タンザニアのモシ。この街に来た目的はただ一つ。キリマンジャロの登山に挑戦する事。キリマンジャロについては事前に色々と調べていた。その為、モシに到着した当日にツアー会社で申し込み、翌日から出発という弾丸スケジュールとなった。
そんなキリマンジャロの登山について3つの記事に分けて紹介していきます。まずは1編目!
キリマンジャロ
標高5895mで山脈に属さない独立峰としては世界一の高さを誇る。
いわゆる世界七大陸最高峰に含まれ、アフリカ大陸の最高峰。ちなみに世界七大陸最高峰は下記の通り。アジア大陸→ネパール・中国国境のエベレスト(8,848m)
南アメリカ大陸→アルゼンチンのアコンカグア(6,959m)
北アメリカ大陸→アメリカのマッキンリー(6,194m)
アフリカ大陸→’タンザニアのキリマンジャロ(5,895m)
ヨーロッパ大陸→ロシアのエルブルス山(5,642m)
南極大陸→南極半島のヴィンソン・マシフ(4,892m)
オーストラリア大陸→オーストラリアのコジオスコ(2,228m)
また、キリマンジャロのベストシーズンは12月~3月と7月~9月。
マラングルートかマチャメルートか?
キリマンジャロを登るためのルートはいくつかある。その中で最も人気なのがマラングルートとマチャメルートだ。マラングルート
マチャメルート
別名ウイスキールート。二番目に人気のルート。長さ49km。通常5泊6日。全行程、テント泊。帰路はムウェカルートを利用。マラングルートは日数が短いが、4泊5日だとしっかりと高度順応出来ず、アタック時に高山病になりやすい。その点マチャメルートは最短でも5泊6日を要する為、しっかり高度順応でき登頂率が高い。また、景色が良いと言われているのもマチャメルート。
山小屋かテントかに関しては、山小屋の方が良い気もするが、混み合っているととても狭いらしく意外と寒いという話を聞いていた。対するテントは自分の体験談として書くと、完全にプライベートな空間が確保出来るし、寒さも我慢出来る程度だったので全く不満はなかった。
また、マラングルート4泊5日とマチャメルート5泊6日を比べた場合、日数が長く、テントを運ぶ為により多くのポーター(荷物を運ぶ人)を必要とする為マチャメルートの方が高いと言われるが、山小屋の利用料がかからない為か?結果同一料金で可能。
という事で僕は 登頂率も高く景色も良いマチャメルートで登る事にした。
※地図・・ CLIMB KILIMANJARO GUIDEより抜粋
またブログなどでマラングルートは歩く距離が短く、マチャメルートは歩く距離が長いと多々紹介されているが、ウィキペディアの情報によるとその逆。マチャメルートの方が距離は短い。
参考: Wikipedia
キリマンジャロ キリマンジャロのツアー会社選定と申し込みまで
ツアー会社については、行った人に直接聞いたり、行った人のブログを見たりで事前に決めていたとこがある。それがここ「キリクライマーズ」
ホームページはこちら↓
KILI CLIMBERS & SAFARI L.T.D
モシの街に着いて宿に荷物を置いた後、すぐにここへ直行した。
この時点で僕が決めていた事。
・マチャメルート5泊6日のツアーに参加
・予算はチップ込みで合計1000ドル(当時のレートで約12万円)
チップについて
チップは気持ちで払うものなので、通常ガイドやポーターに直接払うもの。しかしチップの習慣が無い日本人にとって チップはいつも悩みの種。ガイド1人ならまだ良いが、アシスタントガイド、コック、ウェイター、それにポーターが1人当たりだいたい3名つくので、それぞれに見合ったチップを渡さなければならない。
そんな複雑なチップ事情を調べていたら、事前に会社に預けてしまって、会社から支払ってもらったという人が何人かいた。そのため僕も、チップ込みで支払いをしたいと考えていた。
交渉開始
キリクライマーズに飛び込み「キリマンジャロに登りたい。出来れば日本人が1人でもいるグループに参加させてもらえないか?」と聞いてみる。話をしたのはディレクターのジャスパー。すると「ちょうど明日から日本人女性4人組の申し込みが入っているよ」との事! 「もし可能であればそれに参加できないか?」と聞くと、彼女たちに電話をかけてくれた。話した結果「参加するのは構わない」との事。
