田んぼアート駅をご存じですか?青森県南津軽郡田舎館村にある弘南鉄道弘南線の駅で、なんと作品を見るためだけに作られたという、一風変わった名所。文字通り田畑をキャンバスにアートをしたものなのですが、とにかくクオリティがすごい!色の違う稲を絵の具に見立てて様々な絵柄を表現しています。
青森県にある「田んぼアート駅」は、田舎館村の村おこしの一環として作られた観光スポットです。残念ながら”田んぼ以外何もない”と揶揄されるほど田舎の風景が広がる村でしたが、アートに力を入れることによって全国的に知られるようになりました。今回はその作品たちや、制作の裏側まで紹介しちゃいます♪
名作映画やあの人気マンガまでがモチーフに!この記事を見れば、一度は行ってみたいリストに入るでしょう。
田んぼアートって?
2015年の田んぼアートはこれ!
「風と共に去りぬ」第一田んぼアート
映画「風と共に去りぬ」のポスターにもなっている場面が、忠実に再現されました!11種類の稲を使って、7色で描いているそうです。人の顔や影など、細かい部分まで凝っていてすごい!最初はCGでデザインを考えてから、手作業で稲を植えていくようですよ。場所:田舎館村役場・東側水田(役場天守閣より見学可)
「スター・ウォーズ」第二田んぼアート
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映画「スターウォーズ/フォースの覚醒」が12月に公開ということで、映画を題材にした田んぼアートになっています。おなじみの「BB-8」「R2-D2」「C-3PO」といったキャラクターも描かれていますよ♪海外からの注目度も高そうですね!こちらは7種類の稲、7色を使っています。 場所:道の駅いなかだて・弥生の里(展望所より見学可)
過去の田んぼアートも見てみよう!
2014年「サザエさん」
2013年「ウルトラマン」
2012年「七福神」
田んぼアート駅ってどの辺り?
田んぼアート駅は田舎館駅から弘前方へ約500m、道の駅いなかだてに隣接する大曲踏切付近にあります。田んぼアート第2会場の最寄り駅として、2013年7月27日に開業しました。余談ですが、田んぼアート駅のすぐ隣、道の駅弥生の里に隣接している池の形に注目です。世界地図に似ていませんか?地球池と呼ばれているんですよ!
弘前駅から田んぼアート駅の時刻表は こちら
4月から11月末までの期間中は、季節営業駅なので停車します。
■ 基本情報
- ・名称: 田んぼアート
- ・住所: 田舎館村役場庁舎東側水田(役場天守閣より見学可)/道の駅いなかだて・弥生の里
- ・アクセス: 「田んぼアート駅」より徒歩すぐ
- ・開催時期:2015/06/01~2015/10/12
- ・営業時間: 9:00~17:00
- ・定休日 :なし(期間中は土日祝も営業しています。)
- ・電話番号: 0172-58-2111 田舎館村企画観光課 商工観光係
- ・料金: 大人200円、子供100円(小学生)
- ・公式サイトURL: http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000739.html
第1田んぼアート(田舎館村展望台)と第2田んぼアート(弥生の里展望台)を結ぶシャトルワゴンを無料で毎日運行しています。
周辺観光スポットも巡ってみてね!
弘前城
Blue wind
青森県弘前市にある弘前城。春には桜祭りが開催され見応え抜群です。冬も雪化粧をし、四季問わず様々な顔を見せてくれます。家族連れやカップルにも大人気のスポットですよ。 猿賀神社十五夜大祭
http://blog.livedoor.jp/conzaghi/archives/51908863.html
一年を通して様々な行われていますが、特に秋の旧暦8月14日~16日に行われる十五夜大祭は注目です!津軽三大秋祭りの一つに数えられ、五穀豊穣を感謝する大祭。 津軽神楽奉奏をはじめ、獅子踊大会や民謡大会などが行われます。 五能線
秋田県を起点とし、日本海を北上していきます。途中、白神山地を周りながら青森県で終点となる、全長147.2.kmの路線となります。快速列車「リゾートしらかみ」は1日3往復、普通列車に限っては1日1本の下りのみの運行です。上の写真は夏から秋の景色、下の写真は冬の景色になります。
すごく寒そうですが、迫力満点です!みなさん、きっと津軽海峡を口ずさみながら旅を楽しんでることでしょう♪
見るならココ!田んぼアート鑑賞スポット
田舎館村展望台(第一田んぼアート会場)
せっかく訪れたのなら、1番美しく見られる場所で鑑賞していただきたい田んぼアート。しっかり眺められるのは2か所あり、その1つが田舎館村展望台です。ここはお城と見間違うような立派な建物となっており、まさに田んぼアートを眺めるために作られたような場所。4階のデッキから下を見れば正面にアートが広がります♡6階の天守閣にも登ることができるので、天気のいい日には是非登ってみたいですね!田んぼアートを鑑賞し、最高の角度から撮影するのもここがおすすめですよ!
