けんたま/KENTAMA
和製ロミオとジュリエット、大八郎と鶴富姫の悲恋物語を聞いたことがありますか?九州の山奥深く、現在も語り継がれる平家落人伝説や歌い継がれる伝承文化に、実際に触れることができる場所、それが椎葉村です。椎葉村とは?
椎葉村全体が国見岳をはじめ九州山地の標高1000メートル以上級の山々に囲まれています。そのためなのでしょうね一年を通して涼しく冬に雪が積もったりするのは。雨にも恵まれていて年降水量は約2800mmになるほどなんです。なので水が豊かで十根川や耳川などの源流が流れていてとっても素敵な場所なんです。地理・民族的に日本三大秘境の一つに数えられているのだそうです。
椎葉村の魅力
村全体が山に囲まれた大自然。それが椎葉村の魅力です。村人たちはその自然の恩恵を大切に、様々な独自の食文化や生活の知恵を受け継いできました。また、有名な平家落人伝説が語りだけでなく、資料や屋敷跡などで実際に感じることができます。我国初のアーチ式ダムの「上椎葉ダム」は昭和30年に出来ました。これが出来るまではかなりの秘境で車などでは到底行けない場所だったとか。この谷間の村には、神楽や臼太鼓踊り民俗芸能が観られる「椎葉民俗芸能博物館」や「椎葉厳島神社」「鶴富姫の墓」、鶴富姫が化粧に使った湧き水が今も湧き出ている「鶴富姫化粧の水」等など見どころ満載の村なんです。
椎葉村の歴史
椎葉村の歴史は、1185年に壇ノ浦で平家が源氏に敗れたことから始まります。日本全国に平家落人の里は数多くありますが、この椎葉村もそのひとつです。九州の山深くに逃れた平家の落人たちは、この地でひっそりと静かに平穏な時を過ごしていました。そんな平穏な時が過ぎ、やがて源頼朝が椎葉村の存在を知ってしまいます。那須与一の弟、大八郎が平家追討の命を受け、この椎葉村へやってきました。しかし大八郎は「討伐を果たした」と嘘をつき、村人たちを助けながらこの地にとどまったのでした。
やがて平清盛の末裔の鶴富姫と出会い、恋をします。永住を決心した大八郎は鶴富姫と結婚しますが、都から帰還の命が下り、愛しい鶴富姫とお腹の子を残して都へと帰っていったのでした。これが、椎葉村に伝わる平家落人伝説と大八郎・鶴富姫の悲恋の物語です。
伝承文化が息づく村は、壇ノ浦の戦いで滅亡した平氏の残党がこの「椎葉村」に隠れ住んだ場所と云われています。那須大八郎と鶴富姫伝説の那須氏は、落ち延びてきた平美宗や平知盛の子孫ではないかということも云われていますね。あくまでも伝承ですけどね。また収穫されたヒエを杵でつくときに歌われる労作歌の「ひえつき節」は宮崎県の代表的な民謡なんですよ。
椎葉村に行ったら出来ること
椎葉村に残る平家伝説の数々の観光はもちろん、椎葉村では地元の人達と触れ合いながらスローライフを体験することができます。名物の蕎麦打ちや菜豆腐作りなどの食文化をはじめ、伝統芸能やわらじ作り、トレッキングまでメニューは様々。どれだけいても足りないくらいの体験プログラムがあります。田舎の生活は、都会と違ってゆっくり一日が生活の中で過ぎていきますよね。ゆくりって、漫画やゲームをしてゆっくり部屋で過ごすのじゃないですよ(笑)。自然の中で生活するには何でも自分の力で作って生活しなくてはいけません。ここはまさにうってつけの秘境!体験メニューはたっくさ~んあります。豊かな自然が豊富な山々に囲まれた椎葉村には、天然うなぎも居て「天然うなぎ採り体験」や「山菜採り体験」「Myわらじ作り」等など楽しみ満載です。
おすすめ観光スポット
鶴富屋敷
大きく太い材料を使用した椎葉独特の建築方法で建てられている住宅は、鶴富姫が嫁いだ那須家の住宅です。ここが悲恋物語の舞台となりました。元は茅葺きでしたが、火災防止のため銅板葺きに変えられています。長い廊下や囲炉裏のある部屋など見学ができ、当時の鶴富姫の生活が想像できます。この屋敷は、江戸時代後期の1818年 から1829年の約300年前に造られたもので、国の重要文化財になっています。山々に囲まれて、平地が殆ど無ない椎葉村独特の並列型民家といい、横長いち列に造られていて、内部の部屋も横一列になっています。今は表面を銅板で覆われた寄棟造になっているこの家の屋根は、当時は茅葺きだったそうですよ。
■ 基本情報
- ・名称: 鶴富屋敷
- ・住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村上椎葉
- ・営業時間: 9:00~17:00
- ・定休日: 年末年始(12/28~1/3)
- ・電話番号: 0982-67-3139(椎葉村観光協会)
- ・料金: 大人200円 / 小人100円
椎葉厳島神社
見渡す小高い丘に鎮座する椎葉厳島神社は、そう名前を見てあれ?っと思った方多いのではないでしょうか、何を隠そう敵方の平清盛が創建した広島の厳島神社の分祀の神社なんです。古は厳島大明神とも云われていました。市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)と素盞鳴命(スサノウノミコト)を合祀されています。ここの境内には大八郎と富姫の恋と別れの歌が記されている「ひえつき節」の碑もあります。
