そのため昔ながらの白い磯着を着たあまちゃんを見ることができるのは、全国でも真珠島だけといわれています。
一般に言われる海女さんは真珠を生み出すアコヤガイのみならず、数多くの貝類や海藻を採集していたんです。ダイビング機器を全く使用せず完全な素潜りで長時間海の中に潜っていることができる、そのスキルはすごいものですね。
真珠養殖を支えた海女の姿
現在は養殖の技術が発達しているので、海女の必要はなくなっています。しかし、真珠養殖を支えた海女の活躍を現在に伝えるために、真珠島では、海女の実演が行なわれているのです。
かつて海人さんの存在は真珠の養殖には必要不可欠なものでした。海女さんたちは白い服を来て海底に潜ってはアコヤガイを採取します。真珠の種を貝殻の中に入れて、もう一度自然の状態に戻します。この工程に海女さんの働きが必要だったわけです。
5.ミキモト真珠島の歴史
明治25年に日本で初めて養殖に成功した相島(おじま)が、昭和26年にレジャー施設である「ミキモト真珠島」の始まりとされています。
御木本幸吉の切り開いた真珠という産業。三重県が誇る真珠産業は、現在でも多くの人に評価されています。御木本幸吉が切り開いた道はどのように成功していったのでしょうか。過去のミキモト真珠島に関する歴史を見てみましょう。
エリザベス女王も来島
昭和4年に島内設備が完成すると、各国の王国や貴族など、日本に来日した際には必ず訪れたとも伝えられています。第二次世界大戦に伴い、施設の大半は荒廃してしまったものの、昭和25年から再整備が行なわれ、現在の真珠島の姿になりました。
エリザベス女王が来日した際にはかなりのVIP待遇で真珠島の紹介がなされ、海女さんたちが総動員で、ミキモト真珠島の良さをアピールしました。エリザベス女王がミキモト真珠島を出る際には海女さんたちが見送りをしたそうです。
真珠王・御木本幸吉
真珠島の歴史には、ミキモトの創業者で、世界ではじめて真珠の養殖に成功し、さらには養殖真珠の質を守ることに多大な努力を傾けたという、真珠王と賞賛された御木本幸吉の存在は欠かせません。真珠王の称号だけでなく、世界に誇れる日本の十大発明家のひとりにも選ばれています。鳥羽にあったうどん屋「阿波幸」の長男として生まれた幸吉は、アコヤガイの保護と増殖に取り組む中で、明治26年(1893)に世界ではじめて真珠の養殖に成功しました。はじめは半円形した養殖真珠でしたが、明治38年(1905)に真円真珠の養殖を成功させました。
御木本幸吉のおじいさんに当たる吉蔵は「後ろに目があるような人」と呼ばれ、物事を見通す商才があると言われていたんです。その血を受け継いで、御木本幸吉も真珠を使ったビジネスを成功させました。御木本幸吉は商才だけでなく向上心と社交性にも恵まれていたんです。
6.真珠の作り方
真珠島のメインとなる建物が真珠博物館です。真珠専門の博物館としては、日本で初めて作られたものになり、真珠の作り方や養殖方法などを学ぶことができる人気の施設になります。
真珠の歴史から真珠作りまで
真珠の歴史から現在に至るまでの真珠の養殖方法、真珠のアクセサリーの作り方まで紹介されています。これであなたも真珠博士になれるかも?
養殖真珠が出来るまで
養殖真珠は、天然真珠が出来る仕組みを応用しており、アコヤガイを代表とする6種類の真珠母貝に、ピースと呼ばれる外套膜と核を、核入れ手術で母貝に移植することから始まります。核入れが行われた真珠母貝は、手術後は沖の漁場で本格的な養殖に入る前に、養殖場の近くの海で養生し、そのあとで沖の漁場にあるいかだに移されます。真珠が育ち上がるまでには、およそ1年半の月日が必要で、その間には貝そうじや、赤潮、台風の対策、避寒のための移動などが行われます。
寒さが厳しくなる冬の最中に、浜上げと呼ばれる真珠の水揚げ作業が行われ、真珠母貝から真珠を取り出し選別します。母貝を作る人工授苗から真珠が出来るまでには、4年もの月日が必要とされます。
海女さんの仕事
美しい真珠養殖を生み出すために海女さん達は、真珠母貝となるアコヤガイの採取から、養殖真珠が育ち上がり水揚げするまで、危険を伴う様々な養殖作業を一手に引き受けていました。海女さんの仕事の内容は、海底に潜って真珠母貝となるアコヤガイを採取し、核入れしたアコヤガイを海底に戻し、赤潮、台風時には安全な場所へ貝を移すなどの作業を行っていました。今では養殖技術の発達により、海女さんの手を煩わすことなく、真珠が育てられるようになりました。
7.ラブラブの石
御木本幸吉氏の銅像の近くにあるパワースポットが、ラブラブの石です。縦横約53㎝の大きなハート型の石は、島内の人気スポットでもあります。他にも「願いの井戸」「珠の宮」など島内には様々なパワースポットが存在します。
海女さんが発見?!