■ 基本情報
- ・名称: 田舎館村展望台
- ・住所: 青森県南津軽郡田舎館村田舎舘中辻123−1
- ・アクセス:田んぼアート駅から西へ徒歩25分
- ・営業期間: 2015年は5/30~10/10 ※稲の状況などにより毎年変更あり
- ・営業時間: 期間中は9:00~17:00(夏休み期間は8:30~18:00まで)
- ・電話番号: 0172-58-2111(田舎館村企画観光課 商工観光係)
- ・料金: 大人(中学生以上)300円、小学生100円。天守閣に行く場合は大人200円、小学生100円がプラスされます
- ・オススメの時期: 5月下旬~10月上旬
- ・公式サイトURL: http://www.vill.inakadate.lg.jp/docs/2013050200014/
道の駅いなかだて 弥生の里
田んぼアートは2つの会場で行われています。そのため、上で紹介した田舎館村展望台の他にももう1つアートが作られているんです。それが第2田んぼアート会場となっている道の駅いなかだての「弥生の里」。およそ14メートルの高さからアートを鑑賞できますよ!田んぼアート駅から徒歩ですぐの場所にあるので、比較的こちらの方が人が多いかもしれません。ですが、中には第1会場を見た後にこちらにも足を運ぶ人もいるので、せっかくなので両方見比べるのもいいですよね☆どちらもアートのデザインが違うので、おすすめです。
■ 基本情報
- ・名称: 道の駅いなかだて 弥生の里
- ・住所: 青森県南津軽郡田舎館村高樋八幡10
- ・アクセス:田んぼアート駅から徒歩3分
- ・営業期間: 2015年は6月中旬~10/10 ※稲の状況などにより毎年変更あり
- ・営業時間: 期間中は9:00~17:00(夏休み期間は8:30~18:00まで)
- ・電話番号: 0172-58-2111(田舎館村企画観光課 商工観光係)
- ・料金: 大人(中学生以上)300円、小学生100円
- ・オススメの時期: 6月下旬~10月上旬
- ・公式サイトURL: http://www.vill.inakadate.lg.jp/docs/2013050200014/
田んぼアート制作の裏側って?
どうやって作ってるの?
田んぼアートは稲をただ並べて植えるものではありません。まず原画を何にするか決め、それから田んぼに配置する稲の色などを決めていくのです。植えるのも刈り取るのも人の手で、稲刈りは参加者を募集して行われますよ。この原画、田んぼアートが始まった当初はイラストをそのまま表現していました。しかし、モナリザを作った際「太ったモナリザ」と呼ばれてしまったことがきっかけで改良が重ねられてきたのです。原画に遠近法を用いることで、眺める場所から向こうへ行くほど間延びしたような原画ができます。一見なんの絵かわかりませんが、手前から眺めれば今まで以上の美しいアートが完成するのです。
原画から始まる巨大アート
制作に入る前には、原画を決めることになります。様々な意見から原画を決め、決定したら今度はパソコンを用いて遠近法をプラス。手前から奥に向かって引き延ばされたような原画が完成します。イラストとしてはゆがんだように仕上がりますが、これが展望台などの決まった位置から見れば美しく仕上がるんですね!原画を作る工程だけで、およそ20時間を要すると言われます。その後、完成した原画をもとにラインに沿って杭が打ち込まれ、テープで仕切られていくのです。仕切りの中に植える稲の種類を変えることで、鮮やかでカラフルなアートが作られています。
7色の苗たち
田んぼアートに使われているお米の苗、どんなものだか知っていますか?通常わたしたちが口にしているお米と言えば緑の苗ですが、古代米というコメの苗はじつに色鮮やか。紫、赤、黒、白など、見慣れた緑色の苗からは想像できない色をしているんです。田んぼアートが始まった当初は3つの色の苗しかなく、黄苗・紫苗・つがるロマン(緑)の3色でアートを作っていました。しかし現在では全11種類・7色の苗を使っているんです♪もちろん、苗に着色したりしていません。自然が生み出す色を引き出して作るアートなのです。
違う視点で♪田んぼアートの楽しみ方
ライブカメラでも楽しめる!