しかし、彼女たちは僕の決めていた5泊6日よりも1日余裕を持たせた6泊7日のプランだった。さらに、チップは別で1300ドルでの契約だと言う。チップの相場は安くても150ドルから200ドルと聞いていた為、合計すると約1500ドルになり、予算を500ドルもオーバーする。その為、電話を切ったあとジャスパーに日数と予算が合わないので別のグループを紹介して欲しいとお願いする。
するとジャスパーから提案が。
まず日数に関しては、アタック前夜まで一緒に行動し、僕だけ1日早くアタックして下山する事も可能だと言う。なので1日分安くして1200ドル(チップ別)でどうだ?と言って来た。日数に関して文句なし。というかありがたい対応。
しかし「僕の予算はチップ込みで1000ドルだ」と再度伝える。この料金は決して無茶な金額では無いのは事前の情報収集で知っていた。いわゆるバックパッカーの情報網ではこの金額が当たり前なのだ。
彼女たちはバックパッカーではなくケニア在住の青年海外協力隊だった。協力隊の中の相場では1300ドルでも安い方との話を後から耳にした。安くなればなるだけ良い!という訳ではないが、ガイドもポーターの数も食事も宿も全く一緒なのだから、やはり少しでも安い方が良い。
ここからしばらく交渉が続いた。
「それは去年の金額だ」とか 「それはマチャメルートではなくマラングルートの金額だ」とか あの手この手で僕を説得してくる。
しかしつい最近でもマチャメルートに850ドル+チップ150ドルの合計1000ドルで行った人を知っているのだ。なので引くつもりはない。
そして交渉を続けた結果、最終的に僕の希望通りで契約する事になった。
マチャメルート5泊6日チップ込み1000ドル(登山用品のレンタル料込み)
しかしジャスパーから切実なお願いをされた。「他の日本人にはチップ別で1200ドルと言ってくれ。もし彼女たちから料金の事でクレームが入ったら君が差額を負担する事になる」 と。気が進む話ではないが、約束するしかなかった。
そして契約書にガイド代、ポーター代、両方のチップ代、レンタル代込みである事を明記させ、代金を支払った。と言ってもキリクライーマズで支払うのは310ドル。残りの690ドルは当日マチャメルートの入口(マチャメゲート)でクレジットカードで支払った。この690ドルは入山料及びキャンプサイト使用料などにあたる。
また、契約書にこれらを書かせるのは絶対に必要な事。
事実、最終日にガイドから「チップをくれ」と言われ、すでに会社に預けてあるから会社側から受け取って欲しいと伝えると「そんなはずはない!」と怒り出した。契約書を見せたら、会社に電話をして確認していた。渋々納得した様子だったが、契約書に書いていなければどうなっていたか分からない。
※彼女たちにはお金の事は何も聞かれなかった為お金の話はしていないが、もしこのブログを見ていたら・・隠していてどうもすいませんでした。
準備
事前の高度順応の為、キリクライマーズのボスの家に無料で何泊かしてから出発するという人が多いらしい。が、僕の場合出発は翌日。という事で僕が自分で準備したのは、帽子(絶対必要!)、サングラス(絶対に必要!)、日焼け止め(どんなに焼けている人でも絶対に必要!)、日焼け後のアフタークリーム、キットカット6本。あとは全てレンタル用品で済ませた。
1日目 マチャメゲート(標高1800m)
朝早く宿泊していたキリマンジャロバックパッカーズにお迎えが来た。僕は全ての荷物を持って迎えの車に乗った。車はそのままレンタル洋品店へ向かう。ここで寝袋、上下防寒着、手袋、ネックウォーマー、登山靴、登山用靴下2組、ももひき、中に着込むもの数枚、ストック、ヘッドランプ、雨天用のポンチョ、水筒2つなどを借りた。
そして合流場所へ。ここで初めて一緒に登るメンバーの女性4名とご対面。するともう1人日本人男性がおり、どうやら僕と同じで前日に急遽申し込み飛び込み参加したようだ。嬉しい事に彼は僕と同じ5泊6日の日程なので、アタックが1人ではなくなった。車は6人を乗せ、そのままマチャメゲートへ向かう。
