国立西洋美術館の魅力についてまとめました。上野といえば動物園というイメージの人が多いかもしれませんが、それだけではありません。絵画・銅像など、芸術に触れることが出来る施設もたくさんありますよ♪その中でも、今回ご紹介するスポットは、外観(建物自体)も素晴らしい!と言われています。イベントや企画の展示はもちろんですが、常設展でも充実した作品が多くて見ごたえ十分です。アクセスも良いので、是非チェックしてみてくださいね!
1.「国立西洋美術館」ってどんな美術館?
Kentaro Ohno
国立西洋美術館とは、東京都台東区の上野公園内に建つ、西洋美術全般を対象とする作品を保存、展示する博物館です。フランス政府から寄贈返還された松方コレクションを核に、1959(昭和34)年4月に発足しました。20世紀の始めごろに、ヨーロッパで美術品を収集していた実業家の松方幸次郎が持っていた作品群です。その中には、19世紀~20世紀前半における、大変貴重な彫刻や絵画作品があります。戦後フランス政府に差し押さえされていました。フランス政府から寄贈返還される条件が、この美術館の建設だったのです。ちなみに集め出したきっかけはロンドンの画廊を訪れたことと言われています。
日本ではここだけ!ル・コルビュジエ作品
戦後、日仏間の国交回復・関係改善の象徴として、20世紀を代表する仏の建築家ル・コルビュジェ氏が設計。日本で唯一のル・コルビュジエ作品です。1998年に地域に根差した優れた公共施設として建設省より「公共建築百選」に選定、2007年には歴史的建造物として国の重要文化財に指定。現在は世界文化遺産への登録を目指している貴重な建物です。ル・コルビュジェは、1955年にこの建物の建設予定地を視察するために、日本を訪れています。彼が基本設計案を建て、1957年委実施設計案が届けられ、ル・コルビュジェの弟子である前川國男、坂倉準三、吉阪隆正が実施設計を担いました。本来は劇場ホールも建てられる予定でしたが、予算の関係で見送りになっています。今は美術館の向かいに東京文化会館が建っていますね。
無限に成長する美術館
1979年には、本館の後ろに地上2F、地下2Fの新館ができました。この建物を設計したのは、本館の実施設計を手掛けたル・コルビュジェの弟子、前川國男です。この新館によって展示の免責は2倍となり、この美術館が担う松方コレクションも常時展示することができるようになりました。1997年には本館の前庭に展示企画室ができました。
2.国立西洋美術館といえば「松方コレクション」
松方コレクションとは、実業家松方幸次郎が大正初期から昭和初期にかけて築いた美術品コレクションのことで、国立西洋美術館の核となっています。コレクションの数は近代フランスの絵画・彫刻を中心としたおよそ370点を収蔵、展示しています。松方方幸次郎はが美術品の収集を行ったのは、フランスだけでなく様々な国に及びます。日本の浮世絵もありました。この西洋美術館にある作品は、松方コレクションのほんの一部にしか過ぎず、8000点にも及ぶ浮世絵コレクションは、東京国立博物館が所蔵しています。本人は自身のコレクションについて著作を作っておらず、全貌は中々解明できていない幻のコレクションです。
3.じっくり鑑賞「常設展示」
クロード・モネやルノアール、ロダンなど常設展示だけでも十分価値があると絶賛する人も多い国立西洋美術館。そんな訪れる人を魅了する素晴らしい作品の一部をご紹介します。ちなみに、一般的な美術館では撮影は不可ですが、一部の作品を除いて撮影することが可能なので、カメラを持参されるといいかもしれません。ただし、フラッシュはNG。
常設展を見るには、個人であれば一般で430円、大学生で130円の観覧料がかかります(高校生以下、もしくは18歳未満か65歳、心身に障害のある方及び付き添いの方1名は無料です)。ただし、毎月第2、第4土曜日や11月3日の文化の日は無料にしてくれているので、是非訪れてみてください。Webサイトでは、展示されている作品の名称やグラフィックがわかります。
クロード・モネ『舟遊び』
http://murasaki659.blog.fc2.com/blog-entry-224.html
印象派を代表するフランスの画家・モネの作品。屋敷からほど近いエプト川に小舟を浮かべて舟遊びする一家の姿を描いた作品の中でも、最高傑作がこちらの作品です。モネがこの絵を描くのキッカケになったのは、ウール県ジヴェルニーに移住した1883年のこと。エプト川で家族が舟を浮かべている姿を、何度も絵にしていたそうです。とても優雅に描かれている作中の人物は、四人の娘たちの中のブランシュとシュザンヌです。小舟の全景が描かれていないのがとても大胆な手法ですね。水面の部分が大きく、水に映る影の表現が細かいです。
オーギュスト・ロダン『考える人』
ご存知、ロダンの考える人は、ポーズを真似て記念撮影する人も多いです。前庭にあります。この考える人の肉体の表現および考えている「姿勢」については、ミケランジェロの影響が強いと言われています。また直接的な影響としては、カルポーの「ウゴリーノ」(1863年)です。特に左の腿のところに右ひじが置かれている姿勢については、とても良く似ています。本来は地獄の門の前でダンテが詩想に耽り、地獄に落ちる罪人を眺める姿を示しています。