■ 基本情報
- ・名称: 椎葉厳島神社
- ・住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良1822
- ・アクセス: 椎葉村役場より車で3分
- ・電話番号: 0982-67-3139(椎葉村観光協会)
おすすめのお宿
旅館 鶴富屋敷
鶴富姫と那須大八郎の恋物語の舞台、鶴富屋敷に隣接する旅館です。屋敷と同じ敷地内ですし、郷土芸能博物館も歩いて行ける距離ですので観光の拠点に最高です。そしてなんと!山の幸をふんだんに使った食事が鶴富屋敷でいただけるという他では体験できないサービスもあります。この旅館は那須家の32代目が経営する旅館なんです。丁度椎葉村の中心地にあり椎葉厳島神社もすぐそばと観光は最高です。宿泊する部屋は素朴で何か故郷に帰省したかのようなお宿ですね。またここから国道265号を上って行くと椎葉村の十根川という場所に着きます。そこには縁結びの神様として崇められている十根川神社があり、那須大八郎が最初に陣屋を構えたこの神社に植えたとされる樹齢800年の「八村(やむら)杉」は圧感なので訪れてみてはいかがでしょうか。
■ 基本情報
- ・名称: 旅館 鶴富屋敷
- ・住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良1818−1
- ・アクセス: 椎葉村役場より車で3分
- ・電話番号: 0982-67-2320
- ・料金: 観光プラン7,560円~(夕朝食付※鶴富屋敷での食事は10,800円~)
- ビジネスプラン7,020円~(弁当・洗濯付き)
- ・URL: http://www.shiibakanko.jp/ss_index.php(椎葉村観光協会)
おすすめ名産グルメ
平家本陣
物産センターと一緒になっている食堂です。1日20食限定の「椎葉そば」は絶品で、他のそばが食べられなくなる!という人もいるほど。他にも臭木の葉を使った「くさなぎ焼き飯」や、椎葉名物「菜豆腐」など、椎葉の郷土料理が揃っています。国道327号沿いにあって、耳川や山並みの景色が見応えあるレストランですね。店内は木の木目がとっても落ち着く内装で畳の小上りには広いテーブルと座布団がありゆっくり出来ますよ、椎葉伝統の豆腐って季節の野菜を使っていて、菜の花や藤の花、カラーピーマンなどが入っていてとってもカラフルですよ。どれも地場産にこだわったここにしか無い品物がたくさんあります。
■ 基本情報
- ・名称: 物産センター 平家本陣
- ・住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字下福良509-23
- ・アクセス: 椎葉村役場より車で8分
- ・営業時間: 11:00~15:00(物産コーナーは9:00~18:00)
- ・定休日: 年末年始(12/29~1/3)
- ・電話番号: 0982-67-3140
- ・料金: 椎葉そば 800円 / くさなぎ焼き飯 550円
イベント
椎葉平家まつり
毎年11月に行われるお祭りです。ひえつき節を代表とする郷土芸能や琵琶のコンサート、椎葉の郷土料理などが振る舞われます。祭りの目玉は大八郎と鶴富姫の悲恋物語を再現した大和絵巻武者行列でしょう。郷土芸能ときらびやかな衣装を来た姫君たちのパレードが鶴富屋敷までの500mを練り歩きます。これだけ盛大に椎葉平家まつりで鶴富姫を供養する「法楽祭」や、当時の様子が再現される時代絵巻の「大和絵巻武者行列」がとり行われるのって、今はなき鶴富姫と那須大八郎は天国で再会し喜んでいるのではないでしょうか。このお祭りは述べ3日間行われます。特産品の即売市や山の幸が美味しい椎葉猪鍋の無料配布もあるのでお祭りの時期に訪れてみたいものですね。毎年大盛況だそうですよ。
椎葉村へのアクセス
《主要都市からのアクセス》
・熊本市から九州縦貫自動車道・御船IC経由 車で約2時間
・大分市から延岡経由 車で約3時間
・宮崎市からひむか神話街道経由 車で約2時間30分
・鹿児島市から九州自動車道・人吉IC経由 車で約4時間
《近隣スポットからのアクセス》
・JR日豊線日向市駅よりバスで2時間30分 上椎葉降車
・御船ICよりR445・R218・R465経由 車で約1時間45分
・人吉ICよりR219・R388・R265経由 車で約2時間15分
基本情報
■ 基本情報
- ・名称: 椎葉村
- ・住所: 宮崎県東臼杵郡椎葉村
- ・電話番号: 0982-67-3111
- ・公式サイトURL: http://www.vill.shiiba.miyazaki.jp/
歴史の流れの中で、のんびりと過ごせる椎葉村。美しくも悲しい物語の舞台で、地元密着型のスローライフを体験してみませんか?