オフィスに荷物を預けさせてもらう約束をしていたが、ゲートで荷物を分け、オフィスへ戻るスタッフに渡してくれとの事。車は1時間ちょっと走ってマチャメゲートに到着。
まずは自分の荷物を、自分で運ぶ物、ポーターに預ける物、オフィスに預ける物の三つに分ける。
自分で運ぶ物
貴重品、水筒2つ、少し寒くなった時にTシャツの上に着る物、ネックウォーマー、手袋、ポンチョ、カメラ、交換用レンズ、ストックなどポーターに預ける物
上下防寒着(初日はまだ寒くないのでTシャツで十分だった)、着替え、寝袋、カメラの三脚(星撮影用)、カメラの予備バッテリーなど※ポーターに預けたものは、その日のキャンプ地に着くまで取り出せない
オフィスに預ける物
その他の物全て。パソコンや今まで撮った写真全てのバックアップを取っているハードディスクを預けるのは不安だったが、結果問題は起こらなかった。同時進行で、ガイドやコック、ポーター達もテントや食器、食材、水などの仕分けを進める。
その後、ゲートで登山者名簿に名前を書き、入山料等の支払いを行う。予定通り総額で690ドルをクレジットカードで支払った。
出発まで少し時間があるので、ストレッチなどをしながら少し早めのランチタイム。
ゲートにはたくさんの登山客やポーターが集まり、それそれが仕分け作業をしていた。
ポーターは1人辺りの総重量に上限があるようで(確か30kg?)計量や入山手続などで行列が出来ていた。
1日目 マチャメゲート(標高1800m)~マチャメキャンプ(標高3000m)
そしてついに登山開始!!後列一番右がガイドのマックス。真ん中と一番左がアシスタントガイド。そしてケニアの協力隊の皆さんと急遽参加の山ちゃん(男)。ほとんどの荷物はポーターが持ってくれるから楽チン☆
初めのうちはしっかり整備された登山道で緩やかな傾斜なので登りやすい。
ガイドやアシスタントガイドの荷物はまだマシだけど、ポーターの荷物の量・・・半端なくて笑えない・・。
ところどころ休憩を挟む。高山病対策の為とにかく多めに水分を補給する。
歩き始めて数時間でマチャメキャンプ(Machame Camp)に到着。
ここまではTシャツだけだとちょっと寒いかなーという程度。フリース的なものがあればそれで十分だった。
僕らより後に出発したポーターはとっくに到着していて、すでにテントも張ってくれていた。
このテントは休憩&食事用テント。コーヒー、紅茶、MILOなど飲み放題。休憩時に出してくれたポップコーンがメチャクチャうまかった!
この日はもう歩かない。休憩用テントでみんなで話をしながら夜ご飯を待った。これがこの日から毎日飲むことになるキューカンバースープ(きゅうりのスープ)
それにジャガイモやら何やら食べきれないほど出てくる。
高山病対策の為に、水分の補給に加えたくさん食事を取る事が大切だとか。
食後は毎晩必ずメディカルチェックがある。血圧と体内の酸素量を測る。 問題があれば、もっと水飲め!飯を食え!などと言われる。
2日目 マチャメキャンプ(標高3000m)~シラキャンプ(標高3800m)
翌朝、朝食を済ませてたら7時過ぎに2日目のキャンプ地へ向けて出発。この日のキャンプ地は3800m。早くも富士山の山頂よりも高いところまで行くことになる。急な道が多い。
目の前に見えるのはメルー山。1日目は森の中だったが、この日から雄大な景色が望めるようになる。
それにしてもポーターの苦労・・泣けてくる。。
途中の休憩ポイント。キリマンジャロの山頂が姿を出していた。
山ちゃんと並ぶと僕が小さく見えるから嫌だ・・・一応175cmあるんですけどね。
休憩しては登り、休憩しては登り・・・
結構急な道が続くが、しっかり休憩できるので全然大丈夫。
こんな岩肌を登ったり、どんどん険しい道となっていった。
そして午後2時位?標高3800mのシラキャンプ(Shira Camp)へ到着した。キャンプ地は完全に雲の中。ここまで来るとさすがに寒い。そして空気の薄さも実感してくる。
着いてすぐに遅めのランチ休憩。今日もキューカンバースープ。意外とこれが美味しい!
以上、長くなりましたけど3編に続くキリマンジャロ登山の1編目です!
次は3800mから見た満点の星空が出てきますよー!続きも読んでね~!!
⇒ http://find-travel.jp/article/21428