長野名物「栗ようかん」栗好きにはたまらない絶品和菓子を知ろう

「甲州ぶどうに紀州みかん、栗は信州小布施（おぶせ）栗」。はやくも江戸時代にそう言われるようになりました。約600年前に丹波から移植した栗林が広がり、栗は幕府にも上納されました。栗を生かした「栗ようかん」も、栗好きにはたまらない絶品和菓子です。

１．栗ようかんとは

ようかんは、寒天を煮溶かして砂糖と小豆を加えて練りながら型に流し入れて固めたもので、それに蜜煮の栗を散らして入れたものが栗ようかんです。裏ごしした栗だけで作った栗ようかんもあり、秋には、賞味期限の極めて少ない栗ようかんも出回ります。

２. 栗ようかんの特徴

栗は、自然のまま放置しておくだけでよく、毎年の味も変わりがないと思われるかもしれませんが、実は寒暖の差が大きいほど味が良くなります。夏が暑いと栗の出来が良くなり、濃厚でコクのある栗本来の味が楽しめます。その意味ではワインの材料のブドウと似ているところがあります。

３．栗ようかんの買えるスポット

桜井甘精堂

1808年、創業者桜井幾右衛門が栗を粉に挽いて「栗落雁」を作り、その11年後、弟の武右衛門が栗餡を練って砂糖と寒天を加えて「純栗ようかん」を創製しました。

これが小布施の栗ようかん事始めです。今では、栗ようかんの中に、のちに開発された「栗かの子」（栗の甘露煮）を練り込んだ「栗かの子ようかん」や「一口栗ようかん」も売り出されています。

毎年9月には、原料の栗をそのまま練って「舟」と呼ばれる型に入れて作る昔ながらの製法で作る「新栗舟流しようかん」が数量限定、保存期間限定で売り出されます。

栗庵風味堂

小布施の栗を中心に国産栗で栗各種の甘み製品を売り出しているこちらは、1864年の創業。クレープ等栗を使いつつも、新しいモノ創りに力も注ぐ一方、小売りは原則県内だけに絞っています。
栗ようかんは、桜井甘精堂のよりは甘みは強いです。

竹風堂

こちらの店は1893年に誕生し2016年は創業123年のめでたい年。小布施の栗を中心に国産栗を原料にして創った銘菓のトップが、栗粒の入らない、全部栗でできた栗ようかん。甘みは控えめで、栗の風味が強いです。約40年前から、製造卸しでなく飲食部門を持った小売りもする業態に変えてきました。
県内に直営12店舗を持つほか、高速道路のサービスエリア、百貨店の催しでもお目にかかれます。

小布施堂

こちらは、町内に宿泊施設や、食事処を設けているお店。栗ようかんは、やや柔らかめ、栗渋の風味が少しあり栗本来の味を出そうとしているようです。栗ようかんのほか、夏用に「水栗（水くり）」と呼ぶ栗で作った水ようかんがあります。また、秋には、新栗を使った商品が特定の店限定で出ます。「栗ようかん槽（ふな）流し本練り」は、栗をつぶして固めたような濃厚な味わいで、コーヒーにも合います。

松仙堂

小さなお店ですが、栗を自園栽培して栗ようかんや、栗かの子を作っています。夏は、栗水ようかんを発売しています。自園栽培しているだけに、ブログで栗の生育状況をアップしている点がちょっと違います。

長野名物「栗ようかん」の元になる小布施の栗。自分で栗拾いもしたければ、小布施町では他の果樹も含め「小林農園」（小布施町大島８）http://www.kobaen.comへ。電話は090-4967-0922。朝8時頃から18時頃まで畑で汗をかいているのでこの携帯に電話してほしい、との事です。