箱根関所について解説していきます。江戸時代交通史の重要な遺跡。平成10年~19年に渡って復元され、およそ140年の時を経て再び芦ノ湖畔にその姿を見せました。ひとたびそこに立ってみると、まるで時代劇の世界に迷いこんだようです。高台から絶景を見下ろせるのも、関所ならではの特権。幕府を外敵から見張る防人のような気分が味わえるかもしれません。はたまた旅途中の町娘になりきっちゃう?今回はこの歴史スポットに迫ります。
箱根関所とは?
江戸時代第一の主要道路である東海道を監視するために設置された重要な関所が箱根関所です。箱根関所の役割(仕事)は、関所構内に掲げられた御制札(高札)に記載されており、旅人が関所を通るには、様ざまな検査が行われました。関所を通る旅人によっては、関所通行手形を持っていなければならない場合もあります。ことに箱根関所では、江戸から関西方面へ向かう「出女」の場合は、幕府の御留守居役が発行した証文(女通行手形)を必ず所持し、手形に記載された内容と持参した女性の特徴が一致しなければ、関所を通ることはできないという、厳しい取り調べが関所の役人たちによって行われていました。
現在ある箱根関所は、当時の建物を忠実に再現したものです。単に石垣や建物を復元させるだけではなく、江戸時代の職人が使った技巧を使って復元させていくという、本格的な方法が取られています。平成10年から復元整備計画が始まり、平成19年まで順次、復元作業が行われました。その結果、門や番所、休憩所など広い土地に多くの建物が再現されました。隣接する資料館では、関所日記や関所破りの記録、絵図など貴重な資料が展示されていますので、合わせてご見学下さい。
江戸と京都、大坂の三都間を結ぶ最重要交通路とされていた箱根関所。通行時間が明け六つ(だいたい朝の6時頃)から暮れ六つ(大体夕方の6時頃)までとなっていました。そのため夜間通行は原則として禁止されていました。箱根関所には槍や鉄砲などが常備されていましたが、そのほとんどが旅人を脅すもので火縄銃に火薬が詰まってなかったり弓があっても矢がなかったそうです。
箱根関所の魅力
江戸時代にタイムスリップしたような気分にさせてくれるのがこの箱根関所です。ほぼ完全に復元された箱根関所で歴史のロマンを感じることができるでしょう。関所内には多くの建物が建っています。関所を通る人たちに厳しい戒めを行った大番所、関所を管理する役人たちが日常生活を営んでいた上番休息所など、江戸時代の様子を垣間見ることができます。また、関所破りを投獄した牢屋、高台にある番所など関所の重要さ、厳しさを感じ取ることもできると思います。資料館はテーマごとにわかりやすく展示され、箱根関所をさまざまな切り口から学ぶことができます。資料館の売店では、オリジナルグッズも販売されているのでお忘れなく!
時代劇や歴史好きの方が一度は訪れてみたい箱根関所。発掘調査と古文書に基づいて復元された箱根関所には遠い昔の遺構を探るには最適の場所でもあります。展示にはそれぞれ詳しい解説があり、かなり楽しめます。さまざまな史料や展示物は社会見学にもおすすめですよ☆展示物も多く、見て廻るだけでも1時間はかかりそうです。
箱根関所の見どころ
ほぼ完全に復元された箱根の関所では各役割の場所をめぐることができます。時を超えてその時代に思いを馳せるのもまた楽しいものです。同じ敷地内に「箱根関所資料館」があり、各種の関所手形をはじめ象が関所を超えた話や関所破りの記録、古文書、武器類などが展示されています。
平成16年に復元された大番所、上番所は関所の役人が詰めていた場所で、関所改めや日常生活が行われていた場所です。台所や湯殿も備えられていました。渋黒塗りという、黒く塗られた建物は重々しく、関所を通る人に威圧感を与えていたようです。京口御門は、まさしく箱根関所の入口で、旅人はこの門の前で身なりを整えてから中に入ったそうです。番所には人形が並べられ、当時の様子を再現していますので、ぜひご覧ください。その他、敷地内には興味深い建物が多く並んでいます。
ボランティアのガイドさんがいることもあるので詳しいことは気軽に聞いてみてください。見張りどころとなる急な階段はちょっとキツかもしれませんが、それでも登る価値あり!上にある「遠見番所」まで上がると芦ノ湖が見渡せる絶景になってますよ♪役所の厳しい検査を再現したリアルなエリアもあります。大名行列について詳しく再現していたりとさまざまな工夫がされています。
箱根関所周辺スポット
箱根関所を見て、歴史を堪能した後は周辺のおすすめスポットも!せっかうだから色んな所を見て回っちゃいましょう☆もちろん芦ノ湖も自然豊かでのんびりできますが、それ以外にもおすすめの観光スポット色々!門をくぐって杉並木に沿って旧街道を歩けばなんだか感慨深いものがあります。歴史好きの方はぜひ訪れて欲しいですね!神奈川県立恩賜公園