ラブラブの石は、真珠島の海女さんの一人が発見された石です。見付けた海女さんは、この石から愛情のパワーをもらったためか、夫婦仲良く家族円満といわれています。
8.珠の宮
ミキモト真珠島のパワースポットのひとつとされる珠の宮は、ミキモト真珠島と称した相島に、和銅年中710年頃に創建されたと伝えられています。明治40年(1907)に珠の宮は、鳥羽城跡にあった大山祗神社に合祀されましたが、戦後になって御木本幸吉により相島に再建されました。珠の宮には、夫婦神であった珠の宮の豊受気姫命と大山祗神社の大山祗命の両祭神は、海に距てられた地に鎮座しているため、夜になると白い龍蛇となり海を渡り相通ったという伝説が残されています。この伝説や御木本幸吉の長寿などから、珠の宮には縁結び、長寿、繁栄の御神徳があるとされています。
9.願いの井戸
ミキモト真珠島のもう一つのパワースポットは、樹齢200年を越すというマツやクスノキの原生林に囲まれた森の中、願いの井戸と呼ばれている珠の宮のお社の手前にある古井戸です。願いの井戸脇に置かれているアコヤガイの貝殻に、願いをひとつだけ書いて井戸に投げ入れ、沈み行く間に願いを祈念します。アコヤガイが長い年月を経て真珠を育むように、願いがいつの日にかかなうとされています。
10.阿波幸
ミキモト真珠島の父となる御木本幸吉が生まれた生家は、阿波幸の名で鳥羽でうどん店を営んでいました。ミキモト真珠島のパールプラザ2階には、幸吉の生家であった阿波幸の名を付けたレストランがあり、真珠島ならではの食材を使ったメニューの数々を味わうことが出来ます。阿波幸のメニューには、真珠を育むアコヤガイの貝柱を使った貝柱醤油煮、貝柱フライ、貝柱うに和えといった阿波幸自慢のアコヤガイ貝柱料理があります。貝柱入りの海の幸ピラフ、シェル形のバンズにアコヤ貝の貝柱フライが、野菜と一緒にサンドされているアコヤサンドセットなどがあります。
■ 基本情報
- ・名称: 阿波幸
- ・営業時間: 9:00~16:00
- ・定休日: ミキモト真珠島に準ずる
- ・電話番号: 0599-25-2028
- ・公式サイトURL: http://www.mikimoto-pearl-museum.co.jp/enjoy/delicious_experience.html
11.お土産
パールプラザの1階にあるバールショップでは、真珠をはじめとしたミキモト真珠島のお土産の数々が揃っています。パールショップでは、パールジュエリーやアクセサリーが、手頃なものから高級品まで揃っています。海女さんが身につけている魔除けの印『ドーマン・セーマン』を、綺麗に磨いたアコヤガイの貝殻に彫り込んだドーマン・セーマンアクセサリーは、パールショップでしか買い求められない一品です。
■ 基本情報
- ・名称: パールショップ
- ・営業時間: ミキモト真珠島に準ずる
- ・定休日: ミキモト真珠島に準ずる
- ・電話番号: 0599-25-2028(ミキモト真珠島)
- ・参考サイトURL: http://www.mikimoto-pearl-museum.co.jp/plaza/index.html
12.相島とミキモト真珠島
御木本幸吉が英虞湾で真珠養殖に取り組んでいたものの、大規模な赤潮発生のために全滅してしまったのち、鳥羽沖にある相島で育てていた貝によって、世界ではじめての真珠養殖を成功させました。真珠養殖によって真珠王となった幸吉は、養殖真珠誕生の地として相島を整備し、昭和4年(1929)に「真珠ヶ島」名付けて公開しました。戦中・戦後の閉鎖、限定公開を経て、相島(真珠ヶ島)は昭和26年(1951)に、美しい鳥羽湾に浮かぶミキモト真珠島として開島されました。
13.アクセス
鉄道で向かう場合は、JR参宮線・近鉄鳥羽線の鳥羽駅が最寄り駅となっていて、駅からは徒歩8分ほどの距離となっています。鳥羽駅には、名古屋方面からは近鉄特急かJR東海・快速みえの利用となり、大阪・京都方面からは、近鉄特急の利用となります。
車で向かう場合は、伊勢自動車道から伊勢二見鳥羽ライン、国道42号線を経由するルートと、渥美半島の伊良湖と鳥羽を結ぶ伊勢湾フェリーを利用するルートがあります。
航空機を利用する場合は、セントレア(中部国際空港)から名鉄と近鉄orJR東海を利用するルートがあります。セントレアから津エアポートラインで伊勢湾を横断して、津なぎさまち港もしくは松阪港へ行き、津駅もしくは松阪駅から鉄道を利用するルートもあります。
ミキモト真珠島では、国宝級のコレクションの展示をしているので「とても手がでない」という気持ちになってしまうかもしれませんが、日常使いもOKの手ごろなお値段のものも販売しています。皆さんも全国に店舗があるので、どこかで見かけたことがあると思いますが、見てみたい気持ちはあっても「店員さんに声を掛けられるのでは」と敬遠している方もいるのではないでしょうか?でもこちらでは時間の許す限りじっくり、心行くまで鑑賞してくださいね。あのココ・シャネルが魅了したコレクションは必見です。また、お店よりも安いので、記念にプレゼントしたり自分のご褒美の為に購入するのもいい思い出になるかも知れません。楽しい旅にしてくださいね。