Tadashi Okoshi
ランドマークにもなっている東京都中央区の複合施設、聖路加ガーデン。その周辺の都会の街並みの中には、実はいくつもの史跡が残されています。今回はその中から、「蘭学事始地」についてご紹介します。蘭学事始地とは?
聖路加病院前の交差点の辺りにあります。ここは豊前中津藩奥平家の下屋敷のあったところです。この場所で藩医で蘭学者の前野良沢(1723年~1803年)や、蘭学医の杉田玄白(1733年〜1817年)らがオランダ語の医書ターヘル・アナトミアを初めて翻訳し、「解体新書」五巻を完成しました。蘭学事始地の魅力
「解体新書」を完成させたのは1774年のことです。これは日本で初めての西洋語からの本格的な翻訳書として知られています。この本によって、当時としては最先端の蘭方医学が日本に広まりました。蘭学事始地はその苦労などを描いた杉田玄白の著作、「蘭学事始」に因んでいます。見どころ
石碑蘭学事始地には、大きな本を開いた形の石碑が立っており、解体新書の人体図をモチーフにした絵が彫られています。蘭学はもともと江戸時代に長崎からもたらされたものですが、その所縁の地が東京都内にもあることに驚く方もいらっしゃるかもしれません。すぐ隣の石碑にもご注目
蘭学事始地のすぐ隣には、「慶應義塾発祥の地」の碑も立っています。それらを合わせて見て回ると、この辺りには日本史に残る多くの出来事が起こった土地なのだと分かります。近隣史跡も合わせて散歩♪
聖路加ガーデンの周辺やそこから歩いて行ける範囲には、立教学院発祥の地や女子聖学院発祥の地、外国人居留地に因む住居跡や銅像など、探すと驚くほど多くの史跡が残されています。もしかしたら、普段何気なく通っていた道にも、そのような史跡が残っているかもしれません。訪れた人の声
建学の碑の数々を見ると、この地が、150年近く前には時代の最先端の地であることがわかり 感慨深いものがあります。
http://travelchance.blogspot.jp/2015/02/blog-post_21.html
http://blog.miyazakiad.co.jp/archives/492
場所
基本情報
- ・名称:蘭学事始地
- ・住所:東京都中央区明石町11
- ・アクセス:地下鉄築地駅から徒歩5分