観光地「箱根」の中心かつ「旧函根離宮」跡地に広がる公園からの眺めは秀逸で、芦ノ湖や箱根外輪山、富士山が一望でき、その見事さから「かながわ景勝50選」のひとつにも選ばれています。「湖畔展望館」中には函根離宮の資料が展示されていて当時にを物語っています。2階のバルコニーからは、素晴らしい景色を鑑賞することができます。公園内では、電動自転車の貸し出しを行っています。広い公園内を自転車で回ってみてはいかがでしょうか? 箱根関所や箱根神社も自転車で行けますよ(タイヤのサイズは26インチ。12歳以上)。また4月から11月までは第2、第4土曜日に公園内のガイドツアーが催されています。13時30分から1時間ほどで、園内の見どころを案内してもらえます。記念品とお茶代込みで800円となっています。5名様以上は、前日までに公園管理事務所までお問い合わせください。
芦ノ湖の周りを駒ヶ岳や箱根外輪山が、その彼方には日本を代表する世界文化遺産にも登録された登録秀峰、富士山!そんな素晴らしい景観を一望できるのがこの「秀峰、富士山」!生け垣は手入れが行き届き、老大木は由緒ある庭園ならではの厳かな雰囲気を醸し出しています。中央広場には2階建ての羊羹「湖畔展望館」があり、箱根利休の資料展示や休憩室もありますよ。2階展望バルコニーからの眺めは素晴らしい物があります。
杉並木(国指定史跡)
ここは箱根を代表する景勝地で、昔の東海道の雰囲気が残っている場所です。東海道は、幕府の命によって江戸から京都までを結ぶ道として整備されたものです。高い木に囲まれた小道をぜひ、歩いてみてください。昔の旅人の気分を味わえることと思います。なお、道は天候によっては滑りやすくなっていますので、ご注意くださいね。現在の国道1号がすぐ脇を通っているため、杉の木を守るのは大変なことのようです。紫陽花などを植え、杉並木の保護に努めているとのことです。
滝廉太郎の「箱根八里」にも登場する杉並木。作中で「昼なお暗き杉の並木」と謳われ、かつては現在よりも多くの杉並があったと推測されます。明治37年(1904年)に湯元から芦の湖畔に至る新道工事の際に不足した工事費捻出のためにこの並木を伐採売却したそうです。その数松と杉を合わせて1000本を超えたとか!現在では国指定史跡として保護されているので今後そのようなことは無さそうですね。
箱根神社
関東総鎮守箱根大権現として尊崇されてきた名社で、交通安全・心願成就・開運厄除に御神徳の高い運開きの神様として信仰されています。
「箱根を背にするものは天下を刺す」と言われる、関東屈指のパワースポットです。着実に事業や物事を進められるというご利益があるそうです。九頭龍神社 本宮、駒ヶ岳山頂の奥宮・箱根元宮と合わせて参拝するとより大きなパワーを得ることができると言われています。また、箱根神社は夫婦となった源頼朝と北条政子がしばしば訪れた神社で、縁結びの神社としてもよく知られています。特に夏に催される芦ノ湖夏祭りの祭典行事にはたくさんの人が訪れます。
『吾妻鏡』では石橋山の戦いで敗れた源頼朝を助けた記事があり、以降関東の武家の崇敬を受けるようになりました。豊臣秀吉の小田原征伐の際に一度焼失しましたが、徳川家康が社領200石と社地不入の朱印状を寄せて社殿を再建しています。別当寺の金剛王院東福寺が箱根権現の中核でしたが明治期の神仏分離の際に還俗、神職となりました。この頃に箱根神社に改称されたんです。
参加者の声
実際に箱根関所に訪れた方々の声を集めてみました☆やはり遠見番所からの眺めは最高で一見の価値ありですよ!歴史に興味のある方にはぜひ訪れて欲しいですね。アクセス方法や営業時間、料金などの詳細もこちらから。詳しいことは公式サイトから要チェック!珍しいイベント情報などもあるので箱根関所付近を観光する際には役立ちますよ。料金は大人 500円ですが、小田急のフリーパスがあれば400円になります 絶対にお勧めな場所は遠見番所で急な石段(約80段)を登るのはちょっと大変ですが眺めが最高です 芦ノ湖の奥に富士山がきれいに見られます 天気が良い日を選んで訪ねてみてください
■ 基本情報
- ・名称:箱根関所
- ・住所:〒250-0521 神奈川県足柄下郡箱根町箱根1番地
- ・アクセス:【電車・バス】 ●小田原駅より箱根町行バス55分、箱根関所跡下車徒歩2分
- ●箱根湯本駅より箱根町行バス40分、箱根関所跡下車徒歩2分 【車】 ●小田原厚木道路、小田原西ICより車で40分
- ●東名御殿場ICより車で50分 ●国道1号三島より車で40分
- ・営業時間:9:00~17:00(12月~2月は16:30まで) ※入場は閉館の30分前
- ・定休日:年中無休
- ・電話番号:0460-83-6635
- ・料金:大人 500円(フリーパス、町立施設割引券 400円)
小人 250円(フリーパス、町立施設割引券 150円) - ※土・日曜日及び祝日は一般の小・中学生無料
- ※団体料金、65歳以上割引あり
- ・所要時間:約45分
- ・オススメの時期:
- ・公式サイトURL:http://www.hakonesekisyo.jp/index.html
箱根関所について解説しました。行き方としては、小田原駅、箱根湯本駅よりバスに乗車し、40分~55分程度で到着します。車、船で目指すことも可能です。江戸時代、多くの旅行者の交通として利用されていた東海道は、日本橋から京都の三条大橋を結ぶ、約492㎞の街道です。そこへ至るまで数々の関所・宿が点在し、人々の休息地となり、通過点となっていました。今回ご紹介したところ以外にも現存する場所がありますので、かつての旅人さながらに巡ってみるのも面白いかもしれませんね。
素材提供:トリップアドバイザー