韮山反射炉だけじゃない！静岡県内に残る産業遺産5選

東西に長い静岡県には2015年7月に世界遺産に登録された韮山反射炉のほか、数多くの産業遺産が残されています。中には国内で唯一現存！というものも。 今回は珍しいものも含め5つ紹介します。 
 

1 . 清水港テルファー

「テルファー」と聞いて、ピン！と来る方は あまり多くないと思います。テルファーとは、木材の積込用連続クレーンのこと。延長110メートルのレール部分に運転室が連結された巻揚装置がついています。そして運転室からの指示により木材が引き揚げられ、貨物列車への積込みをしていました。

人の手では丸一日かかっても1両分しかできなかった貨物列車への積込が、テルファーを使うとわずか48分でこなせるようになったのです。まさに産業遺産ですね。

国内に現存する唯一のテルファー

このテルファーは海外貿易が盛んで、外国からの積荷として毎日大量の木材などが入港していた清水港には昭和3年(1928年）に設置されました。その後、昭和46年(1971年)まで活躍し、現在では清水マリンバーク内で保存されています。間近で観ると迫力満点ですよ。
 

2 . 旧南葵(なんき)文庫 (現・星野リゾート　ヴィラ・デル・ソル)

風光明媚な地として知られる熱海・伊豆山。「旧南葵文庫」は、この地にある高級リゾートホテル ヴィラ・デル・ソルのレストランとして多くの利用客に親しまれています。この一見、瀟洒な雰囲気を持った西洋館の前身は、なんと我が国最初の西洋式図書館！　紀州徳川家の15代目当主・徳川頼倫(よりみち)が、明治32年(1899年)に都内にある邸内に建設しました。

施設が全て整った明治41年(1908年)からは一般公開されましたが、大正12年(1923年)に起きた関東大震災にわり東京帝国大学図書館が焼失したため、全蔵書を寄贈し閉館してしまいました。12万冊に及ぶ蔵書を寄贈するなんて、さすが殿様、気前が良いうえに国にとって有益となる物をご存じですね♪  
 

海を眺めながらディナーを味わえます

昭和8年(1933年)に大磯へ別荘として移築されて「VILLA DEL SOL(ヴィラ・デル・ソル)」と名付けられた旧南葵文庫は、昭和62年(1987年)に現在地へ移築。現在では1階にあった旧客室2室をサロンとして、2階にあった旧閲覧室と旧庫主室がレストラン、配膳室には旧主幹室をそれぞれ使用しています。

ギリシア神殿を真似た玄関ポーチや、凝った意匠の暖炉やステンドグラスなど見どころが随所にあります。館内はホテル及びレストランの利用客に公開中なので、州の殿様の別荘だった空間で、贅沢な雰囲気を味わってみませんか？
 
 

3 . 大井川鐵道の施設群

写真提供:みかりんご。SL列車の動態保存で有名な大井川鐵道は、その本社社屋をはじめ各施設の殆んどが木造で歴史を感じさせてくれます。大井川上流部からの木材輸送と発電事業のために創立され、昭和6年(1931年)に金谷─千頭間の全線が開通しました。奥大井と川根沿線の発展に、大井川鐵道は欠かせない存在だったんですね。   
 

必見！人力回転の転車台

現在でも木造2階建の新金谷駅舎は1階が駅舎、2階は本社として使用されています。大井川鐵道では、この新金谷駅以外の駅舎も昭和初期の開通当時の姿を留めています。ノスタルジックな駅舎めぐりも楽しいですよ。

【大井川鐵道】子供に大人気!! 機関車トーマス千頭駅での人力転車台回し！ http://t.co/cvZm8ytBms

— 京浜急行マニア (@keikyumania) 2015, 10月 12

プラットホームの上屋部分には、古いレールを再利用して造られたものも。駿河徳山駅の上屋には、イギリス製の古いレールが再利用されいるので、機会があれば是非ご覧くださいね。大井川鐵道本線の終点・千頭駅には、重いSLを乗せたまま、2 ～ 3人の力で方向転換させることができる転車台も残されています。

大井川鐵道に乗車すると、産業遺産を身近に感じることができそうですね♪ 「たそがれ終電きっぷ」などお得な切符や割引クーポンも販売しています。 

4 . 相良油田油井

石油輸入大国・日本。でもそんな我が国にも石油の産出地が何ヵ所かあります。ここ相良油田は、太平洋沿岸で唯一の石油産出地。採取された原油はとても良質なので採掘当時は精製せず、そのまま発電機やオート三輪などの燃料として使われていました。原油を直接燃料にできるなんて驚きですね。
 

今でも原油が出ています

昭和30年(1955年)に相良油田での石油採掘事業は幕を閉じました。しかし1基だけ残っている油井(ゆせい)からは、今でも少量の原油が出ているとのこと。毎年5月には、その原油を利用してオートバイを走らせるイベントも開催しています。周囲にある原油の手掘り井戸小屋(復元)や、相良油田資料館もあわせてどうぞ。   
 

5 . 鹿島橋

長野県の諏訪湖に源を発し、浜松市天竜区西鹿島付近で大きく曲がっている天竜川。この曲がっているところに掛かっているのが「鹿島橋」です。上部の曲線が特徴的なこの橋は、昭和12年(1937年)に開通しました。これにより浜松─天竜間の往来が、より活発になりました。 
 

橋脚は僅か2本

この鹿島橋。よく見ると橋脚が2本しかありません。三角形(トラス)と上部の曲線の構造原理により、たった2本の橋脚だけでの架橋が可能になったのです。なおこの橋脚間(スパン)は102メートルあり、現存する戦前架橋のトラス橋の中では、国内最大のスパンを誇っています。

車で通過すると揺れを感じることができる鹿島橋。一度渡ってみませんか？
 

訪れた人の声

大井川鐵道102列車と電鈴式踏切 ＳＬかわね路2号 駿河徳山駅にて。 ほんと昭和。 pic.twitter.com/vdo0ysLgkY

— せっそ峡@かじさん (@ikawa_line) 2015, 11月 7

清水エスパルスドリームタウンに産業遺産があるって知っていますか？ その名は「清水港テルファー」。 水運と陸運をつなぐ役割を担っていました！ pic.twitter.com/KvWP5FtCzk

— 太陽の地図帖 (@taiyonochizucho) 2015, 5月 25

お疲れ様ですヽ(ﾟ∀ﾟ)ﾉ! 今日は日差しが暑かったけど、気持ちいい一日でした(o^^o)♪ ありがとうヽ(ﾟ∀ﾟ)ﾉ! 浜松、天竜の今の空 鹿島橋から

この記事に関係する

• 

  美ら海水族館お楽しみガイド

• 

  石垣島の楽園スポットランキングBEST10！いざ、ニライカナイの旅へ☆

• 

  ほっこり乗馬体験！キュートな宮古馬に会いに行こう

• 

  小浜島のおすすめビーチまとめ。綺麗な海を満喫したい！

• 

  今年は沖縄離島に行きたい！石垣島ってどんなところ？

• 

  池間島に行きたくなる観光ガイドまとめ。宮古島から橋を渡れば穴場のビーチ！