ジョアン・ミロ『絵画』
http://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/c/d8831b8cb85074eec45efcb0d477112d
抽象的記号が常に登場するミロの作品。太陽、星、そして人のように見える記号は独特な世界観があります。シンプルに見えますが、しかし同時にとても広い天空を想起させ、また雄大かつ明るさすら感じさせる絵画とされています。とても大らかに、自由に描かれた作品ですね。戦後のミロの絵はこうした大らかさが特徴と言われています。どんな解釈や感じ方をするかは人それぞれ。是非直接絵を前にして見てみてください。1953年に制作された作品です。
ジョルジュ・ルオー『エバイ(びっくりした男)』
http://s.webry.info/sp/ezumi-mit.at.webry.info/201202/article_6.html
孤高の画家・ルオーの晩年の傑作。骨太な黒の輪郭線、額縁にも彩色が施されているのが特徴。大戦後のルオー作品には、極端な厚塗りが特徴としてあるといいます。この作品も、ちょっと離れて見てみると、それ自体が光を放っているような雰囲気があるといいます。そして近づくと、かなり色層が厚いのがわかります。エバイは「道化」をテーマにしていると思われています。かつてルオーは同じテーマの作品を描いていますが、この作品には風刺性は少ないですね。
4.もっと美術館を楽しむ!
無料でもらる「建築探検マップ」
http://blogs.yahoo.co.jp/atakek5_7_20d/9547878.html
絵画や彫刻作品にふれる美術館にはもうひとつ楽しみ方があります。ル・コルビュジェの素晴らしい建築にもふれてみませんか。こちらの建築探検マップは、本館のみどころを16カ所を分かりやすく説明された素晴らしいパンフレットです。常設展示室で無料配布しています。見るべきポイントを知っていると、楽しさも倍増です。
ル・コルビュジエは、コレクションが増加していくにつれ、建物が増築可能な「無限成長美術館」を考案した人です。身体のサイズを利用している「モデュロール」など、様々なアイデアをこの無限成長美術館に盛り込んでおります。このマップには、そうしたル・コルビュジェのアイデアを確かめることが可能なチェックポイントも掲載されています。
建築ツアー
もっと詳しく建築のことを知りたい、興味がある人には、ボランティアスタッフの案内による建築ツアーがおすすめ。本館や前庭を、スタッフが一緒に歩きながら案内してくれます。実施日は第2・第4土曜日の15:00~。建築ツアー参加をご希望の方は、整理券が必要です。先着20名なので、14:30よりインフォメーションで配布される整理券を忘れずに受け取ってくださいね。
■ 建築ツアー
- ・日時: 第2・第4土曜日(開館時) 15:00~
- ・定員:各回20名(先着順) ※14:30よりインフォメーションにて整理券が配布されます。
- ・集合場所:本館1階ロビー
- ・所要時間: 約50分
美術トーク
常設展示室の作品5~7点を、ボランティアスタッフのギャラリートークとともに鑑賞できます。なお、美術トークには、建築ツアーのように事前の整理券は必要ありません。■ 美術トーク
- ・日時:第1・第3・第5土曜日および毎週日曜日(開館時) 14:00~
- ・集合場所: 本館常設展示室19世紀ホール内
- ・所要時間: 50分
子どもと一緒に「ファミリープログラム」
http://www2.artmuseums.go.jp/sdk2011/postersession/19-nmwa.html
子どもも一緒に美術館を楽しみましょう。ただ見て回るより、断然、面白くしてくれる「びじゅつーる」というツールが貸し出してもらえます。写真に写っているカラフルな布のお人形はそのひとつ。彫刻と同じポーズをとらせたりすることで、体感的に知ることができるというアイデアもの。また、常設展にある絵や彫刻をみんなで一緒に楽しむ鑑賞と創作体験プログラムがセットになった「どようびじゅつ」を常設展が無料の毎月第2・第4土曜日に実施。「どようびじゅつ」は事前申込が必要なプログラムです。スケジュールと内容は公式サイトで確認ください。
美術館でクリスマス
美術館で楽しむクリスマス。アカペラのコンサートやクリスマスオーナメントを作るワークショップなどいろいろなプログラムを用意しています。クリスマスの時期が近くなりましたら、公式サイトで内容を確認してみて下さいね。5.ここでしか買えないミュージアムグッズ
http://blog.livedoor.jp/beno_re/archives/3109399.html
さまざまなミュージアムグッズや名作選カタログ、過去に開催された展覧会のカタログ等を販売しています。ここでしか買えないミュージアムグッズもいっぱいです。お気に入りの作品をモチーフにしたグッズは特に人気があります。≪おすすめ≫
▷考える人の付箋セット 540円 考える人のグッズはどれも人気。中にはクスッと笑いをとるグッズも。
▷考える人のストラップ(革紐 茶・黒) 870円 布紐タイプ(650円)もあります。