村おこしとして田んぼアートを発信している田舎館村ですが、全国どこにいてもいつでも田んぼアートを見られるよう、ライブカメラを設置しています!このカメラは第1会場と第2会場に1つずつ設けられており、現在の田んぼアート会場の様子を見られるんですよ。稲を植えるシーズンまではただの土ですが、シーズンになれば稲を植えた後の田んぼアート(完成の姿)や、その後稲刈り体験が行われて土に戻るまでの様子を毎日見られます!遠くて足を運べない、もう1度見たいという人に最適ですよね♪
稲刈り体験に参加しよう!
田んぼアートは見るだけで終わるのはもったいない!鑑賞したら最後に稲刈り体験ツアーを楽しんでみるのもおすすめです!これは田舎館村のホームページで募集が行われ、参加者はアートされた田んぼで稲刈りをすることができるものです。参加費は無料ですが、昨年はおにぎりと豚汁のサービスがついて大盛況でした。農作業を体験したことがない人や、1年の思い出作りをしたい人にもぴったりですよね!応募が始まるのは9月頭ごろなので、田舎館村ホームページをチェックし、「観光・文化」というページを見ておくといいでしょう。
■ 基本情報
- ・名称: 稲刈り体験ツアー
- ・住所: 田舎館村役場東側水田(変更される場合あり)
- ・アクセス:田んぼアート駅から徒歩25分、田舎館役場そば
- ・営業時間: 8:30受付開始(変更される場合あり)
- ・電話番号: 0172-58-2111
- ・料金:参加無料 ※稲刈り鎌は持参
- ・公式サイトURL:http://www.vill.inakadate.lg.jp/bunya/kanko/
田んぼだけじゃない!?新たな田舎館のアートたち
石アートを鑑賞しよう!
田んぼアートは田んぼに稲が実る期間中だけのお楽しみ。冬になれば楽しむことができないので、初夏から秋までの限定された催し物でした。しかしこれを覆そうと、田舎館では新たな試みが始まりました。その名も「石アート」!場所は田んぼアートの第2会場である道の駅いなかだて。黒・白・グレー・濃いグレーの4色の石を使い、並べることでイラストを作り上げるんです。稲穂のアートとはまた違い、シルエットをより美しく見せるアートになっていますよ!こちらも是非鑑賞してみてくださいね!
惜しまれる人
石アートは2015年に始まったばかりで、まだまだこれから人気となるアートです。作品にシリーズを設定しており、初年度である2015年には「惜しまれる人」というタイトルで高倉健さんが作られました。世界的にも名を知られる大スターだった高倉さんが、4色の石で肖像画になって登場していますよ!高倉さんファンのみならず、石だけで作られたアートに興味がある人なら一見の価値はあります!この「惜しまれる人」シリーズは今後も継続していくようなので、今年はどんなデザインが浮き上がるのか楽しみですね。田んぼアート会場のすぐ脇で作られているので、ついでに鑑賞してみてください。
田んぼアートの魅力をご紹介しましたが、興味がわいてきませんか?稲だけでこんな絵画のような表現ができるなんて驚きですね!緻密に計算された作品は一見の価値ありです。スターウォーズやサザエさんなど、モチーフもユニーク。ファンならずとも思わず見入ってしまいます。
田んぼアート駅はとても珍しい駅名で、たしかにユニークそのもの。ですが駅名に劣らず、田舎館が発信している水田を使ったアートもまたセンスの光るものですね。石や稲など、自然を生かした作品が生み出せるのも、のどかな場所ならでは。訪れれば、その魅力がきっと伝わるかと思います♪巨大な稲の絵画を鑑賞する旅も素敵ですよ!自然を活かした見どころいっぱいの青森県!一度足を運んでみてはいかがでしょうか?田植えや稲刈り体験ツアーも開催しているので、事前にチェックしてお出かけを楽しんで下さいね。
素材提供:トリップアドバイザー