どこまでも続く青い空と青い海、サンサンと照りつける太陽、その下には真っ赤に咲くハイビスカス…。沖縄を想像した時に頭に浮かぶイメージは、まさにこのような感じではないでしょうか? 『IBISCO(イビスコ)』は、イタリア語でハイビスカス。沖縄の象徴を店名として掲げ、2015年11月22日に那覇市おもろまちにオープンしました。
腕を振るうのは、調理師専門学校を卒業後、静岡のホテルで1年間、その後に東京神楽坂の老舗イタリア料理店『カルミネ』で約3年修行を積んだ安室 優(あむろ ゆう)さん。東京出身ですが、ルーツは沖縄です。 シェフになろう! と決めたのは高校生の時だったそう。 自分の将来について考え始めた頃「好きなことをやりながら一生暮らしていける。これ以上幸せなことってないんじゃない?」と当時アルバイトをしていた居酒屋の店長さんに言われたひと言が、料理の道へ進むはじめの一歩を後押ししてくれたのだと言います。奥様の園美(そのみ)さんは元グラフィックデザイナー で、現在はお店のパンフレットやショップカード、ランチョンマットなどをデザインし、サービスもこなします。
カルミネでサービスと調理を修行している間に「将来は独立したい」という夢ができ、その夢が目標へと変わり、現実へと近づいていきました。「お店をオープンする際は沖縄で!」という思いが芽生えたのは16歳の時。 キッカケは、ロケーションが魅力的な南城市(なんじょうし)の『カフェくるくま』に行ったことでした。 圧倒的に美しい景色が優さんの心をつかんだのです。そしてこの夢は、沖縄に故郷を持つお父様の希望でもありました。沖縄で生まれ、10 代で東京に出たお父様。外から沖縄を見てきたからこそ気づく沖縄の良さや魅力があったのかもしれません。
「イビスコは夢の第一歩なんです。最終目標は、慶良間(けらま)諸島にある無人島 安室島(あむろじま)で1日1組限定のオーベルジュをオープンさせること。ちょっと大き過ぎる夢…かな?」と優さん。 いえ、そんなことはありません。夢は大きく、志は高く。その夢、きっと叶えてください。
贅沢な厚みにスライスされた「沖縄近海マグロのカルパッチョ」は上品で透き通るような味わい。カルパッチョの誕生は、赤と白の作風が評価された ヴェネツィアの画家 カルパッチョの作品を、生の牛肉と白いソースで表現したことが始まりだと言われています。そんな赤と白を沖縄の食材で表現したかった優さんは、マグロの赤身を採用しました。白はチーズのソースです。「沖縄にいるんだから沖縄食材を使いたいし、その土地ならではのモノを積極的に取り入れたい」そう話します。
「熟成伊江牛のタリアータ」は、表面をサッと焼き、その後ゆっくりと低温のオーブンで仕上げるため、仕上がるまでには時間がかかります(40分以上かかってしまうとのことなので、最初にオーダーするのが良いかもしれません)。デリケートな火入れによって引き出されたお肉の美味しさに、私は一口目から魅了されました。柔らかなお肉からたっぷりの肉汁が溢れ出て、口の中は幸せで一杯に♪ お肉の仕上げには、様々な沖縄の塩と食べ比べし、最も相性の良かった屋我地島(やがじしま)の塩を使っているそうです。
ハンダマ、ツルムラサキ、ビーツ、ビーツの葉、黒人参、金美(きんび)人参… お料理に添える野菜やハーブ・サラダは、糸満(いとまん)の岸本ファームのものを中心に。畑に行くとインスピレーションが湧くため、定期的に通っているそうです。「その土地ならではの食材を使って、ここに来ないと食べられないものを作りたい」と優さん。
カルミネの看板メニューを多くの人に食べてもらいたいと思い、再現した「ラザニア」はランチタイムだけのお楽しみ。数量限定です。
牛ひき肉を赤ワインとトマトの水煮でコトコト3時間ほど煮込んだミートソースと、作るのにかなりの体力と根気と時間が必要なベシャメルソースが 惜しみなくたっぷりと使われています。濃厚なコクと芳醇な香り、リッチな味わいのラザニアは、間違いなく心を鷲づかみにする一皿です。
こちらで扱うワインは50種類以上。全てイタリアワインです。長年培った独自のルートで仕入れ、中には沖縄では滅多に手に入らない希少ワインも。
「お客様に対して常に正直に」。この思いを大切に、料理もワインも自分が「これは美味しい!」と思ったものしか提供しません。沖縄に居ながらにして、イタリアに行ったかのような空間と食事と雰囲気を味わってください。沖縄食材で作るイタリア料理とワインのマリアージュを心ゆくまで堪能しましょう ♪
IBISCO(イビスコ)
- 住所/沖縄県那覇市おもろまち2-3-16 1F
- 電話/ 098-988-3111
- 営業時間/ランチ11:30~15:00(L.O.14:00)、ディナー17:30~23:00(L.O.22:00)
- 定休日/火曜日
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