▷ゴッホ「ばら」チョコレート 2160円 なんて素敵なんでしょう。夏季販売休止。
http://blog.amecoya.com/?day=20080627
▷iPhone5ケース5種類(睡蓮・ばら・考える人(白・黒)・舟遊び) 1860円 企画展のグッズも見逃せません。こちらはラファエロ展開催時のもの。
http://www.museum.or.jp/modules/topics/?action=view&id=256
6.館内のレストランでゆっくり
http://nekoarena.blog31.fc2.com/blog-entry-1380.html?sp
美術も建物も両方楽しんだところで、そろそろほっとひと息つきたいところ。そんなときにおすすめなのが、CAFÉ すいれんです。心やすらぐ中庭を眺めながらゆったりとお食事ができます。入館料を払わなくてもお食事ができるので、上野公園散策の合間に立ち寄る人も多い人気のお店です。メニューはオムライスやカレー、パスタからコース、カフェメニューも充実。コースといっても本格的なコース料理ながら1674円と良心的です。優雅に中庭を眺めながらゆったりとお食事を楽しんでみては。
■ 基本情報
- ・名称: CAFÉ すいれん
- ・営業時間:10:00~17:15(食事11:00~16:30ラストオーダー17:00)
- 冬期開館期間 10:00~16:45(食事11:00~16:00ラストオーダー16:30)
- 金曜日 10:00~19:45(食事11:00~19:00ラストオーダー19:30)
- ・定休日:毎週月曜日(ただし、月曜日が祝日または振替休日となる場合は翌日)
- 年末年始(12/28~1/1) 、その他美術館休館日に準ずる
- ・電話番号: 03-5814-2891
- ・公式サイトURL: http://www.nmwa.go.jp/jp/shop-cafe/cafe.html
7.アクセス方法は?
http://www.nmwa.go.jp/jp/visit/map.html
美術館には駐車場がありません。なるべく、公共交通機関を利用しましょう。JR利用の場合…上野駅で下車。公園口徒歩1分。
京成電鉄利用の場合…京成上野駅で下車。徒歩7分。
東京メトロ銀座線・日比谷線利用の場合…上野駅で下車。徒歩8分。
車の場合…公園周辺にある有料駐車場→上野公園周辺有料駐車場MAP
8.訪れた人の声
“上野駅からすぐの立地にある素晴らしい美術館です!!”
京成上野、JR上野、地下鉄の銀座線、日比谷線からすぐのアクセスの 美術館ですのでたいへん便利です。 中は常設展があり、20世紀初頭と思われる西洋絵画とフランスの 近代彫刻を楽しむことが出来ます。 キリスト関連の絵画は外国人にもおすすめです。
京成上野、JR上野、地下鉄の銀座線、日比谷線からすぐのアクセスの 美術館ですのでたいへん便利です。 中は常設展があり、20世紀初頭と思われる西洋絵画とフランスの 近代彫刻を楽しむことが出来ます。 キリスト関連の絵画は外国人にもおすすめです。
“素晴らしい美術館”
企画展を観に行くのもいいですが、常設展も素晴らしい。常設展は年に何度か無料の時もあり。建物の外にあるロダンの彫刻を観るだけでも楽しめます。
企画展を観に行くのもいいですが、常設展も素晴らしい。常設展は年に何度か無料の時もあり。建物の外にあるロダンの彫刻を観るだけでも楽しめます。
9.国立西洋美術館についての詳細
■ 基本情報
- ・名称:国立西洋美術館
- ・住所:東京都台東区上野公園7番7号
- ・アクセス:JR上野駅下車(公園口出口)徒歩1分/京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
- 東京メトロ銀座線、日比谷線上野駅下車 徒歩8分
- ・営業時間:9:30~17:30(金曜日~20:00)
- ・休館日:毎週月曜日、年末年始(12月28日~翌年1月1日)
- ※ただし、月曜日が祝日又は祝日の振替休日となる場合は開館し、翌日の火曜日が
- 休館となります。
- その他臨時に開館・休館することがあります。 ・料金:一般430円・大学生130円 高校生以下入場無料 企画展は別料金
※無料観覧日 毎月の第2、第4土曜日、文化の日(11月3日) 常設展示のみ
※ぐるっとパスで常設展が割引になります。
・電話番号: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
・公式サイトURL:http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
地図はこちら
国立西洋美術館についてまとめました。魅力は伝わりましたでしょうか?上野にこんな場所があったのか!と思っていただけたら嬉しいです。動物園やショッピングなど、ワイワイ楽しむ休日も良いですが、たまには芸術に触れてみませんか?お子さま向けのイベントもありますので、ご家族で過ごすことも出来るはずです☆ミュージアムグッズは、海外のお店で売っていそうな物が多いので、見ているだけでも楽しいですよ。お土産にもオススメです。是非、足を運んでみてください。
参考:トリップアドバイザー